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アルファの俺、野外プレイをする(R18)

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 それは俺がまだ十歳で、アオイの意識に入って異世界転生をしたばかりの頃。

「お父さん。あれはなにをしているの?」
「馬車の代わりに人間を使っているんだよ」

「どうして?」
「それが彼らの仕事だからさ」

 今思えばあれはアルファの奴隷たちだったのか……。

◇  ◇  ◇

「アルファのアオイがここにいたら危険だよ。僕と一緒に行こう」

 手を差し出された。ゴブリンの返り血でキモい俺に触れていいのか? さっき不潔だとか言ってたくせに……。

「だからキミを今から綺麗にするんだよ」
「あ?」

 コイツはアルファの男限定だが心が読める。だから俺が思ってることが全て筒抜けなんだよな。

「キミが良ければ住む家を提供してあげる」
「ホントか!?」

「うん。その代わり、いくつかの条件を飲むなら……ね」

 ニコニコしていた表情が突然、黒い笑みに変わった。一体なにを企んでるんだ? 俺、コイツに騙されてるじゃ……。

「まずは僕と兄さんと寝食を共にすること」
「兄さん?」

「双子の兄さんがいるんだ。そっちが第一王子」
「ふーん。で、次は?」

「ゴブリンに殺されそうになったとき、なんでもするから誰でもいいから助けてって言ったよね?」
「は? え?」

「僕が聞いてないとでも思ったの?」
「……」

 そういえば俺の声が聞こえたから助けに来たとか言ってたな。やべぇ……。聞かれてマズいこと、最初に言ってるじゃねぇか。

「あ、あれは咄嗟に出た本音だし。誰にも聞こえないと思ったからで……」
「本音なら僕の解釈は間違ってないってことになるよね?」

「クソッ……!」

 コイツに聞こえないように小声で悔しがるも、どうせ心の声がダダ漏れなんだよな。

「なんなら、ここで僕の言うことを聞いてもらってもいいんだよ?」
「へ? ちょっ……おまっ……!!」

 その場にドサッと押し倒された。コイツ、俺と身長や体格変わらねぇくせになんつー力してやがるんだ。どんなに抵抗してもビクともしねぇ。

「いいのかよ。俺は今、不潔なゴブリンの血で汚れてるんだぞ」
「いいよ」

「は?」
「僕が綺麗にしてあげるから」

「っ……!」

 頬についた血をペロリと舐められた。男にそんなことをされたことがないせいか、全身に鳥肌が立った。

「僕の言うことならなんでも聞くんだよね。なら、ここで野外プレイでもしてみる?」
「お前が俺の身体を一瞬で綺麗に出来るなら考えてやってもいい」

 野外プレイなんて死ぬほど嫌だ。ましてや会ったばかりの男なんかに抱かれてたまるか。さすがに大人げなかったか? 前世では大学生だったし、コイツよりも年上だしな……多分。

 一瞬で俺を綺麗にすることなんて不可能に決まってる。王子にそんな力があるとは思えない。いや、あるとすれば……俺の嫌な予感は見事に的中していた。

 パチン。とコイツが指を鳴らすと、俺の身体はあっという間に綺麗になった。

「おまっ……な、なにをした?」
「水魔法だよ。キミにとってはファンタジーかもしれないけど、ここは僕にとっての現実だ」

「……」

 目の前で魔法を見るのは初めてだった。というのも、両親は俺の前で魔法を使ったことがなかったから。魔法を使えなくとも強くなれと言われ育ったからだ。だが、俺は格闘の才能にも恵まれなかった。十一歳から本格的に修行をしていたのだが、家庭教師にはいつも負けっぱなし。魔法に関しては言うまでもなく落ちこぼれだった。

 両親はそんな俺を見て、年頃になったら俺の家系よりもいい所のお嬢様と結婚させることにシフトチェンジしていた。そのため十四歳になるとオメガ等の検査が行われるが、俺は両親の期待を見事に裏切る結果となった。結局最後まで俺は両親を喜ばせることが出来なかったのだ。

「さっ、綺麗になったし僕の好きにしてもいいんだよね?」
「っ……す、好きにしろよ」

 呪文も唱えずに魔法を使えるとかチートかよ。あれか? 無詠唱ってやつか? クッソ……! 俺にはなんの才能もないのにコイツは顔面偏差値も高いし、王子だし無詠唱で魔法が使えるチートだし。まさにマンガに出てくる主人公じゃねぇか。

「僕はアオイみたいな可愛い男を抱くのが夢だったんだ」
「俺のどこが可愛いんだよ」

「ウブで誰にも汚されてなさそうな、そんなところが好き」
「なっ……!」

 よくも初対面の俺に好きとか言えるよな。コイツ、どんな神経してやがる。王子ってのはホモが多いのか?

「ようは童貞って馬鹿にしてんだろ。悪かったな。お前と違って俺は経験がないチキン野郎だよ」
「アルファで童貞なんて珍しいよ。むしろ、それは誇るべきだ」

「俺の元いた世界では童貞は馬鹿にされるんだ」
「なら、今ここで僕とヤる?」

「は!?」
「さっきからキミの匂いを嗅いでるとガマン出来なくなってきた」

「お、おいっ!」

 スリスリと顔をくっつけてきた。それに俺の匂いってなんだよ。そういうのはオメガからしか出ないんだろ? オメガには発情期が来て、そういう時には甘い匂いがより強くなるって……。あぁ、そうか。この世界ではアルファがそうなんだったな。つまり俺からそんな匂いがするってことか。

「入れたい……」
「……ちょっ。いっ!!」

 ケツの穴に指を入れられた。初めての感覚に気持ち悪いと思いつつも、抵抗出来ない俺はやられっぱなし。ご丁寧に俺の両手を拘束してやがるしな。

「アオイもすぐに気持ちよくなるよ」
「なるわけねぇ、だろ」

 男にケツを弄られて不快なはずなのに……。どうして腰が勝手に浮くんだ?

「お尻の穴をイジられただけでビクビクしてるアオイはやっぱり可愛い」
「……あっっ!」

「女みたいな喘ぎ声だね。そんなにココが良かったの?」
「んっ……!」

 これは誰だ? 本当に俺なのか? コイツの言う通り、俺から女みたいな声が出てるっていうのか?

 嫌だ。認めたくない。
 それにこんな快感、俺は知らない!

「こんなに濡れてるなら僕のも入るよね?」
「無理に決まって……んぁっ!!」

「その声、もっと聞かせて?」
「この……変態野郎っ!」

「その変態に犯されて気持ちよくなってるのは誰?」
「気持ち良くなんかなっ……あぁっ...///」

 クソッ、クソッ! なんだよ、これ! ケツの穴に男のアレが入れば普通は激痛なんじゃねぇのかよ。俺はノンケ。ノンケのはず、なのに……!

「今、軽くイッた?」
「っ……!!」

「正直に言わなくても心を読める僕はアオイの考えてることが手に取るようにわかるよ」
「俺はノンケだから、な。お前みたいにホモじゃ……なっ!」

 激しく突いてたくせに突然動きを止めやがった。

「僕はアオイだから相手をしてるんだよ。だから勘違いしないで」
「どうして俺なんだよ。会ったばかりだろ」

「それは僕にもわからない。けど、これが運命ってやつじゃないの?」
「運、命?」

 王子にしては女みたいな考え方だな。俺はそんな曖昧なもの信じねぇぞ。俺に魔法の才能がないのも格闘の才能がないのも運命だっていうなら、俺は運命って言葉が嫌いだ。

「アオイが僕と出会えたのが運命だって思えるように愛してあげるよ」
「そんなのいらねぇよ。つーか、いい加減離せ!」 

「僕に勝てるならいいよ。あぁ、僕よりも先にイかなければ離してあげる」
「その喧嘩買ってやるよ」

「それなら手加減はいらないよね。泣いて頼んだって途中でやめたりしないから」
「誰が泣くなよ」

 こうして流れるままにコイツ(ユーマ)との対決が始まった。初めてのセックスが男相手でも驚いてんのに、いきなり俺は何をしてるんだ? もしかして俺、コイツ(ユーマ)に上手く誘導されてないか!?

◇◇◇ 
2万文字以内完結予定。早ければ今週中に三話書きます。遅ければ来週中。ストック無しで公開しているので更新が遅れることがあるのでご了承ください。
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