お前と番になってたまるか!

yufa

文字の大きさ
上 下
9 / 86

9

しおりを挟む
「おはよう」

ぼやける視界の中、柔らかい声が鼓膜を刺激すると、俺の脳細胞は覚醒した。

「晴、おはよう」

声の主は言うまでもなく俺の愛する人だった。

「昨日は、その、楽しかった」

「そうだな、また一緒に行こうな!」

「うん」

彼の万勉の笑みに俺のハートは撃ち抜かれた。

「またね」
「おう!」


彼が自分の机に戻るとその背中をいつまでも眺めてた。


「早く、番になりたい」

「直ちゃん」

「うわ!?」


背後から話しかけられた俺は、びっくりしガチャンと大きいな音を立て椅子から転倒した。


「痛ってえぇ」

「大丈夫?」


クラスの女子は心配そうに手を差しのべた

「サンキュー」

「ごめんいきなり話しかけたから」

「気にすんなって!」


スボンに付いたゴミを払ってるいると女の子がもじもじさせながら小さく口を開いた。


「ねぇ?番って何?」

「はぁ!?」

「さっき、サキュバス見ながら言ってたよね?」

「・・・・・まさか!?」

「違う、バカ」

「・・・・・・でも」


バレるそう思った俺は、脳をフル回転させて言い訳を考えた。


「つらい・・・・・・・・そう辛いんだ」

「何が?」

「最近成績落ちてさあ」

「えっ!嘘、学年トップなのに?」

「色々あるんだよ」

「そうか、大変なのね」

「おう!」

「またね」


クラスの女子は納得したように帰っていった。俺は、一日中晴を眺め続けていたが、あっと言うまに放課後になっていた。


「直、これから歌わねぇ?」

「悪りぃ、俺先帰るわ」

「おい!待てよ」


友達の声を聞かずに教室をでて、階段を飛び降り、校門を出ると更にスピードをあげると見慣れた背中が見えダイブした。


「ちょっと、直樹!?」

「掴まえた」


俺は、しばらく晴を強く抱いた。
花のような洗剤の匂い、晴の頬に自身の頬を擦り付けると、冷たいけどモチモチした
肌の感触にしばし癒されてた。


「直樹離れて?体が熱いから」

「えっ!嫌だ!」

「また発情しちゃう」

俺は、晴を強く抱き締めた

「してくれ!俺に欲情してまたエッチしょう」


晴の顔は真っ赤だった、強く抱き締めた手をほどき、数歩下がった。

「ダメだよ、俺直樹に依存してるもん」

「依存?」

「直樹とセックスしてると、気持ちよくて、もっと体を触って欲しいと思っちゃう」


俺が晴に近づくと甘い匂いが漂ってきた。
再び強く抱き締めたあと俺はスボンの間に手を入れパンツの中に侵入すると晴のお尻は愛液でもうぐちゃぐちゃだった。


「もう、こんなになってる」

「言・・・・・わないで」

「いいんだよ、もっと俺に依存して俺だけを頼りにしてくれよ」

「ダメなんだって、これ以上セックスしてたら直樹と離れたくなくなる」



どうして、晴は俺を避けるのか、謎だった。その疑問はいつまで俺の胸の中でぐるぐると回っていた。


「でもさぁ、俺がいると発情したり、ここ、こんなに濡らしたりしてさ、もしかしたら俺たち運命の番かもしれないな」


「だったら嬉しいかも」


嬉しい?今聞き間違えをしてしまったのか
もう一度聞いた

「今なんて?」

「さぁ帰ろう!」

晴は忘れた振りをして歩き始めた

「何て言ったんだよ?」

俺は、その背中を追い、何度も聞き直していた。














「認めない、あの二人が運命の番なんて、別れさせてやる」





二人はまだ知るよしもなかった、黒い眼差しが二人をの運命を変えるなんて
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

十七歳の心模様

須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない… ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん 柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、 葵は初めての恋に溺れていた。 付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。 告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、 その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。 ※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。

キンモクセイは夏の記憶とともに

広崎之斗
BL
弟みたいで好きだった年下αに、外堀を埋められてしまい意を決して番になるまでの物語。 小山悠人は大学入学を機に上京し、それから実家には帰っていなかった。 田舎故にΩであることに対する風当たりに我慢できなかったからだ。 そして10年の月日が流れたある日、年下で幼なじみの六條純一が突然悠人の前に現われる。 純一はずっと好きだったと告白し、10年越しの想いを伝える。 しかし純一はαであり、立派に仕事もしていて、なにより見た目だって良い。 「俺になんてもったいない!」 素直になれない年下Ωと、執着系年下αを取り巻く人達との、ハッピーエンドまでの物語。 性描写のある話は【※】をつけていきます。

夢見がちオメガ姫の理想のアルファ王子

葉薊【ハアザミ】
BL
四方木 聖(よもぎ ひじり)はちょっぴり夢見がちな乙女男子。 幼少の頃は父母のような理想の家庭を築くのが夢だったが、自分が理想のオメガから程遠いと知って断念する。 一方で、かつてはオメガだと信じて疑わなかった幼馴染の嘉瀬 冬治(かせ とうじ)は聖理想のアルファへと成長を遂げていた。 やがて冬治への恋心を自覚する聖だが、理想のオメガからは程遠い自分ではふさわしくないという思い込みに苛まれる。 ※ちょっぴりサブカプあり。全てアルファ×オメガです。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

君に噛み跡を遺したい。

卵丸
BL
真面目な‪α‬の氷室 絢斗はΩなのに営業部のエースである箕輪 要が気になっていた。理由は彼の首の項には噛み跡が有るから番はいると思っていたがある日、残業していた要に絢斗は噛み跡の事を聞くと要は悲しい表情で知らないと答えて・・・・・。 心配性の真面目な‪α‬と人に頼らない実はシンママのΩのオフィスラブストーリー。

この噛み痕は、無効。

ことわ子
BL
執着強めのαで高校一年生の茜トキ×αアレルギーのβで高校三年生の品野千秋 α、β、Ωの三つの性が存在する現代で、品野千秋(しなのちあき)は一番人口が多いとされる平凡なβで、これまた平凡な高校三年生として暮らしていた。 いや、正しくは"平凡に暮らしたい"高校生として、自らを『αアレルギー』と自称するほど日々αを憎みながら生活していた。 千秋がαアレルギーになったのは幼少期のトラウマが原因だった。その時から千秋はαに対し強い拒否反応を示すようになり、わざわざαのいない高校へ進学するなど、徹底してαを避け続けた。 そんなある日、千秋は体育の授業中に熱中症で倒れてしまう。保健室で目を覚ますと、そこには親友の向田翔(むこうだかける)ともう一人、初めて見る下級生の男がいた。 その男と、トラウマの原因となった人物の顔が重なり千秋は混乱するが、男は千秋の混乱をよそに急に距離を詰めてくる。 「やっと見つけた」 男は誰もが見惚れる顔でそう言った。

知らないだけで。

どんころ
BL
名家育ちのαとΩが政略結婚した話。 最初は切ない展開が続きますが、ハッピーエンドです。 10話程で完結の短編です。

処理中です...