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49 確保 闇団体
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「そこの馬車! 止まりなさいと言っているのです!」
幌馬車と馬では速度が違い済ますから、私達はあっさりと追いつきました。
しかしここで先見の明のビジョンが見えました。
「周りの木から矢が飛んできます!」
みんなに合図をすると同時でした、街道わきの木々から沢山の矢が降り注いできます。
しかし流石は名をはせた冒険者、来るのが分かっている矢に当たる事はありません。
馬ごとかわし、武器で打ち払い、速度を落とす事なく馬車に接近しました。
「くぉ~ら! ニルスを返しやがれ!」
「マット! お前は左から周り込め、俺は右から回り込む! ロビーとケイは荷台から見えてる奴らを、フランは馬車の前に出て速度を落とさせろ!」
「了解!」
レッドの命令の下、それぞれが動き出しました。
私はサンダルフォンの足を生かして馬車の前に出るべく走り出します。
幌馬車の後ろからはチラチラと幕が動いて中が見えますが、暗くてよくわかりません。
そして右手に付き、幌馬車の前に出ます。
御者は2人で、1人は必死に手綱を操り、もう一人は剣を構えています。
近づこうとするレッドとマットを追い払おうとしていますが、その2人を相手にしても意味はありませんよ。
私は馬車を引く3頭の馬へ向けて魔法を発動させます。
「おやすみなさい」
眠気を呼ぶ魔法を使うと、走っていた3頭は動きが遅くなり、歩き、そして止まって崩れるように眠りました。
御者と剣を持った男はすでにレッドとマットが打ち倒し、幌馬車の背後に居たロビーとケイは幕を切り落として馬車の中を確認しています。
「ニルス~、大丈夫~? ケガはない~?」
「うん大丈夫! お姉ちゃんたち凄いね! カッコイイね!」
どうやら無事だったようですね。
幌馬車の中には男が1人居ましたが、抵抗する事なく縛り上げられていました。
「おいお前、どこの組織の者だ? バラモン教か? それともナイン・アイか?」
レッドがとんでもない名前を挙げました。
バラモン教はこの世界で最も古い宗教の一つで、ほかの宗教を認めず強硬手段に出る事もある過激な宗教です。
ナイン・アイはまことしやかに囁かれる闇組織で、貴族などの位の高い者が集まり、世界を我が物にしようとしている……と噂の組織です。
もちろん今回の件とは全く関係がありません。
「ちちち、ちがう! そんなおっかねぇ所と関わり合いなんてねーよ!」
まぁそうでしょうね。バラモン教はまだしも、ナイン・アイは噂だけの存在ですから。
「じゃあお前はどこの駒だ? まさかクライムクラスターか!!!」
「だ、だからちげーよ! 俺は真・祖国解放戦線だ!」
へぇ、見事に釣られてくれましたね。
クライムクラスターと勘違いされてはたまらなかったのでしょうね。
しかし、そうですか、真・祖国解放戦線でしたか。
「なんでぇ、ちっちぇぇ組織じゃねーか。なんであんなに大掛かりな事ができたんだ?」
「まったくだね。真祖戦は精々が10年前後の小さな組織だ。どうしてパレード全員に組織員を送り込むなんて事が出来たんだい?」
「お、おれも良くは分からねーけどよ、今回はリーダーがノリノリだったんだ。今度の山は美味しいぜって」
美味しい、ですか。所詮は犯罪者組織ですね、人に迷惑をかける事でしか自己主張が出来ないなんて。
それにしても気になる言い方ですね、今度のは、ですって?
「その言い方だと~、誰かに依頼された感じ~?」
「やっぱりそう思うよね? 真祖戦は小さいから他の組織からの依頼も受けるらしいけど、今回みたいな大規模な作戦が取れる所なんて、一体バックにはどこが付いてるんだろう」
真祖戦はこの国・ターポート共和国でしか活動していません。
そこに大量の人材を送り込み、訓練や各種専門知識にも優れている組織とは一体どこでしょうか。
「……まさか、憂国騎士団じゃないだろうな」
「レッド、憂国騎士団とは一体?」
「憂国騎士団の連中は本人達は正しいと思い、心から国を憂いている軍事組織だ。元軍人が立ち上げ、この国では正規軍に次ぐ規模を誇っているはずだ」
「マジかよレッド兄。そんな連中がどうしてニルスを誘拐したんだ?」
「俺にも分からん。だた憂国騎士団は自分の思い通りに物事が進まない時、強硬手段を取る事で有名だ」
なるほど、今回も強硬手段を取ってきましたが、裏に居るのは憂国騎士団ではないか、と。
しかしそれ程の軍事組織が出しゃばって来るのでは、流石の私も恐ろしいですね。
幌馬車と馬では速度が違い済ますから、私達はあっさりと追いつきました。
しかしここで先見の明のビジョンが見えました。
「周りの木から矢が飛んできます!」
みんなに合図をすると同時でした、街道わきの木々から沢山の矢が降り注いできます。
しかし流石は名をはせた冒険者、来るのが分かっている矢に当たる事はありません。
馬ごとかわし、武器で打ち払い、速度を落とす事なく馬車に接近しました。
「くぉ~ら! ニルスを返しやがれ!」
「マット! お前は左から周り込め、俺は右から回り込む! ロビーとケイは荷台から見えてる奴らを、フランは馬車の前に出て速度を落とさせろ!」
「了解!」
レッドの命令の下、それぞれが動き出しました。
私はサンダルフォンの足を生かして馬車の前に出るべく走り出します。
幌馬車の後ろからはチラチラと幕が動いて中が見えますが、暗くてよくわかりません。
そして右手に付き、幌馬車の前に出ます。
御者は2人で、1人は必死に手綱を操り、もう一人は剣を構えています。
近づこうとするレッドとマットを追い払おうとしていますが、その2人を相手にしても意味はありませんよ。
私は馬車を引く3頭の馬へ向けて魔法を発動させます。
「おやすみなさい」
眠気を呼ぶ魔法を使うと、走っていた3頭は動きが遅くなり、歩き、そして止まって崩れるように眠りました。
御者と剣を持った男はすでにレッドとマットが打ち倒し、幌馬車の背後に居たロビーとケイは幕を切り落として馬車の中を確認しています。
「ニルス~、大丈夫~? ケガはない~?」
「うん大丈夫! お姉ちゃんたち凄いね! カッコイイね!」
どうやら無事だったようですね。
幌馬車の中には男が1人居ましたが、抵抗する事なく縛り上げられていました。
「おいお前、どこの組織の者だ? バラモン教か? それともナイン・アイか?」
レッドがとんでもない名前を挙げました。
バラモン教はこの世界で最も古い宗教の一つで、ほかの宗教を認めず強硬手段に出る事もある過激な宗教です。
ナイン・アイはまことしやかに囁かれる闇組織で、貴族などの位の高い者が集まり、世界を我が物にしようとしている……と噂の組織です。
もちろん今回の件とは全く関係がありません。
「ちちち、ちがう! そんなおっかねぇ所と関わり合いなんてねーよ!」
まぁそうでしょうね。バラモン教はまだしも、ナイン・アイは噂だけの存在ですから。
「じゃあお前はどこの駒だ? まさかクライムクラスターか!!!」
「だ、だからちげーよ! 俺は真・祖国解放戦線だ!」
へぇ、見事に釣られてくれましたね。
クライムクラスターと勘違いされてはたまらなかったのでしょうね。
しかし、そうですか、真・祖国解放戦線でしたか。
「なんでぇ、ちっちぇぇ組織じゃねーか。なんであんなに大掛かりな事ができたんだ?」
「まったくだね。真祖戦は精々が10年前後の小さな組織だ。どうしてパレード全員に組織員を送り込むなんて事が出来たんだい?」
「お、おれも良くは分からねーけどよ、今回はリーダーがノリノリだったんだ。今度の山は美味しいぜって」
美味しい、ですか。所詮は犯罪者組織ですね、人に迷惑をかける事でしか自己主張が出来ないなんて。
それにしても気になる言い方ですね、今度のは、ですって?
「その言い方だと~、誰かに依頼された感じ~?」
「やっぱりそう思うよね? 真祖戦は小さいから他の組織からの依頼も受けるらしいけど、今回みたいな大規模な作戦が取れる所なんて、一体バックにはどこが付いてるんだろう」
真祖戦はこの国・ターポート共和国でしか活動していません。
そこに大量の人材を送り込み、訓練や各種専門知識にも優れている組織とは一体どこでしょうか。
「……まさか、憂国騎士団じゃないだろうな」
「レッド、憂国騎士団とは一体?」
「憂国騎士団の連中は本人達は正しいと思い、心から国を憂いている軍事組織だ。元軍人が立ち上げ、この国では正規軍に次ぐ規模を誇っているはずだ」
「マジかよレッド兄。そんな連中がどうしてニルスを誘拐したんだ?」
「俺にも分からん。だた憂国騎士団は自分の思い通りに物事が進まない時、強硬手段を取る事で有名だ」
なるほど、今回も強硬手段を取ってきましたが、裏に居るのは憂国騎士団ではないか、と。
しかしそれ程の軍事組織が出しゃばって来るのでは、流石の私も恐ろしいですね。
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