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10 順風満帆 追跡者
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黒い鎧を纏った男から逃げるようにギルドを出て、ゴブリン討伐の依頼を遂行します。
ゴブリン討伐は数回やっているので、今回も以前と同じ作戦でやりましょう。
ゴブリンは岩場に住み着き、小さい体を生かして、岩と岩の隙間から飛び出して襲い掛かります。
大きな武器は持たず、ナイフや爪を使って攻撃してくるので、いきなり致命傷という事はありませんが、油断をすると大怪我を追ってしまいます。
岩場に到着しました。
山が切り立つ崖の下、そこに岩場があるので、岩場の一角をロープや木を使って柵を作ります。
そして柵の無い方から私は岩場に入り、油の入ったビンを数本投げ付けました。
ビンは割れて周囲は油まみれ……少し時間をおいて、火打石で火を放ちます。
油に火が付き、岩の隙間まで流れ込んだ油にまで火が回ります。
火の熱に耐えられなくなり、ゴブリン達があちこちから逃げ出してきました。
すでに体が燃えている個体も居ます。
「よっしゃ! 行くぜロビー! フラン!」
「ああ!」
「はい!」
私の反対側には柵が作ってあるので、そちらに逃げようとしてもすぐには逃げられず、私の魔法で順番に倒していきます。
こちらに向かってくるゴブリンは、マットとロビーが順番に倒していきました。
良い感じに倒せています。岩場に入るとすぐに背後を取られてしまいますが、これならば背後を取られるという事はありません。
おや? 数匹まとまって私とケイに向かってきますね。この数では、マットとロビーだけではさばききれません。
口々に奇声をあげながら向かってきますが、武器のリーチが無いので、私はマットとロビー直伝の剣技で倒す事としましょう。
腰の鞘から剣を抜き、かなぎり声をあげながら飛びかかってくるゴブリンを退治します。
「よっしゃ! 今回も上手くいったな!」
「相手の得意分野に付き合わず、こっちの舞台に引きずり込む。フランって凄いこと考えるよね」
「みんなも怪我が少ないし、私は安心して見てられるよ~」
「ふふふ、ありがとうございます。しかしこれも、みんなが役割を果たしてくれるから出来る事」
私はまだまだ新人です。
ならば正面から戦う事ばかりではなく、目的を果たす事を優先させましょう。
しかもこの戦い方は、暴れたいマットの意見にも、危ないのが嫌なケイの意向も沿っております。
我ながらいい作戦を思いついた物です。
「さあ、ゴブリンの残党狩りと参りましょう」
「順調、順調。今日は12匹か、慣れたもんだな俺達」
「最初に野犬で苦労してたのが懐かしいね」
「今日も美味しいご飯が食べれるね~」
私達の成長は早い方だと思います。
近い時期に冒険者になった他のパーティーは、まだ野犬狩りに苦労しているようですから。
今の私達ならば、正面から野犬を追いかける事も可能でしょう。
「そろそろ、次の段階に入りたいですね」
ゴブリンの右手首を切り落とし、革袋に入れていきます。
これが依頼達成の証しになりますので、忘れないようにしなければ。
「お? 次は何にする? コボルト? オーク? 一気にトロールに行っちまうか!」
「バッカ、トロールなんて熟練した冒険者じゃなきゃ無理だぞ」
「ハイキングに行きた~い」
「ケイ、それでは次の休日にでも参りましょう」
「「「やっほ~い」」」
順風満帆、そう言って差しつかえ無かったと思います。
しかしそう言った時こそ、思わぬ場所からトラブルが舞い込んでくるものです。
ギルドに報告にいくと、そこにはデイヴィット王太子が待っていました。
私を国から追放した王太子が、国を跨いでまで追ってきたのです。
ゴブリン討伐は数回やっているので、今回も以前と同じ作戦でやりましょう。
ゴブリンは岩場に住み着き、小さい体を生かして、岩と岩の隙間から飛び出して襲い掛かります。
大きな武器は持たず、ナイフや爪を使って攻撃してくるので、いきなり致命傷という事はありませんが、油断をすると大怪我を追ってしまいます。
岩場に到着しました。
山が切り立つ崖の下、そこに岩場があるので、岩場の一角をロープや木を使って柵を作ります。
そして柵の無い方から私は岩場に入り、油の入ったビンを数本投げ付けました。
ビンは割れて周囲は油まみれ……少し時間をおいて、火打石で火を放ちます。
油に火が付き、岩の隙間まで流れ込んだ油にまで火が回ります。
火の熱に耐えられなくなり、ゴブリン達があちこちから逃げ出してきました。
すでに体が燃えている個体も居ます。
「よっしゃ! 行くぜロビー! フラン!」
「ああ!」
「はい!」
私の反対側には柵が作ってあるので、そちらに逃げようとしてもすぐには逃げられず、私の魔法で順番に倒していきます。
こちらに向かってくるゴブリンは、マットとロビーが順番に倒していきました。
良い感じに倒せています。岩場に入るとすぐに背後を取られてしまいますが、これならば背後を取られるという事はありません。
おや? 数匹まとまって私とケイに向かってきますね。この数では、マットとロビーだけではさばききれません。
口々に奇声をあげながら向かってきますが、武器のリーチが無いので、私はマットとロビー直伝の剣技で倒す事としましょう。
腰の鞘から剣を抜き、かなぎり声をあげながら飛びかかってくるゴブリンを退治します。
「よっしゃ! 今回も上手くいったな!」
「相手の得意分野に付き合わず、こっちの舞台に引きずり込む。フランって凄いこと考えるよね」
「みんなも怪我が少ないし、私は安心して見てられるよ~」
「ふふふ、ありがとうございます。しかしこれも、みんなが役割を果たしてくれるから出来る事」
私はまだまだ新人です。
ならば正面から戦う事ばかりではなく、目的を果たす事を優先させましょう。
しかもこの戦い方は、暴れたいマットの意見にも、危ないのが嫌なケイの意向も沿っております。
我ながらいい作戦を思いついた物です。
「さあ、ゴブリンの残党狩りと参りましょう」
「順調、順調。今日は12匹か、慣れたもんだな俺達」
「最初に野犬で苦労してたのが懐かしいね」
「今日も美味しいご飯が食べれるね~」
私達の成長は早い方だと思います。
近い時期に冒険者になった他のパーティーは、まだ野犬狩りに苦労しているようですから。
今の私達ならば、正面から野犬を追いかける事も可能でしょう。
「そろそろ、次の段階に入りたいですね」
ゴブリンの右手首を切り落とし、革袋に入れていきます。
これが依頼達成の証しになりますので、忘れないようにしなければ。
「お? 次は何にする? コボルト? オーク? 一気にトロールに行っちまうか!」
「バッカ、トロールなんて熟練した冒険者じゃなきゃ無理だぞ」
「ハイキングに行きた~い」
「ケイ、それでは次の休日にでも参りましょう」
「「「やっほ~い」」」
順風満帆、そう言って差しつかえ無かったと思います。
しかしそう言った時こそ、思わぬ場所からトラブルが舞い込んでくるものです。
ギルドに報告にいくと、そこにはデイヴィット王太子が待っていました。
私を国から追放した王太子が、国を跨いでまで追ってきたのです。
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