ねえ、その会社ってすごいの?

アスラク

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ねえ、その会社ってすごいの?

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ねえその会社ってすごいの?


就職時代。私はフリーターと呼ばれる、正社員として採用されていない存在だ。
今まで学生として生きてきたこの22年間は心から楽しいと言う経験をしたことが無いと思う。かと言って、楽しくないわけではなかった。
友達とも遊ぶし、ドライブ旅行だって、行く。合コンもしてたし、悪くはない生活だったと思う。ただ、心から愉快だった!という確信が持てないのだ。
私の中の一番の思い出と言えるものがあるとするなら、卒業旅行で友達とアメリカに行って、
おお、これがアメリカなのか…!と驚くようなことはあったが、それは初日だけで、あとは正直日本に帰って、いつも通っているカフェでパンケーキを食べたいとすら思っていた。
そうしてアメリカから帰ってきたわたしは、これからどうしよっかなぁ、
と少し不安があった。
大学生には、就職活動と呼ばれる、自分が自立するために、お金を稼ぐために必要されることがある。
それはやんなきゃいけないことで、明らかにめんどいし、行ってみたい会社に応募してお祈りメールと呼ばれる、言わば拒絶されることが嫌で、怖くて、正直逃げてしまっていた。
周りの友達はリクルートスーツを着て、「クモノス」と呼ばれる企業のサイトで会社を調べ、エントリーシートを書き、企業ごとのテストを受け、面接をして、内々定をゲットした!!
とSNSで眺めていた。

いやーすごいなぁ。
そう思いながらも、私はこの就活と呼ばれる行為に、あまりに消極的だったのだ。
何故かと言うと…
会社を調べるのがまずめんどくさくない?
エントリーシートってなに??
面接とかクッソ緊張しかしないよね笑
意味わからん

それにテレビでもみたことあるけど、スーツを着て、死んだ顔で会社に向かうサラリーマンの姿がとても印象的だったのだ。
あの人たちって人生楽しいのかな?
辛いのに生きるために働いているだけなんじゃないかな。。
ああ言う風にはなりたくないなあ~
と無意識に感じていた。

就活では早く動いた学生が勝つ、と言うのが定石だ。なぜなら企業からしても、早いうちから就活をする学生の方が明らかにやる気あるし、計画性もあるように見えるから、だと思う。

しかし私はそんな風には考えたくなくて、
大学に通うのが仕事なんだあー
とバイトをしたり、論文を書いたり、友達と旅行に行ったりしていた。
旅行とか社会人になったらそうそう行けなさそうだもんねー
大学生の特権なのだぁ
あっははは
と友達と遊ぶことが楽しくて毎日を謳歌していたつもりだった。
あとはSNSで友達の近況を見ているのも好き、というか、気になって軽く2時間は見ていた、なんてこともザラにあった。

しかし、時間は過ぎていく。
就活を何もしないまま気づけばもう大学4年の12月だったのだ…。。
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