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26 地下通路 馬車
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地面の一部が下に降り、坂道になった。
かなり深そうだが、やっとつかんだ手掛かりを見逃す訳にはいかない。
中は暗く足元すら見えないが、ケイの魔法で仄かな光を出して周囲を照らす。
坂を降りて中に入ると、地下通路は人の手で掘られたらしく、スコップの跡があちこちに残っている。
警戒しながら進むと、降りていた坂が元に戻り、完全に日の光が入らなくなった。
地下通路は音が響くため、侵入者が居たらすぐに見つかってしまいそうだ。
しかし3人の足音がしない。魔法で音を消しているのだろう。
口を開かずに手で合図をし合い、ゆっくりと進んでいくと扉が見えてきた。
レッドが扉の前に静かに立つと、扉に耳を当てる。
何やら声がするが、何を言っているのかまでは分からない。
手で合図をすると、マットは扉の前で剣を構え、ケイは魔法で音もなく鍵を外した。
そして何やら魔法を唱え始める。
ケイの準備が出来たのか、レッドに向かって首を縦に振る。
レッドも剣を抜き、扉を力いっぱい蹴り開けた!
と同時にマットが大声を上げて殴り込み、ケイの魔法が発動し、室内には風が吹き荒れた。
「うわ! な、なんだ!?」
「侵入者だ! くそっ! 何だこの風は、火が消えて何も見えねぇ!」
吹き荒れる風で部屋の中はごった返し、中にいた者達には何が起こっているのか理解が追いつかない。
だが暗い場所にいたレッドとマットには全てが見えていた。
冷静に剣の柄を腹に当て2人の意識を奪い、他にも人が居ないか捜索を始める。
その間にケイが意識のない2人をロープで縛り、捜索に参加する。
「馬車が無いな。すでに移動したか?」
どうやら2人以外に人影はなく、部屋も無い様だ。
「じゃあこいつらは犯人じゃねーって事か。しくったかな」
「そうでもないよ~、ここの壁、隠し扉になってる~」
棚や荷物がたくさん置いてある壁に、よく見ると隙間がある。
太陽の下でなら簡単に見つけられるだろうが、薄暗い洞窟の中で見つけるのは至難の業だ。
棚や荷物をどかして岩の様な扉を押すと、馬車が通れそうなほどに広い通路が現れた。
「行くぞ」
レッドの合図で通路を走っていく。相変わらず足音はしていない。
しばらく走ると先から音が聞こえてくる。
「馬車の音じゃねーか?」
「急いでる訳ではないな。俺達が来たから逃げたわけでは無い様だ」
「じゃあ間一髪で間に合ったんだね~」
本当に間一髪だった。3人が地下に入る少し前に馬車は移動を開始したのだ。
だが、残念ながら相手もプロだった。
走る速度を上げる3人に、左右からいくつもの剣が襲い掛かった。
完全に気配を絶っていたため、通路の脇に隠れているのに気が付かなかったのだ。
レッドは何とかかわせたが、マットとケイは腕や胴体に傷を負ってしまう。
「うわっ! なんだこいつ等! 一体どこに隠れてやがったんだ!?」
悲鳴を上げると同時にに剣を構えて立ち上がる。怪我をしても直ぐに体制を立て直すのは、経験と鍛錬のお陰だろう。
血は流れているが、傷は深く無い様だ。
立ち止まった3人を囲むように、前後から人が現れる。
前に4人、背後に3人。倍以上の人数だ。
全員が剣を持ち、恐らくは一般市民を装っているのだろうが……あまりに目つきが悪く、いやらしい笑い顔だ。
「大丈夫か2人とも」
「すまねぇレッド兄、傷は大した事ねーよ」
「私も大丈夫だよ~」
囲まれてしまったが、あまり緊張はしていない様だ。
倍の人数を、一体どうするつもりなのだろうか。
武器を構えて前を見ると、前方の4人も武器を構える。そしてどうやら背後の3人はニヤケているだけの様だ。
レッド達は姿勢を少し低くし、後ろに向かってダッジュした。
不意を突かれた背後の3人は、慌てて剣を振り回すが当たるはずもなく、胸や腹を一突きにされ動かなくなる。
もう一人は魔法で燃やされていた。
「こっ! この野郎!!」
慌てて4人が襲い掛かるが、3人はすでに迎撃態勢を整えている。
1人多いくらいでは……相手にならなかった。
4人の内2人の足元に小さな穴が開き、足を取られて地面に転がる。それに気を取られた2人はレッドとマットに首を落とされ、地面に転んだ2人は……地面から突き出した鋭い棘に串刺しになっていた。
「馬車を逃がすな!」
思わぬことで時間を食ったが、まだ馬車が走る音がする。遠くへは行っていない様だ。
さっきよりも速度をあげて走ると、前方に馬車が見えてきた。
「見つけたぜ!」
かなり深そうだが、やっとつかんだ手掛かりを見逃す訳にはいかない。
中は暗く足元すら見えないが、ケイの魔法で仄かな光を出して周囲を照らす。
坂を降りて中に入ると、地下通路は人の手で掘られたらしく、スコップの跡があちこちに残っている。
警戒しながら進むと、降りていた坂が元に戻り、完全に日の光が入らなくなった。
地下通路は音が響くため、侵入者が居たらすぐに見つかってしまいそうだ。
しかし3人の足音がしない。魔法で音を消しているのだろう。
口を開かずに手で合図をし合い、ゆっくりと進んでいくと扉が見えてきた。
レッドが扉の前に静かに立つと、扉に耳を当てる。
何やら声がするが、何を言っているのかまでは分からない。
手で合図をすると、マットは扉の前で剣を構え、ケイは魔法で音もなく鍵を外した。
そして何やら魔法を唱え始める。
ケイの準備が出来たのか、レッドに向かって首を縦に振る。
レッドも剣を抜き、扉を力いっぱい蹴り開けた!
と同時にマットが大声を上げて殴り込み、ケイの魔法が発動し、室内には風が吹き荒れた。
「うわ! な、なんだ!?」
「侵入者だ! くそっ! 何だこの風は、火が消えて何も見えねぇ!」
吹き荒れる風で部屋の中はごった返し、中にいた者達には何が起こっているのか理解が追いつかない。
だが暗い場所にいたレッドとマットには全てが見えていた。
冷静に剣の柄を腹に当て2人の意識を奪い、他にも人が居ないか捜索を始める。
その間にケイが意識のない2人をロープで縛り、捜索に参加する。
「馬車が無いな。すでに移動したか?」
どうやら2人以外に人影はなく、部屋も無い様だ。
「じゃあこいつらは犯人じゃねーって事か。しくったかな」
「そうでもないよ~、ここの壁、隠し扉になってる~」
棚や荷物がたくさん置いてある壁に、よく見ると隙間がある。
太陽の下でなら簡単に見つけられるだろうが、薄暗い洞窟の中で見つけるのは至難の業だ。
棚や荷物をどかして岩の様な扉を押すと、馬車が通れそうなほどに広い通路が現れた。
「行くぞ」
レッドの合図で通路を走っていく。相変わらず足音はしていない。
しばらく走ると先から音が聞こえてくる。
「馬車の音じゃねーか?」
「急いでる訳ではないな。俺達が来たから逃げたわけでは無い様だ」
「じゃあ間一髪で間に合ったんだね~」
本当に間一髪だった。3人が地下に入る少し前に馬車は移動を開始したのだ。
だが、残念ながら相手もプロだった。
走る速度を上げる3人に、左右からいくつもの剣が襲い掛かった。
完全に気配を絶っていたため、通路の脇に隠れているのに気が付かなかったのだ。
レッドは何とかかわせたが、マットとケイは腕や胴体に傷を負ってしまう。
「うわっ! なんだこいつ等! 一体どこに隠れてやがったんだ!?」
悲鳴を上げると同時にに剣を構えて立ち上がる。怪我をしても直ぐに体制を立て直すのは、経験と鍛錬のお陰だろう。
血は流れているが、傷は深く無い様だ。
立ち止まった3人を囲むように、前後から人が現れる。
前に4人、背後に3人。倍以上の人数だ。
全員が剣を持ち、恐らくは一般市民を装っているのだろうが……あまりに目つきが悪く、いやらしい笑い顔だ。
「大丈夫か2人とも」
「すまねぇレッド兄、傷は大した事ねーよ」
「私も大丈夫だよ~」
囲まれてしまったが、あまり緊張はしていない様だ。
倍の人数を、一体どうするつもりなのだろうか。
武器を構えて前を見ると、前方の4人も武器を構える。そしてどうやら背後の3人はニヤケているだけの様だ。
レッド達は姿勢を少し低くし、後ろに向かってダッジュした。
不意を突かれた背後の3人は、慌てて剣を振り回すが当たるはずもなく、胸や腹を一突きにされ動かなくなる。
もう一人は魔法で燃やされていた。
「こっ! この野郎!!」
慌てて4人が襲い掛かるが、3人はすでに迎撃態勢を整えている。
1人多いくらいでは……相手にならなかった。
4人の内2人の足元に小さな穴が開き、足を取られて地面に転がる。それに気を取られた2人はレッドとマットに首を落とされ、地面に転んだ2人は……地面から突き出した鋭い棘に串刺しになっていた。
「馬車を逃がすな!」
思わぬことで時間を食ったが、まだ馬車が走る音がする。遠くへは行っていない様だ。
さっきよりも速度をあげて走ると、前方に馬車が見えてきた。
「見つけたぜ!」
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