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幕間章 勇者の弟子、アイレウスの葛藤
勇者の弟子、アイレウスの葛藤⑥
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「追います」
「いかん!」
「しかし!」
「冷静になれ!あいつの向かう先は赤い砂漠だ!前回の偵察隊も全滅した場所なんだぞ!」
「ですがっ!」
「にゃあ、見えなくなっちゃうにゃ」
「くっ」
慌てて追いかけようとしたが、その肩をゴートさんが掴んできた。
「だから待て!追ってどうする!死ぬだけだぞ!」
「死にません!」
「分かれ!あの砂漠は普通じゃないんだ!」
「分かってます!ですがあいつをここで見失う訳にはいかないじゃないですか!」
「それでもだ!」
「先生なら追ってたはずです!」
先生なら、赤い砂漠も単独で走破できた。ならば自分にも!
「自惚れるな!あいつだって砂漠越えには入念な準備を怠らなかった!それに出来るだけ砂漠を渡らない方法を取ってた」
国崩しの足音が遠のいていく、砂漠まで距離がまだあるが・・・くそっ!
「分かりました、自分一人で追います」
「それこそ馬鹿な話だ!いい加減にしろ!」
「監視することしか出来ないんです!監視することすら出来ないなんて!」
「場所が悪いと言っている!」
「それでも自分は行きます!」
「わからずやがっ!」
言葉と共に強い力で肩を後ろに引っ張られた。
なんとか尻もちをつかずに留まる。
「お前が行おうとしていることは只の自殺だ!そんなもの了解出来るはずないだろ!」
「自分は国の命で動いています!あなたの命令は受けない!」
「このっ!」
ゴートさんが拳を振りかざす、瞬間的に自分は剣を抜いてゴートさんに向き合った。
「行きます」
「・・・・本気か」
「はい、先生が貴方と砂漠を何度か超えているのは聞いていました。自分は先生も、貴方も超えたい!」
「小僧が、調子に乗るなよ」
ゴートさんの全身から言いようのない威圧感が放たれた!
まだ武器も構えてないのに、とんでもない殺気だ。
汗が、額から落ちた。
クソッ!ビビるな!
進むんだ!
震える足に力を込める。
剣を握る拳は逆に浅く、力を込めやすいように脱力して。
ゴートさんの目を見ろ!気圧されるな!
「アイ。パパ・・・」
メルのつぶやきが聞こえた。でももう自分は引けない!
一歩・・・は無理だ。せめて半歩でも前に!
「・・・・わかった」
「はい・・・はい?」
「わかったっつったんだよ。いい、俺も付き合う」
「で、ですが」
自殺だと言ったのに、この人が危険を了承する?
「テイツォ、メルを頼めるか?」
「ダメにゃ。にゃーもいくにゃ」
「おい・・・くそ。セイーリア・・・すまないが・・・」
「砂漠の知識なら誰にも負けないわよ?まあ骨食いに見つかったらそのままゲームオーバーだけどね」
「ん、メルも!」
「待て待て!俺はいいが、お前らまで死ぬことはないぞ」
「そ、そうです!自分は王の命で動いてますがみんなは」
「にゃーも王様の命令もらってるにゃ」
「パパが死ぬなら、メルもそこで死ぬ」
「この子を砂漠になんてあげないわ」
口々に言ってくれる。みんなの気持ちがその表情から伝わってきた。
『覚悟』だ。
「・・・・・みんな、すまない」
はは、なんてあったかい連中なんだ。
思わず頭が下がった。
「まあ、なんだ。弟子の弟子が男前な顔をしたんでな」
「ゴートは照れ屋だにゃ」
「うるせえ」
「パパ、てれや」
「はいはい、じゃあ見失わないうちに行動開始ね。悪いけどお金あるだけ用意して。砂漠越えの水の魔石村中からかき集めてくるわ」
「そうだな。それ以外の物資は俺が買って来よう」
「メル、パパといく」
「にゃらにゃーは国崩しを追うにゃ」
「自分も国崩しを追います。みんなありがとう」
「なら行動開始だな」
『おー!』
自分のわがままで、みんなを死なせるかもしれなくなった。
いや、高い確率で死ぬだろう。
でもみんな自分と死んでも構わないと言ってくれている。
本当に、本当にありがとう。
「いかん!」
「しかし!」
「冷静になれ!あいつの向かう先は赤い砂漠だ!前回の偵察隊も全滅した場所なんだぞ!」
「ですがっ!」
「にゃあ、見えなくなっちゃうにゃ」
「くっ」
慌てて追いかけようとしたが、その肩をゴートさんが掴んできた。
「だから待て!追ってどうする!死ぬだけだぞ!」
「死にません!」
「分かれ!あの砂漠は普通じゃないんだ!」
「分かってます!ですがあいつをここで見失う訳にはいかないじゃないですか!」
「それでもだ!」
「先生なら追ってたはずです!」
先生なら、赤い砂漠も単独で走破できた。ならば自分にも!
「自惚れるな!あいつだって砂漠越えには入念な準備を怠らなかった!それに出来るだけ砂漠を渡らない方法を取ってた」
国崩しの足音が遠のいていく、砂漠まで距離がまだあるが・・・くそっ!
「分かりました、自分一人で追います」
「それこそ馬鹿な話だ!いい加減にしろ!」
「監視することしか出来ないんです!監視することすら出来ないなんて!」
「場所が悪いと言っている!」
「それでも自分は行きます!」
「わからずやがっ!」
言葉と共に強い力で肩を後ろに引っ張られた。
なんとか尻もちをつかずに留まる。
「お前が行おうとしていることは只の自殺だ!そんなもの了解出来るはずないだろ!」
「自分は国の命で動いています!あなたの命令は受けない!」
「このっ!」
ゴートさんが拳を振りかざす、瞬間的に自分は剣を抜いてゴートさんに向き合った。
「行きます」
「・・・・本気か」
「はい、先生が貴方と砂漠を何度か超えているのは聞いていました。自分は先生も、貴方も超えたい!」
「小僧が、調子に乗るなよ」
ゴートさんの全身から言いようのない威圧感が放たれた!
まだ武器も構えてないのに、とんでもない殺気だ。
汗が、額から落ちた。
クソッ!ビビるな!
進むんだ!
震える足に力を込める。
剣を握る拳は逆に浅く、力を込めやすいように脱力して。
ゴートさんの目を見ろ!気圧されるな!
「アイ。パパ・・・」
メルのつぶやきが聞こえた。でももう自分は引けない!
一歩・・・は無理だ。せめて半歩でも前に!
「・・・・わかった」
「はい・・・はい?」
「わかったっつったんだよ。いい、俺も付き合う」
「で、ですが」
自殺だと言ったのに、この人が危険を了承する?
「テイツォ、メルを頼めるか?」
「ダメにゃ。にゃーもいくにゃ」
「おい・・・くそ。セイーリア・・・すまないが・・・」
「砂漠の知識なら誰にも負けないわよ?まあ骨食いに見つかったらそのままゲームオーバーだけどね」
「ん、メルも!」
「待て待て!俺はいいが、お前らまで死ぬことはないぞ」
「そ、そうです!自分は王の命で動いてますがみんなは」
「にゃーも王様の命令もらってるにゃ」
「パパが死ぬなら、メルもそこで死ぬ」
「この子を砂漠になんてあげないわ」
口々に言ってくれる。みんなの気持ちがその表情から伝わってきた。
『覚悟』だ。
「・・・・・みんな、すまない」
はは、なんてあったかい連中なんだ。
思わず頭が下がった。
「まあ、なんだ。弟子の弟子が男前な顔をしたんでな」
「ゴートは照れ屋だにゃ」
「うるせえ」
「パパ、てれや」
「はいはい、じゃあ見失わないうちに行動開始ね。悪いけどお金あるだけ用意して。砂漠越えの水の魔石村中からかき集めてくるわ」
「そうだな。それ以外の物資は俺が買って来よう」
「メル、パパといく」
「にゃらにゃーは国崩しを追うにゃ」
「自分も国崩しを追います。みんなありがとう」
「なら行動開始だな」
『おー!』
自分のわがままで、みんなを死なせるかもしれなくなった。
いや、高い確率で死ぬだろう。
でもみんな自分と死んでも構わないと言ってくれている。
本当に、本当にありがとう。
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