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第45話 夕凪3-1
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「その頃からだよね、海が丸くなったの」
話を終えた左近が海を見つめていた。
それを海は首を振って否定する。
「ちょっとやめてよ。まるで尖ってたみたいな言い方じゃない」
「いや、尖ってただろ」
横槍を入れてきたのは隣に座っている晴人だった。周囲から小さく、やめておけばいいのにとつぶやかれる中、彼は笑いながらグラスに口をつける。
皆が想像する通り、海は彼の耳を掴んで、
「晴人ぉ?」
「いてっ! 仕方ねえだろ、事実なんだからさぁ」
「うぅ……今更になって昔の痴態をほじくり返されるとは」
海は小さくうなだれていた。その様子に喉を鳴らして笑っていたのが向かいに座る一紗だった。
「痴態なら毎晩だろ」
「かーずーさー!」
海が急に顔を赤くして訴えるが、一紗は気にした様子もなく飄々とした表情で、
「知ってるか? こいつ、左近の働いているバー出禁になったんだぞ」
「ちょ、今それ言う!?」
「働いているバーってあのおかまバー?」
話を聞いて姉の晴海が尋ねる。
当事者である海は顔を真っ赤にしてうつむいていた。もう一人の当事者、左近は苦笑を浮かべつつ頷くと、
「まあ、そのころはただのホールというかボーイというか。とにかくお客さんの席について接客する立場じゃなかったんだけど、海がしつこくてね。それで悪質だって出禁になったんだけど、その時の接客がツボに入った人が何人かいて、僕も女装して接客する羽目になっているんだよね」
「あれ、女装か?」
「どういうこと?」
一紗の疑問に夕凪も重ねるように尋ねていた。
左近の仕事は何をしているかくらいしか知らなかった。夜がメインの飲食業だから子供が立ちよる場所ではないためだ。
すると一紗はスマホをテーブルの上に置いて見せた。画面には一人の男性が映った写真が表示されている。濃い化粧にベスト姿、男装の麗人と言われても納得するような、悪く言えばどっちつかずの中途半端な姿を見せていた。
「これがさこんパパなの?」
夕凪は画面を覗き込んだ後、感想を漏らす。
似ているような似ていないような。判断に迷って写真と実物を交互に見ていると、肩をすぼめた彼は一度座り直して、
「コンセプトがね。男装するドS令嬢なんだって」
「もともと男なのに、めちゃくちゃだろ?」
「これでも店の中では人気なほうなんだよ。なぜか」
言い訳と言うよりかは本人も疑問に思っているような態度をとっていた。
……友達、なんだなぁ。
夕凪はドタバタど荒々しく談笑に花を咲かせる大人を見てそう感じていた。
家族以上に友達だから、なんでも話せる。その気安さが羨ましいと思えるほどに。
だから、
「ねぇ、さこんパパはさ」
「なにかな?」
夕凪が問うと、話をやめて左近が顔を向けていた。
首を傾げる彼に、
「それからずっとお父さんとお母さんに会ってないの?」
「……まぁ、そうだね」
それは柔らかい笑みだった。それでいていつもより弱々しく見えて、夕凪は胸に重い石を積まれたような息苦しさを感じていた。
それを上手く言葉に出来なくて、何度か口を開いた後、
「……多分だけど、寂しいと思うよ」
どうにか形に出来た言葉に左近は眉を寄せていた。
皆が注視しているせいで気温が下がったように音が消えていた。居心地の悪さに夕凪は下を向くと、左近は相変わらずの苦笑いのまま、
「母さんはそうかもしれないけど父さんはどうかなぁ……」
その台詞に夕凪は首を横に振る。
「ちがうよ、さこんパパが寂しいんだと思う」
「僕?」
彼は目を丸くしていた。表情は真顔を通り越して幽霊にでも取りつかれたように感情を失っていた。
そのまま固まっていた左近に、一紗はテーブルに肩肘ついて笑う。
「確かに。いつも寂しい顔しているからな」
彼女は揶揄する。それを聞いて左近は目を閉じると、頬を膨らませて一紗を軽く睨んでいた。
「してないって。一紗も適当なこと言って話合わせないでよ」
表面上は不機嫌を示す左近に、一紗は余裕そうな笑みを崩さない。なんでもないことのようにグラスで喉を湿らせると、ゆっくりとそれを置いて、
「このままだと死に目にも会えんぞ?」
「うっ……」
ただの一言に左近は息を飲んで、視線を逸らしていた。
……そっか。
考えてみれば当り前な話だった。連絡を取っていないのだからその手の連絡が来ることもない。勘当されているのだから当たり前のことだがたかだか二十歳ちょっとの出来事で生涯ずっと影響が残るのもかわいそうであった。
もう十年以上の月日が経っている。一度熱した鉄ですら冷え切るにはもう十分な時間が経過していた。
後悔しているのなら、取り返しがつかなくなる前に改善したほうがいい。一紗の言いたいことを左近は承知の上で明言を避けているように夕凪は見えていた。
「左近君」
皆が返答を待っていると、左近がテーブルの上に投げ出した手を掴む女性の手があった。
陽菜だった。書類上左近の妻である彼女は両手で左近の手を包んでいた。
「陽菜さん……」
「弟君に話を聞くくらいならいいんじゃないかしら?」
優しく、陽菜が提案する。親の中で一人年上の彼女の言葉に口を挟む人はいなかった。
左近はしばらく見つめあったあと、手を離して頭を掻くと、
「まぁ、それくらいなら……」
渋々と言った形で折れていた。
それに陽菜は首を横に振り、
「子供って、あなたが思っている以上に敏感なものなのよ。昔とは違うんだから、悪いようにはならないわ」
「……はい」
左近は素直に頷いていた。
それを見て陽菜は笑みをこぼして手を叩く。
「じゃあ、子供達はそろそろ寝ましょうか。特に夕凪ちゃんは明日、終業式でしょ?」
「はーい」
終わりの合図に夕凪は席を立つ。
……大人って、大変なんだなぁ。
長い話を聞いて、夕凪が感じたのはそんな薄い感想だけだった。
翌日。
終業式が終わりゆかりと別れた夕凪は校門にいた。これから春休みだが誰かを待っているわけでもなく、中途半端な期間の休みに何をするかで胸を弾ませながら帰路につくところだった。
そこへ一台の車が横につける。見たことのある色に車種だと横目に見ていた夕凪は、ゆっくりと降りていくウィンドウから現れた顔に目を見開いていた。
「夕凪ちゃん」
声をかけてきたのは左近だった。小さな軽自動車をから顔を出して手を振る彼に夕凪は足を止める。
「どうしたの?」
珍しいと思いながら夕凪は問う。
昼も少し過ぎた時間、普段なら左近は夜の仕事のために寝ている時間だった。昨日今日と休みなので他の大人と同じ時間に起きているのは違和感がないが、そういう時はだいたい家にいるちび達の面倒を見ていた。
普段なかなか構えない分、休みの日くらいはというのが左近の口癖だ。それなのに今日はこうして一人で車に乗っているということは何かあったのだろうか。かすかな不安感を胸に忍ばせた夕凪は眉を寄せたまま左近の言葉を待っていた。
「ちょっと相談があるんだけど」
取り合えず乗ってよという左近に、夕凪は素直に助手席まで歩く。がちゃとドアを開いて乗り込むと、暖房の熱気で少しだけ頬が色づいていた。
「相談?」
「うん、あのさ……ちょっと実家まで付き合ってくれない?」
唐突に告げられた内容に夕凪はよく理解しないまま口を開く。
「へっ、あ、はい」
「うんありがとー」
それを了承と受け取った左近は車を走らせていた。
車窓から見える学生を追い抜いて車は風を切る。状況に置いて行かれている夕凪は二つほど交差点を通過してからはっと目を開いて、
「ちょ、待って。え、どういうこと?」
混乱のさなか、運転席へと説明を求めていた。
左近の横顔が見える。それは昨日よりはあどけなく見えていた。
いつもよりアクセルの踏み込みが強い運転をする左近は頬を緩ませて、
「いやぁ、なんかトントン拍子に話が進んじゃってね。何故か好意的に招待されちゃったんだよねぇ」
「はぁ……あのそれでなんで私なの?」
昨日の話かと納得した夕凪は疑問をぶつける。
先によかったねの一言でもいえばよかったかと悩んでいると、
「一人くらい子供連れていった方がいいかなって」
「血の繋がりないじゃん!」
思わず声を荒げてしまう。
……違うじゃん、そこはさぁ。
久しぶりに会う両親に、孫の顔を見せたいということならわかる。しかし特殊な家庭環境で会っても書類上も血縁上も赤の他人である夕凪を連れていく理由にはなっていなかった。
それは左近も理解していたのか、ごめんねと前置きして、
「そこはほら、無くても家族みたいな? むしろ説得力増すかなぁって」
……説得力って。
夕凪は軽く笑う左近にため息をつく。
言いたいことはなんとなくわかっていた。書類上とか関係なく、あの家に住む人は全部で家族だった。それをわかってもらうためにあえて血縁すらない子供を連れていきたいと左近は考えているようだった。
ただ、劇薬でもあった。当事者である夕凪ですら最近知ったことを、十数年まったく知らない人たちが理解できるとは思えない。なんなら普通に拒否される可能性のほうが高い。それなら最初は左近と、その妻である陽菜が挨拶に行くところから始めたほうが変に話がこじれないのではと夕凪は思っていた。
……というかさぁ。
仮に子供を連れていくのなら、中途半端な立ち位置の自分よりもふさわしい人がいた。
「……お姉ちゃんでも良かったんじゃないの?」
「晴海は何言うかわかんないから駄目」
「あ、はい」
素早い返答に夕凪は思わず納得してしまった。
……お姉ちゃん、ごめん。
そんなことないよと言えずに車は街を疾走する。
話を終えた左近が海を見つめていた。
それを海は首を振って否定する。
「ちょっとやめてよ。まるで尖ってたみたいな言い方じゃない」
「いや、尖ってただろ」
横槍を入れてきたのは隣に座っている晴人だった。周囲から小さく、やめておけばいいのにとつぶやかれる中、彼は笑いながらグラスに口をつける。
皆が想像する通り、海は彼の耳を掴んで、
「晴人ぉ?」
「いてっ! 仕方ねえだろ、事実なんだからさぁ」
「うぅ……今更になって昔の痴態をほじくり返されるとは」
海は小さくうなだれていた。その様子に喉を鳴らして笑っていたのが向かいに座る一紗だった。
「痴態なら毎晩だろ」
「かーずーさー!」
海が急に顔を赤くして訴えるが、一紗は気にした様子もなく飄々とした表情で、
「知ってるか? こいつ、左近の働いているバー出禁になったんだぞ」
「ちょ、今それ言う!?」
「働いているバーってあのおかまバー?」
話を聞いて姉の晴海が尋ねる。
当事者である海は顔を真っ赤にしてうつむいていた。もう一人の当事者、左近は苦笑を浮かべつつ頷くと、
「まあ、そのころはただのホールというかボーイというか。とにかくお客さんの席について接客する立場じゃなかったんだけど、海がしつこくてね。それで悪質だって出禁になったんだけど、その時の接客がツボに入った人が何人かいて、僕も女装して接客する羽目になっているんだよね」
「あれ、女装か?」
「どういうこと?」
一紗の疑問に夕凪も重ねるように尋ねていた。
左近の仕事は何をしているかくらいしか知らなかった。夜がメインの飲食業だから子供が立ちよる場所ではないためだ。
すると一紗はスマホをテーブルの上に置いて見せた。画面には一人の男性が映った写真が表示されている。濃い化粧にベスト姿、男装の麗人と言われても納得するような、悪く言えばどっちつかずの中途半端な姿を見せていた。
「これがさこんパパなの?」
夕凪は画面を覗き込んだ後、感想を漏らす。
似ているような似ていないような。判断に迷って写真と実物を交互に見ていると、肩をすぼめた彼は一度座り直して、
「コンセプトがね。男装するドS令嬢なんだって」
「もともと男なのに、めちゃくちゃだろ?」
「これでも店の中では人気なほうなんだよ。なぜか」
言い訳と言うよりかは本人も疑問に思っているような態度をとっていた。
……友達、なんだなぁ。
夕凪はドタバタど荒々しく談笑に花を咲かせる大人を見てそう感じていた。
家族以上に友達だから、なんでも話せる。その気安さが羨ましいと思えるほどに。
だから、
「ねぇ、さこんパパはさ」
「なにかな?」
夕凪が問うと、話をやめて左近が顔を向けていた。
首を傾げる彼に、
「それからずっとお父さんとお母さんに会ってないの?」
「……まぁ、そうだね」
それは柔らかい笑みだった。それでいていつもより弱々しく見えて、夕凪は胸に重い石を積まれたような息苦しさを感じていた。
それを上手く言葉に出来なくて、何度か口を開いた後、
「……多分だけど、寂しいと思うよ」
どうにか形に出来た言葉に左近は眉を寄せていた。
皆が注視しているせいで気温が下がったように音が消えていた。居心地の悪さに夕凪は下を向くと、左近は相変わらずの苦笑いのまま、
「母さんはそうかもしれないけど父さんはどうかなぁ……」
その台詞に夕凪は首を横に振る。
「ちがうよ、さこんパパが寂しいんだと思う」
「僕?」
彼は目を丸くしていた。表情は真顔を通り越して幽霊にでも取りつかれたように感情を失っていた。
そのまま固まっていた左近に、一紗はテーブルに肩肘ついて笑う。
「確かに。いつも寂しい顔しているからな」
彼女は揶揄する。それを聞いて左近は目を閉じると、頬を膨らませて一紗を軽く睨んでいた。
「してないって。一紗も適当なこと言って話合わせないでよ」
表面上は不機嫌を示す左近に、一紗は余裕そうな笑みを崩さない。なんでもないことのようにグラスで喉を湿らせると、ゆっくりとそれを置いて、
「このままだと死に目にも会えんぞ?」
「うっ……」
ただの一言に左近は息を飲んで、視線を逸らしていた。
……そっか。
考えてみれば当り前な話だった。連絡を取っていないのだからその手の連絡が来ることもない。勘当されているのだから当たり前のことだがたかだか二十歳ちょっとの出来事で生涯ずっと影響が残るのもかわいそうであった。
もう十年以上の月日が経っている。一度熱した鉄ですら冷え切るにはもう十分な時間が経過していた。
後悔しているのなら、取り返しがつかなくなる前に改善したほうがいい。一紗の言いたいことを左近は承知の上で明言を避けているように夕凪は見えていた。
「左近君」
皆が返答を待っていると、左近がテーブルの上に投げ出した手を掴む女性の手があった。
陽菜だった。書類上左近の妻である彼女は両手で左近の手を包んでいた。
「陽菜さん……」
「弟君に話を聞くくらいならいいんじゃないかしら?」
優しく、陽菜が提案する。親の中で一人年上の彼女の言葉に口を挟む人はいなかった。
左近はしばらく見つめあったあと、手を離して頭を掻くと、
「まぁ、それくらいなら……」
渋々と言った形で折れていた。
それに陽菜は首を横に振り、
「子供って、あなたが思っている以上に敏感なものなのよ。昔とは違うんだから、悪いようにはならないわ」
「……はい」
左近は素直に頷いていた。
それを見て陽菜は笑みをこぼして手を叩く。
「じゃあ、子供達はそろそろ寝ましょうか。特に夕凪ちゃんは明日、終業式でしょ?」
「はーい」
終わりの合図に夕凪は席を立つ。
……大人って、大変なんだなぁ。
長い話を聞いて、夕凪が感じたのはそんな薄い感想だけだった。
翌日。
終業式が終わりゆかりと別れた夕凪は校門にいた。これから春休みだが誰かを待っているわけでもなく、中途半端な期間の休みに何をするかで胸を弾ませながら帰路につくところだった。
そこへ一台の車が横につける。見たことのある色に車種だと横目に見ていた夕凪は、ゆっくりと降りていくウィンドウから現れた顔に目を見開いていた。
「夕凪ちゃん」
声をかけてきたのは左近だった。小さな軽自動車をから顔を出して手を振る彼に夕凪は足を止める。
「どうしたの?」
珍しいと思いながら夕凪は問う。
昼も少し過ぎた時間、普段なら左近は夜の仕事のために寝ている時間だった。昨日今日と休みなので他の大人と同じ時間に起きているのは違和感がないが、そういう時はだいたい家にいるちび達の面倒を見ていた。
普段なかなか構えない分、休みの日くらいはというのが左近の口癖だ。それなのに今日はこうして一人で車に乗っているということは何かあったのだろうか。かすかな不安感を胸に忍ばせた夕凪は眉を寄せたまま左近の言葉を待っていた。
「ちょっと相談があるんだけど」
取り合えず乗ってよという左近に、夕凪は素直に助手席まで歩く。がちゃとドアを開いて乗り込むと、暖房の熱気で少しだけ頬が色づいていた。
「相談?」
「うん、あのさ……ちょっと実家まで付き合ってくれない?」
唐突に告げられた内容に夕凪はよく理解しないまま口を開く。
「へっ、あ、はい」
「うんありがとー」
それを了承と受け取った左近は車を走らせていた。
車窓から見える学生を追い抜いて車は風を切る。状況に置いて行かれている夕凪は二つほど交差点を通過してからはっと目を開いて、
「ちょ、待って。え、どういうこと?」
混乱のさなか、運転席へと説明を求めていた。
左近の横顔が見える。それは昨日よりはあどけなく見えていた。
いつもよりアクセルの踏み込みが強い運転をする左近は頬を緩ませて、
「いやぁ、なんかトントン拍子に話が進んじゃってね。何故か好意的に招待されちゃったんだよねぇ」
「はぁ……あのそれでなんで私なの?」
昨日の話かと納得した夕凪は疑問をぶつける。
先によかったねの一言でもいえばよかったかと悩んでいると、
「一人くらい子供連れていった方がいいかなって」
「血の繋がりないじゃん!」
思わず声を荒げてしまう。
……違うじゃん、そこはさぁ。
久しぶりに会う両親に、孫の顔を見せたいということならわかる。しかし特殊な家庭環境で会っても書類上も血縁上も赤の他人である夕凪を連れていく理由にはなっていなかった。
それは左近も理解していたのか、ごめんねと前置きして、
「そこはほら、無くても家族みたいな? むしろ説得力増すかなぁって」
……説得力って。
夕凪は軽く笑う左近にため息をつく。
言いたいことはなんとなくわかっていた。書類上とか関係なく、あの家に住む人は全部で家族だった。それをわかってもらうためにあえて血縁すらない子供を連れていきたいと左近は考えているようだった。
ただ、劇薬でもあった。当事者である夕凪ですら最近知ったことを、十数年まったく知らない人たちが理解できるとは思えない。なんなら普通に拒否される可能性のほうが高い。それなら最初は左近と、その妻である陽菜が挨拶に行くところから始めたほうが変に話がこじれないのではと夕凪は思っていた。
……というかさぁ。
仮に子供を連れていくのなら、中途半端な立ち位置の自分よりもふさわしい人がいた。
「……お姉ちゃんでも良かったんじゃないの?」
「晴海は何言うかわかんないから駄目」
「あ、はい」
素早い返答に夕凪は思わず納得してしまった。
……お姉ちゃん、ごめん。
そんなことないよと言えずに車は街を疾走する。
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