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第四章 ゴーレムと赤い砂漠

第三十三話 ゴーレム、砂漠に入る

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確かこの先は砂漠が広がってたんだっけか。
足元が崩れやすかったり、体が砂嵐で埋まりそうになったりして大変だったんだんだよな。
そんなこんなで冒険者達と別れて、砂漠地帯が見えてきました。
前回は特に疑問に思わなかったんだけど、なんでこんな森林地帯の近くに砂漠があるんだ?

わからん。

わからんといえば、オレの後方。大体30mくらい後ろかな。
冒険者のパーティが付いてきます。
この間の5人組ですね。
オレを監視してるのかな?それとも進行方向が同じなだけかな?
どうせなら近くに来てほしいな。
話しかけてくれなくていいけど、会話を聞いていたい。
ひとり身は寂しいんです。
でも頭を回して後ろを向くと、すぐに隠れちゃんだもん。
むう、切ない。
というか君たち、平気なのかね?
この砂漠、前回来た時にすごい数のサソリがいましたよ?
幸い大きさは一般的な地球サイズのサソリでしたけど。
数が多かったんだよなあ。こう、体を登って這われて気持ち悪かったなあアレは。
火の魔法が全然効かなくて、しかも地面が砂だから踏みつぶしても砂の中に逃げるだけでまともに倒せなかったんだよね。
一生懸命お尻の針で刺してきたけど。刺さらなくて諦めていなくなったんだっけ。
そんな手合いに勝てるのかなあこの人たちは。
と、流砂だ。危ない危ない。
探知広げててよかった。
後ろの人たち気づいてくれてるかな?
この流砂の下、でっかいアリジゴクみたいなのがいて危険なんだけど。

うーん。
手を振ってみよう。そして指さしてみよう。
おーい、ぶんぶん。そして、ビシっ!
あ、気づいてくれてる。
なんか話し合ってるな。
あ、こっちに来た。
よかった。伝わったみたいだ。
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