【R18】彼女が友だちと寝ていたから

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第29話 晴人10

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 ……慣れてきたな。
 口淫も始めてからすでに五分以上経過していた。最初以外特に変わった味もなく、清潔に保たれている肉棒への忌避感はだいぶ薄れていた。
 他の誰のものでもない、親友のものだ。大怪我でもして介護が必要になった時、下の世話もできないのでは情けない。それに比べたら匂いも味もないただの肉の塊を口に含むことなどどうということもない。
 晴人は積極的に舌を這わせていた。和の気持ちいいところなどわかるはずもなく、自分がされたいようにするしかなかった。
 どこかもどかしさを感じてしまうような繊細なフェラではなく、荒々しく根本から引っ張り抜くような力強いフェラで。普段なら味わえない吸引できつく締め上げる。

「あ、ぐぅ…」

 悲鳴に近いような声を上げて和は腰を引こうとする。しかし海に阻まれてそれもかなわない。
 ……亀頭かぁ。
 何度か舌を這わせれば、どこが弱いかくらいはすぐにわかる。晴人は少しだけ首を引いて、伸ばした舌が尿道の入口をなぞり、ほじる。

「やば、晴人、それはダメだって」

 本格的に腰が引けている和の反応が面白い。傍からみるとこんな感じなのかと笑えてしまう。
 一度深く咥え直して口の中を空気でいっぱいにする。フグのように膨れた頬を一気にすぼめてを繰り返すと、上あごを叩くようにぴくぴくと活きのいい反応を返す。
 悪くはない。晴人は軽くうなずいて口淫を続けていた。
 次第にカウパーの味が唾液に混じるようになってきた。

「はるとぉ…」

 熱のこもった目線に晴人は否定の意味を込めて手を振る。やめろやめろ、そんな目で見るんじゃないと伝えると、いきなりペニスをおもいっきり奥までねじりこんできた。
 そのまま激しく抜き差しを繰り返す。苦しくはないが乱暴な行為に空いた隙間から唾液が零れ落ちる。
 ……ちょっとさぁ。
 もはや口でどうにかできるものではない。舌を受け皿のように作って、気が済むまでさせるしかなかった。
 その操作をしているのは和の腰に手を当てている海だ。きついカーブの笑みを浮かべる彼女ははっきりと調子に乗っていて、晴人は少しむっとする。

「ひゃっ!?」

 晴人は和の足の隙間に手を伸ばして、その奥にいる海の股をまさぐっていた。じゅんと湿ったそこは糸を引くほどに濡れていて、湯気を立てるほどに熱くなっていた。

「ちょっと、ん、なにすんのよ」

 キーの高くなった声で海が問い詰める。なおも手淫を続けると、内股になり和にしだれかかっていた。
 ……おい。
 そんな状態でも和の動きは鎮まる気配がない。明らかに自主的に腰を動かしているのがわかって、晴人は見上げるようにきつく睨んでいた。

「はると、もう、でそう…」

 ……は?
 気づいた時には固定するように和の手が頭を掴んでいた。
 いや、それは駄目だろと顔を動かそうにも、首から上は満足に動いてはくれない。

「んー! んー!」

 必死で声を出しても和は行為を止める気配はない。一段と硬く張ったペニスを感じて、晴人は背筋に冷たいものを感じていた。

「で、出るっ!」

「っ、だぁっ!」

 精液が上り詰める瞬間、渾身の力を振り絞って晴人は顔を射線上からずらしていた。勢いよく発射された白濁液は尾を引いて耳元を通り過ぎていた。

「にゃっ!?」

 背後から女性の声がする。独特の香りが漂う方へ顔を向けると、白く汚された顔の一紗が目を顔をゆがめていた。
 彼女はゆっくりと目を開き、頬についた精液を指で掬うとそれを口に運んでいた。二度、三度繰り返し自分の指をねぶり、舌の上で転がした後、

「晴人の味がする」

「しない」

 するわけないだろうと、冷めた目で見つめると、一紗は抱きついて唇を合わせてきた。
 強引にねじ込まれた舌は抗いがたく、無理矢理絡まされる。青臭い匂いにねっとりとした感触を味覚が感じ取って、胸が詰まる思いだった。
 うっ……
 味は知っていたがここまで濃厚なものは初めてだった。口の中に残る味はえぐみがあり、飲み込みたくはなくて押し返すように舌を突き出していた。

「ん……はぁ。どうだ、感想は?」

「最悪だろ」

 糞みたいな質問に晴人は眉をひそめていた。
 一紗はいたずらっぽく笑い、

「たまにはこういうのも悪くないな。こう、心がむずがゆくなるような感覚は癖になりそうだ」

「ただの病気だ、それは」

 晴人はきっぱりと断言する。ここでちゃんと言っておかないとまたさせられる危惧があった。

「で、仕置きはさすがにこれで終わりだろ?」

 ことの発端である海に向けて言葉を投げかける。彼女は顔を紅潮させて、下唇を噛んでいた。

「……納得いかない」

「何が?」

「なんか余裕そう」

 ……はぁ?
 晴人は首を傾げていた。
 流石にその言葉は看過できなかった。やれと言われたことをこなして、こんな思いまでしてそれはないだろうと、海をにらみつける。
 彼女はその目から隠れるように和の後ろに身を置いていた。その彼はすっきりとした表情で、ただ立ち尽くしていた。

「……よかったのか?」

「うん」

「うんじゃねえよ! お前にもやらせるぞ」

 憤慨して怒鳴るように言うと、和は顎に手を置いてしばらく黙った後、

「……いいよ。晴人なら」

「和……」

「んんっ。そっちの趣味はないけど嵌りそうになるから止めろ。供給過多だ」

 一紗が訳の分からないことを口走りながら二人の間に割り入っていた。
 ……まったく。
 ようやく拘束から外れた晴人は立ち上がる。
 収拾のつかないこの惨状にあきれていた。いまだ口の中がガラガラするし、大切なものを失ってしまったような感覚に、誰の顔を見たくないと思ってしまっていた。

「寝るわ」

「ん、また明日ね」

 手を振ると和が振り返す。
 それを背中で感じながらパタンと扉を閉じていた。
 ……うーん。
 口に残るペニスの感触は数日消えることはなかった。
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