【R18】彼女が友だちと寝ていたから

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第44話 【R18】海3

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「どうした?」

「──っ!」

 問われ、そして腿を強く叩かれる。気付けの意味にしても乱暴な行為に、海はチカチカと光る星を見ながら唇を強く噛む。
 ……やば。
 絶頂した。達した。余韻がまだ残り、全身が強く硬直していた。
 トドメになったのが最後のビンタだった。駄目押しの快感に呼吸が止まる。全身が性感帯になって衣擦れやエアコンの風に触れるだけでイきそうになる。
 ビクッビクッと陸に上がった魚のように顔を上に向けて身を震わせていると、

「どうしたって聞いてるんだが?」

 今度は逆の腿に爪をたてられる。
 容赦なく食い込む爪は濃い赤の線を肌に描く。痛覚を快楽に置き換える脳みそは歓喜の悲鳴を出すよう指示を飛ばす。
 あっ、あんっ…
 嬌声が響く部屋の中で、熱く茹だった頭は冷静さを取り戻そうと儚い努力を続けていた。このままでは不興を買うかもしれない。呆けている猶予などなかった。

「い、イッちゃいました……」

 声を振り絞って答える。
 直後、薄い左の乳房の先が捻りあげられていた。

「んぎいぃ!?」

 思わぬ行為に絶叫し、歯が割れそうになるほど強く噛み締める。
 痛いいたいイタイ。快感に置き換えきれない程の痛撃に瞳が濡れる。直ぐに左近の手は離れたが、びりびりとした痺れる痛みは乳首の先から離れることは無かった。

「だからどうした? 早く腰を振れよ」

 そんなことは関係ないと無慈悲に告げられた言葉に、

「まって──」

 口を開いた途端、今度は右の乳房を叩かれる。

「いつっ!」

「あのさ、口答えするなって言ったよな? 一回言われたことをなんでまたするんだよ」

 くっきりと紅葉が浮かぶような平手打ちも先程に比べれば幾分か優しく、患部はじんわりと熱を持つ。
 ……だめ。
 これ以上はもうだめだ。エスカレートする痛みに耐えられそうにない。

「ごめんなさい、ごめんなさい」

 それでも淫らに濡れた秘所は咥え込んだ物を離さず締め上げ、しかしまだ足らぬと海は腰を動かす。
 びちゃ、びちゃと、腰がぶつかる度にいやらしい水音が木霊する。硬い陰茎は容赦なく膣壁を抉り、押し広げて快感を生み出していた。
 んんっ。
 呼吸が荒くなる。腰を止めることが怖い。だから頑張って動かさなければならない。
 あんっ。
 声に艶が混じる。力が入らない。快感が快感を呼んで、今にも倒れこみそうになる。
 はぁん…
 きもちいい。きもちいい。もっと、もっと。
 あっ…あっ、んっ…はねてる…
 膣の中で陰茎に力が入っているのが感じ取れる。一瞬固くなり、いつもと違うところをごりごりとほぐされて、たまらず喉から声が出る。
 あっそこ、すき…
 腰は絶えず上下に動き、喘ぎ声もまた大きくなる。額には汗がにじみ、上気した肌からむせ返るような女の香りが立ち昇っていた。

「ど、どうですか? 気持ちいいですか?」

 よく反応を返すようになった陰茎に、海は尋ねる。
 すると返答の代わりというように腿に慈愛に満ちたビンタが音高く響く。

「うっ、んっ…」

「人のことを気にする余裕があるってことは手ぇ抜いてるってことだよな? ちゃんとやれ」

「は、はい」

 厳しい口調の反面、海の縛られた手を左近は握っていた。足の力だけで腰から上を浮き沈みさせていた今までとは違い、上半身の体重を預けられるようになって一段と腰の動きが早くなる。

「き、気持ちいいです…」

「あぁいいぞ。いやらしい女だなお前は」

「はい…んっ…」

 パンパンと肌が合わさる音が早く、鋭く、短くなる。
 あぁっ。
 快感が下半身では収まらず、上半身も震わせる。
 んんっ。
 きもちいい。
 ぁはぁ…
 きもちいい。
 んっ…
 きもちいい。
 快楽のままに貪り続けていると、左近から、なあと声が掛けられる。

「もっと見せつけるように股を開けよ」

「こ、こうですか?」

 難しい注文に、海は膝を立てて座り直す。丸見えになった陰部をさらに見せつけるように身体を後ろに倒していた。
 支えは繋がった手のみしかない。この状況では満足に腰を動かすことも出来なかった。

「ああ、よく見えるよ。興奮してるのか?」

「っ……はい」

 結合部を見られていることに、恥ずかしさで膣が締まる。確認することはできないが視線が普段は見せてはいけない所へ注がれているのを感じていた。

「そっか」

 カシャ。
 短い返答のあと、よく聞き馴染みのある音が耳に届いていた。

「え……何?」

「写真」

 その単語の意味を噛み砕くまで少しの時間を要した。
 えっ……
 スマホだろう。カメラ機能を使って記録を残した。どこをと問えば答えはひとつしかない。

「い、いやっ、駄目──」

 拒絶の意を示してもシャッター音は鳴り止まない。それどころか動けない海の代わりに左近は容赦なく腰を振りはじめていた。

「うっ、ぐぅ! はげし、やらぁ……」

「恥ずかしいなぁ、こんな姿晒してマンコぐいぐい締め付けてさぁ」

「いやっ、やだぁ」

「注文してんじゃねえよ」

 カチリとスイッチを入れる音と共に低い振動音が鳴り響く。
 待っ──
 わかる。これからなにをされるのかを。瞬時に理解した海よりも早く、加熱した振動がクリトリスを強く押し潰していた。

「んんっっ!?」

 過多な性感に海は仰け反っていた。
 頭は垂れ下がり、顎が割れるほど歯ぎしりをする。それでも玩具によるいじめは止む様子がなかった。

「よかったな。めちゃくちゃにされて」

「ひゃ、ひゃい…」

 あっあっあっ──
 強制的に高められて、逃げることも出来ない。とろとろと溢れていた愛液は今や高圧洗浄のように吹き出していた。
 ぐっ…んんっ…イク、イクっ…
 合わせて陰茎が深く突き刺さる。何度も何度も、何度も何度も突き立てられて身体が飛んでいきそうだった。
 ん、きちゃ、きちゃうっ……ああっ!
 短い波が引く前に次々と押し寄せて、高みにのぼっていく。限界を超えてくる恐怖に海は腰を左右に振って少しでも逃げようとしていた。

「そろそろイきそう、だな」

 左近の声と共に、バイブによる責めが終わる。手を引かれ、タオルで繋がった腕の間に彼の頭が入り込んでいた。
 ……あはっ。
 抱きしめる。背の低い左近の頭が胸に当たる。

「んんっ…いっぱい出してください」

「……仕方ねえな」

 呆れた声と同時に、海の臀部に手が回る。力強く持ち上げられて、そのまま落とされる。
 あっ…
 抜けかかった陰茎が落下の速度も相まって一番深いところを抉っていた。
 んっ…
 それは一度では終わらず、何度も、何度も繰り返される。
 んんっ…
 海は左近に足を絡めて力を入れる。全身を使って抱きついて離さない。
 あっ…あん、ん、んっ…
 リズムよく陰茎が奥を突くたびに喘ぎ声が飛び出す。それはまるで楽器のようだった。

「んんっ! あっだめっ、そこきもちいいっ」

「嬉しいんだろ、よかったな」

「はいぃっ、ありがとうございますっ」

 左近の動きが速さを増していた。陰茎はかつてないほど硬くなり、大きく膨れ上がるのを膣が感じ取っていた。

「うっ…」

 左近の声が漏れる。それと同時に陰茎が脈打って熱い精液を膣に塗りたくっていた。

「あ……ぅ……」

 ドクっという吐精に合わせて海の身体も震えていた。
 二度、三度と大きな吐き出しに快感以上のものを味わう。

「でたぁ…」

 余韻に浸るのもつかの間、海はベッドに押し倒されていた。そして顔を横にされて、強引に引き抜かれた陰茎を口に押し込まれ、

「しゃぶれよ」

「ふぁい…」

 愛液と精液でドロドロになったそれを丁寧な舌使いでゆっくりと掃除していく。
 独特な臭いと味に脳みそが痺れる。尿道に残った精液も啜り出して、しかしまだ硬い陰茎を舌で転がしていく。
 おいしい…
 確かな塩味が失ったものを補充していた。
 このまま……
 このまま二回戦と思った矢先、目隠しが外される。急に入る光に目が焼かれ、視界は白一色に塗りつぶされていた。
 微かに涙をたたえて瞬きをしていると、手首に巻かれたタオルも取られ、

「……正直に言うとだな」

 見上げた先にいる左近が凝視していた。

「ナンバーワンは諦めろ」

 突然の事に言葉を失う。口の中の陰茎を吐き出して、海は口に溜まった物を飲み込んでいた。
 諦められるならとうの昔に諦めていたと、目で訴える。元々は自分の席で、しかし自分のせいで明け渡してしまった席でもあった。
 左近は海の頭を撫でる。何度も、心地良さだけを残すように。 

「あれは人に区別はつけねえと思ってるタイプだけど、周りからすればタチが悪いだけだ。それに甘える一紗にもイラッとするのは分かる」

 左近の言い分に海は頷いていた。
 本当に二人だけの世界で完結していたならば海も踏ん切りがつく。自分で蒔いた種なのだからと、多少は引きずるだろうけれど大人しく身を引いていただろう。しかし一紗は一切の罪悪感なく和を置いて他の男とセックスしていた。
 それが海にとって堪らなく耐え難いことだった。

「でもよ、お前もこうやってる以上十分染まっちまったんだ。オンリーワンに切り替えろよ」

「オンリーワン?」

 海が疑問の声を出すと、あぁと短い返答の後、

「やり方は俺にもわかんねえけどさ。一紗ばっか見てないで、他にも目を向けた方がいいと思うぜ」

「ありがと……」

 ふわふわとした地に足つかない話だと思う。具体性がなく、指針もない。それでも精一杯の思いがこもった言葉に海は感謝の意を述べる。
 とてもではないがこの後セックスを続けるような雰囲気ではなくなっていた。そう思うと旅の疲れも重なって全身の重だるさを感じていた。それとは真逆に心の中でドロッと溜まっていたヘドロのような物がいくらか掃除されたように思えていた。
 濡れそぼった股はひんやりと風を感じている。このまま寝たら大変だと思っても身体は起き上がることを良しとはしない。
 きもち、よかったなぁ……
 あの二人では味わえないセックスの快感の余韻に浸っていると、薄く開いた眼に顔を少し赤くした左近が映っていた。一度二度と口を開閉して、三度目にやっと声を出す。

「今日のところは俺で勘弁しとけよ。えっと……俺の腕の中で寝とけ、な」

「なにそれ」

「き、気にすんな」

 急に変な事を口走る彼を揶揄するように笑いながら目を閉じる。
 隣には彼がいる。それだけで久しぶりの快眠が約束されているようだった。
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