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24 帝都の3人+
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帝都に入った3人は宿には入らず姿をくらました。
そしてすぐさま調査を開始したのだが、いまだロビーの行方は掴めていない。
「場所はどこだ?」
「それがね~、馬車と一緒にスラムに入ったけど、そのまま突然消えちゃったんだって~」
そのスラムにある廃虚の奥でヒソヒソ話をしているのだが、どうやら街に入る際に、受付をせずに入ったらしい人物一行もいるようだ。
しかしスラムは広い。探すにしても手掛かりが無ければ難しいだろう。
「消えちまったって事は、どこかに秘密の入り口でもあるってー事か?」
「恐らくはそうだろう」
スラムで秘密の入り口を持っているという事は、スラムに、ここ帝都の裏事情にも詳しいのだろう。
そうなると、国の違う3人にはかなり厳しい調査になる。
「まずは馬車が進んだルートを特定しよう。馬車の消えた場所が分かれば、捜査範囲は絞り込める」
マットとケイがうなずくと、それぞれが調査を再開した。
~捕らえられたロビー~
「おいおい、でけーと思ったらまだガキじゃねーかよ。なんでこんな奴を捕まえるのに、あんなに金を払うんだ?」
「しらんよ。お偉いさんの考える事は俺達にゃわからん」
スラムのどこかにある暗い場所で、ロビーは手足をロープで縛られ、口の中には布を詰め込まれて喋れなくされていた。
見張りの2人はどうやら誰かに雇われたらしく、ロビーを誘拐した理由を知らされていない様だ。
(ごめんよみんな、僕が油断したばっかりに……」
サザンクロス聖国の冒険者ギルドで報告を終えたロビーは、ギルドを出た時からつけられていた。
誘拐を専門に扱う連中らしく、後をつけている気配は一切なく、静かにロビーの横に並んだ。
「声を出すな。次の道を右に曲がるんだ」
突然声をかけられたロビーだが、いつの間にか左右に男が張り付き、右の声を出した男は横腹に、左後方の男は背中にナイフを突きつけていた。
ひょっとしたら気付いてないだけで、他にもいるかもしれない。
そう考えたら指示に従うしかなかった。
それからは目隠しをされて大きな樽に詰め込まれ、かろうじて聞こえる声を頼りに情報を集めていた。
しかし誘拐犯は目的を知らないらしく、唯一分かった事といえば、グラストリム帝国へ向かっているという事だけだった。
門番とのやり取りが聞えていたから、今はグラストリム帝国に居るのは分かっている。
自分とグラストリム帝国との関連は何かと考え……何回も考え直したが、思いつくのはフランチェスカだけだった。
以前王太子の誘いを断った事もあり、逆恨みしての事ではないか、そう考えていた。
あれから3年も過ぎているのに、どうして今頃動き出したのか。
その答えは見つけられなかったが、どうしても聖女が必要な状況になってしまったのだろう。
誘拐であれば身代金や条件が提示される。
つまり自分を助けるために3人はこの国に来るのだ。
自分を返す条件がフランチェスカ、聖女だった場合、もう会えなくなるかもしれない。
一刻も早く逃げ出さないといけないが、状況が分からず、装備もない状態では、ヘタに動くと取り返しのつかない事になる。
何とかスキを見て逃げ出せないか、そう考えてじっと機を見ていた。
~???~
「聖女は動いたか?」
「動いたが、まだ国境をまたいでいない」
「ふん! 所詮は自分が可愛いだけの女よ。聖国に助けを求める知恵すらないのだからな!」
サザンクロス聖国に助けを求めれば、フランチェスカは国を出れなくなるどころか、場合によっては軟禁される可能性が高い。
身の自由を確保するためには聖国に助けは求められない。
その前提の下で今回の作戦が始まったのだが、3人目の男は忘れたのか、かなり苛立っている。
「とにかく、一刻も早く聖女を手にしなければいけない」
「ああ、そうしなければ、我々の立場が悪くなってしまう」
「聖女などと言う劣化勇者の力が必要などと、末代まで笑われるわ!」
この者達が誰なのか、どういった目的で動いているのか、それはまだ分からない。
しかし黒幕であることは間違いないだろう。
そしてすぐさま調査を開始したのだが、いまだロビーの行方は掴めていない。
「場所はどこだ?」
「それがね~、馬車と一緒にスラムに入ったけど、そのまま突然消えちゃったんだって~」
そのスラムにある廃虚の奥でヒソヒソ話をしているのだが、どうやら街に入る際に、受付をせずに入ったらしい人物一行もいるようだ。
しかしスラムは広い。探すにしても手掛かりが無ければ難しいだろう。
「消えちまったって事は、どこかに秘密の入り口でもあるってー事か?」
「恐らくはそうだろう」
スラムで秘密の入り口を持っているという事は、スラムに、ここ帝都の裏事情にも詳しいのだろう。
そうなると、国の違う3人にはかなり厳しい調査になる。
「まずは馬車が進んだルートを特定しよう。馬車の消えた場所が分かれば、捜査範囲は絞り込める」
マットとケイがうなずくと、それぞれが調査を再開した。
~捕らえられたロビー~
「おいおい、でけーと思ったらまだガキじゃねーかよ。なんでこんな奴を捕まえるのに、あんなに金を払うんだ?」
「しらんよ。お偉いさんの考える事は俺達にゃわからん」
スラムのどこかにある暗い場所で、ロビーは手足をロープで縛られ、口の中には布を詰め込まれて喋れなくされていた。
見張りの2人はどうやら誰かに雇われたらしく、ロビーを誘拐した理由を知らされていない様だ。
(ごめんよみんな、僕が油断したばっかりに……」
サザンクロス聖国の冒険者ギルドで報告を終えたロビーは、ギルドを出た時からつけられていた。
誘拐を専門に扱う連中らしく、後をつけている気配は一切なく、静かにロビーの横に並んだ。
「声を出すな。次の道を右に曲がるんだ」
突然声をかけられたロビーだが、いつの間にか左右に男が張り付き、右の声を出した男は横腹に、左後方の男は背中にナイフを突きつけていた。
ひょっとしたら気付いてないだけで、他にもいるかもしれない。
そう考えたら指示に従うしかなかった。
それからは目隠しをされて大きな樽に詰め込まれ、かろうじて聞こえる声を頼りに情報を集めていた。
しかし誘拐犯は目的を知らないらしく、唯一分かった事といえば、グラストリム帝国へ向かっているという事だけだった。
門番とのやり取りが聞えていたから、今はグラストリム帝国に居るのは分かっている。
自分とグラストリム帝国との関連は何かと考え……何回も考え直したが、思いつくのはフランチェスカだけだった。
以前王太子の誘いを断った事もあり、逆恨みしての事ではないか、そう考えていた。
あれから3年も過ぎているのに、どうして今頃動き出したのか。
その答えは見つけられなかったが、どうしても聖女が必要な状況になってしまったのだろう。
誘拐であれば身代金や条件が提示される。
つまり自分を助けるために3人はこの国に来るのだ。
自分を返す条件がフランチェスカ、聖女だった場合、もう会えなくなるかもしれない。
一刻も早く逃げ出さないといけないが、状況が分からず、装備もない状態では、ヘタに動くと取り返しのつかない事になる。
何とかスキを見て逃げ出せないか、そう考えてじっと機を見ていた。
~???~
「聖女は動いたか?」
「動いたが、まだ国境をまたいでいない」
「ふん! 所詮は自分が可愛いだけの女よ。聖国に助けを求める知恵すらないのだからな!」
サザンクロス聖国に助けを求めれば、フランチェスカは国を出れなくなるどころか、場合によっては軟禁される可能性が高い。
身の自由を確保するためには聖国に助けは求められない。
その前提の下で今回の作戦が始まったのだが、3人目の男は忘れたのか、かなり苛立っている。
「とにかく、一刻も早く聖女を手にしなければいけない」
「ああ、そうしなければ、我々の立場が悪くなってしまう」
「聖女などと言う劣化勇者の力が必要などと、末代まで笑われるわ!」
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