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お一人様の暮らし
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「スープとパンで済ませるか」
昨日食べた残りの具沢山スープ。
一人の食事は適当になりがちなので具沢山を目指す。
必然的に大量に出来上がってしまい、何食も同じ物を食べる事になる。
林の中の、ポッカリと開いた土地の一軒家。
気付いたらここに居た。
記憶にある26歳の私ではなかった。
17歳のシャルロットという女の子になっていた。
17年間この地で生きてきた記憶と経験がある。
最近まで育ててもらったお祖母さんの記憶もある。
お祖母さんは少し前に亡くなった。
この一軒家で独りで暮らす術を教え込み、天に召された。
お祖母さんとの別離を済ませ、放心してたシャルロットの心に私が入り込んでしまったようだ。
シャルロットの魂は深層部分で眠りについている。
いずれ私と統合するのか、私が消えるのか、シャルロットが消えるのかは分からない。
当分の間はこの身体を借りてお一人様を満喫させて貰おう。
朝目覚めて朝食をとり、家の裏手にある畑へと繰り出す。
雑草をとったり、土を耕したり、種まきをしたり。
収穫したものは家の中にある食物倉庫へと移動させる。
お祖母さんは能力の高い魔女だったようで、この倉庫に不腐食の魔法を施してあった。
なので、この倉庫で保存しておけば半永久的に腐らない。
肉も罠を仕掛けているので、ウサギっぽいのや、鳥等が捕れる。
もう何年もさばいてきた経験があったので、小動物ならば何とかなった。
川魚も捕れる。
私ひとりならば、数年は食べ物には困らないだろう。
調味料や香辛料はお祖母さんと買いに行ってたので、近くの町まで行かなければならないだろうが。
それも、まあ、一年ほど先の話だろう。
それにしてもここまで引きこもれる環境をお膳立てしてくれてて、感謝を通り越して笑えてくる。
少女独りの暮らしを心配して、かなりの防御の魔法が掛けられている。
しかも、町に買い物に出た時にはシャルル少年として通していた。
女の子のシャルロットは存在せず、男の子のシャルルだったのだ。
この家の周囲にいれば私を害する獣も寄っては来ない。
多分、害意ある人間も入って来れないだろうと思う。
一人で生きていく。
誰とも関わらなければ、悲しませる事もない。
私も、悲しむ事もない。
お一人様、万歳!!
一人暮らしを満喫してふた月が過ぎた頃、台風のような嵐がやって来た。
家は頑丈なので壊れはしないだろうが、昼間なのに暗くなり、雷鳴が轟き、暴風雨が吹き荒れる。
お祖母さんの守りの魔法は信じているが、怖いものは怖い。
頭から布団をかぶり、独りでガタガタ震えるしかなかった。
テレビもラジオも無い。
すがりつく家族も友人も無い。
抱き締めるペットも、ヌイグルミさえ無かった。
この世界に自分一人。
これが私が望んだ事。
世界に独り。
独りぼっち。
これが自分で望んだ事。
昨日食べた残りの具沢山スープ。
一人の食事は適当になりがちなので具沢山を目指す。
必然的に大量に出来上がってしまい、何食も同じ物を食べる事になる。
林の中の、ポッカリと開いた土地の一軒家。
気付いたらここに居た。
記憶にある26歳の私ではなかった。
17歳のシャルロットという女の子になっていた。
17年間この地で生きてきた記憶と経験がある。
最近まで育ててもらったお祖母さんの記憶もある。
お祖母さんは少し前に亡くなった。
この一軒家で独りで暮らす術を教え込み、天に召された。
お祖母さんとの別離を済ませ、放心してたシャルロットの心に私が入り込んでしまったようだ。
シャルロットの魂は深層部分で眠りについている。
いずれ私と統合するのか、私が消えるのか、シャルロットが消えるのかは分からない。
当分の間はこの身体を借りてお一人様を満喫させて貰おう。
朝目覚めて朝食をとり、家の裏手にある畑へと繰り出す。
雑草をとったり、土を耕したり、種まきをしたり。
収穫したものは家の中にある食物倉庫へと移動させる。
お祖母さんは能力の高い魔女だったようで、この倉庫に不腐食の魔法を施してあった。
なので、この倉庫で保存しておけば半永久的に腐らない。
肉も罠を仕掛けているので、ウサギっぽいのや、鳥等が捕れる。
もう何年もさばいてきた経験があったので、小動物ならば何とかなった。
川魚も捕れる。
私ひとりならば、数年は食べ物には困らないだろう。
調味料や香辛料はお祖母さんと買いに行ってたので、近くの町まで行かなければならないだろうが。
それも、まあ、一年ほど先の話だろう。
それにしてもここまで引きこもれる環境をお膳立てしてくれてて、感謝を通り越して笑えてくる。
少女独りの暮らしを心配して、かなりの防御の魔法が掛けられている。
しかも、町に買い物に出た時にはシャルル少年として通していた。
女の子のシャルロットは存在せず、男の子のシャルルだったのだ。
この家の周囲にいれば私を害する獣も寄っては来ない。
多分、害意ある人間も入って来れないだろうと思う。
一人で生きていく。
誰とも関わらなければ、悲しませる事もない。
私も、悲しむ事もない。
お一人様、万歳!!
一人暮らしを満喫してふた月が過ぎた頃、台風のような嵐がやって来た。
家は頑丈なので壊れはしないだろうが、昼間なのに暗くなり、雷鳴が轟き、暴風雨が吹き荒れる。
お祖母さんの守りの魔法は信じているが、怖いものは怖い。
頭から布団をかぶり、独りでガタガタ震えるしかなかった。
テレビもラジオも無い。
すがりつく家族も友人も無い。
抱き締めるペットも、ヌイグルミさえ無かった。
この世界に自分一人。
これが私が望んだ事。
世界に独り。
独りぼっち。
これが自分で望んだ事。
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