11 / 17
喧嘩のち、、
しおりを挟む
この家に来て、初めてヒゲを剃った。
寝込んでいる間に不精ヒゲがかなりのびていて、剃るのが面倒になったのだ。
「シャルル、キズ薬あったらくれないか?」
「何?ケガしたの?」
「ただのカミソリまけだ。」
「え?アレス?
ヒゲが無い、、、若い?!」
目を丸くして驚いている。
「若いって、何歳に見えていたんだ?」
「35歳位かな?」
「勘弁してくれよ。
俺はまだ23歳だ。
彼女募集中の独身だぞ。」
「23歳、、、。」
呟きながらヨロヨロと歩き、キズ薬を持ってきてくれる。
「そう言うシャルルは何歳なんだ?」
「17。」
「やっぱり10歳か。」
「違う、17歳!」
「17歳?!
嘘だろう?」
栄養が足りなくて成長しなかったのだろうか。
いや、食べ物は美味しくて栄養のある物ばかりだった。
きっと小柄な両親なのだろう。
もう成長は止まったかも知れないが、健康ならばそれで良い。
うん、シャルルはこれで良いのだ。
「何か失礼な事考えているでしょう。」
そう言ってほっぺを膨らますシャルルが可愛いかった。
「可愛い奴だな。」
つい、頭を撫でてしまう。
「触るな!
さっさと行っちまえ!」
顔を赤くして噛みついてくる。
こんな弟、良いなと嬉しくなった。
春めいてきてたが、また吹雪で季節は逆戻りした。
ガタガタと家が揺れ、外には出られない。
シャルルが怖がっているようだったので、無理やり抱き締めている。
「離してよ、何するの!
子供じゃないんだから怖くなんか無い!」
そう、いきがっているのも可愛らしい。
「俺が怖いんだ。
もう少しこのままでいてくれ。」
そう言ってみれば、仕方ない人だ、と体の力を抜いた。
俺と同じ石鹸の香りがする。
ゴウゴウと風が鳴る度に震える身体は、俺を頼りにするようにピタリとくっついてくる。
華奢で、ふわふわと柔らかい身体。
まるで、愛しい相手を抱き締めているようだ。
そう、まるで、愛しい彼女のような、、、?
、、、、、、???
ふたつの膨らみが俺の胸に押し付けられていた。
え?
「え?女?」
そう呟いた途端、俺を突き飛ばして部屋へとこもった。
俺の踏み込めない、進入禁止エリアの部屋の中に。
寝込んでいる間に不精ヒゲがかなりのびていて、剃るのが面倒になったのだ。
「シャルル、キズ薬あったらくれないか?」
「何?ケガしたの?」
「ただのカミソリまけだ。」
「え?アレス?
ヒゲが無い、、、若い?!」
目を丸くして驚いている。
「若いって、何歳に見えていたんだ?」
「35歳位かな?」
「勘弁してくれよ。
俺はまだ23歳だ。
彼女募集中の独身だぞ。」
「23歳、、、。」
呟きながらヨロヨロと歩き、キズ薬を持ってきてくれる。
「そう言うシャルルは何歳なんだ?」
「17。」
「やっぱり10歳か。」
「違う、17歳!」
「17歳?!
嘘だろう?」
栄養が足りなくて成長しなかったのだろうか。
いや、食べ物は美味しくて栄養のある物ばかりだった。
きっと小柄な両親なのだろう。
もう成長は止まったかも知れないが、健康ならばそれで良い。
うん、シャルルはこれで良いのだ。
「何か失礼な事考えているでしょう。」
そう言ってほっぺを膨らますシャルルが可愛いかった。
「可愛い奴だな。」
つい、頭を撫でてしまう。
「触るな!
さっさと行っちまえ!」
顔を赤くして噛みついてくる。
こんな弟、良いなと嬉しくなった。
春めいてきてたが、また吹雪で季節は逆戻りした。
ガタガタと家が揺れ、外には出られない。
シャルルが怖がっているようだったので、無理やり抱き締めている。
「離してよ、何するの!
子供じゃないんだから怖くなんか無い!」
そう、いきがっているのも可愛らしい。
「俺が怖いんだ。
もう少しこのままでいてくれ。」
そう言ってみれば、仕方ない人だ、と体の力を抜いた。
俺と同じ石鹸の香りがする。
ゴウゴウと風が鳴る度に震える身体は、俺を頼りにするようにピタリとくっついてくる。
華奢で、ふわふわと柔らかい身体。
まるで、愛しい相手を抱き締めているようだ。
そう、まるで、愛しい彼女のような、、、?
、、、、、、???
ふたつの膨らみが俺の胸に押し付けられていた。
え?
「え?女?」
そう呟いた途端、俺を突き飛ばして部屋へとこもった。
俺の踏み込めない、進入禁止エリアの部屋の中に。
1
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説

記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】
かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。
名前も年齢も住んでた町も覚えてません。
ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。
プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。
小説家になろう様にも公開してます。
天才外科医は仮初の妻を手放したくない
夢幻惠
恋愛
ホテルのフリントに勤務している澪(みお)は、ある日突然見知らぬ男性、陽斗(はると)に頼まれて結婚式に出ることになる。新婦が来るまでのピンチヒッターとして了承するも、新婦は現れなかった。陽斗に頼まれて仮初の夫婦となってしまうが、陽斗は天才と呼ばれる凄腕外科医だったのだ。しかし、澪を好きな男は他にもいたのだ。幼馴染の、前坂 理久(まえさか りく)は幼い頃から澪をずっと思い続けている。

追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

異世界で王城生活~陛下の隣で~
遥
恋愛
女子大生の友梨香はキャンピングカーで一人旅の途中にトラックと衝突して、谷底へ転落し死亡した。けれど、気が付けば異世界に車ごと飛ばされ王城に落ちていた。神様の計らいでキャンピングカーの内部は電気も食料も永久に賄えるられる事になった。
グランティア王国の人達は異世界人の友梨香を客人として迎え入れてくれて。なぜか保護者となった国陛下シリウスはやたらと構ってくる。一度死んだ命だもん、これからは楽しく生きさせて頂きます!
※キャンピングカー、魔石効果などなどご都合主義です。
※のんびり更新。他サイトにも投稿しております。
【完結】お見合いに現れたのは、昨日一緒に食事をした上司でした
楠結衣
恋愛
王立医務局の調剤師として働くローズ。自分の仕事にやりがいを持っているが、行き遅れになることを家族から心配されて休日はお見合いする日々を過ごしている。
仕事量が多い連休明けは、なぜか上司のレオナルド様と二人きりで仕事をすることを不思議に思ったローズはレオナルドに質問しようとするとはぐらかされてしまう。さらに夕食を一緒にしようと誘われて……。
◇表紙のイラストは、ありま氷炎さまに描いていただきました♪
◇全三話予約投稿済みです

異世界の神は毎回思う。なんで悪役令嬢の身体に聖女級の良い子ちゃんの魂入れてんのに誰も気付かないの?
下菊みこと
恋愛
理不尽に身体を奪われた悪役令嬢が、その分他の身体をもらって好きにするお話。
異世界の神は思う。悪役令嬢に聖女級の魂入れたら普通に気づけよと。身体をなくした悪役令嬢は言う。貴族なんて相手のうわべしか見てないよと。よくある悪役令嬢転生モノで、ヒロインになるんだろう女の子に身体を奪われた(神が勝手に与えちゃった)悪役令嬢はその後他の身体をもらってなんだかんだ好きにする。
小説家になろう様でも投稿しています。
脅迫して意中の相手と一夜を共にしたところ、逆にとっ捕まった挙げ句に逃げられなくなりました。
石河 翠
恋愛
失恋した女騎士のミリセントは、不眠症に陥っていた。
ある日彼女は、お気に入りの毛布によく似た大型犬を見かけ、偶然隠れ家的酒場を発見する。お目当てのわんこには出会えないものの、話の合う店長との時間は、彼女の心を少しずつ癒していく。
そんなある日、ミリセントは酒場からの帰り道、元カレから復縁を求められる。きっぱりと断るものの、引き下がらない元カレ。大好きな店長さんを巻き込むわけにはいかないと、ミリセントは覚悟を決める。実は店長さんにはとある秘密があって……。
真っ直ぐでちょっと思い込みの激しいヒロインと、わんこ系と見せかけて実は用意周到で腹黒なヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真のID:4274932)をお借りしております。

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる