上 下
20 / 115
第二章 悪逆非道、邪悪なゴーレム

第二十話 ゴーレムVS勇者!

しおりを挟む
銀光一線、オレの張った障壁が切られた!

「勇者だ!」
「勇者様がお戻りになられた!」

オレの前に、深紅の髪の男が立ちふさがった。

「これ以上の破壊行為は許さない!」

純白の鎧に、金の装飾を付けた広い盾。
オレの障壁を切った剣は銀色の光を放つ。
十字の紋章の入った赤いマントを装備した男がオレに向かって言い放った。

「勇者様!」
「勇者アルド様!」
「皆さん離れていて下さい!こいつは尋常じゃない!」

いいぞ、勇者だかなんだか知らないがみんなを避難させろ!
そしてオレを破壊するんだ!

「先生の言うとおりに!先生が全力で戦います!離れて!」

勇者の横の男が、子供か?声を張った。
日の光を反射する、金色な髪の毛が特徴的な線の細い男だ。
こちらも勇者と同じく剣を下げている、ただ鎧のようなものは装備していない。

「勇者アルド殿と従士アイレウス殿の指示に従え!全員この場から離れるんだ!」

衛兵達が広場から離れ、城門前に陣取る。
そっちに集まるんじゃねえよ!
オレは歩みを止めず、アルドとアイレウスに向かっていくことになる。

「おおおおおおおおおお!」

口火を切ったのはアイレウスだった。
直刃の剣でオレの体を正面から穿った!!
オレのガードをせずに胸でそれを受ける。これで壊れれば!

「くうっ硬い!」

ダメか!
オレが反撃しようと右手を振るう。

「させない!」

その右手をアルドが切りつける。
少し右手が後ろに押し返された、おかげでアイレウスへの攻撃が空を切る。
右手に小さな傷があった!
初めて傷が出来た!
オレは火炎放射の魔法を二人に浴びせる。
また勝手に!

「耐魔の風!」

勇者がマントを閃かせると、オレの火炎放射が霧散する。

「助かります!」
「ああ、だが・・・」

勇者がオレの腕を切りつけた剣に目を向ける。
小さな刃こぼれが出来ていた。

「聖剣が!」
「お前の剣はどうだ」
「自分の剣は魔力でコーティングしていますから」
「それでもダメージは無しか」

爆炎火球が二人に飛んでいく。

「くっ」

アルドが盾でその火球を弾いた。空中に飛んでいきそのまま城壁にぶつかり大爆発を起こす。
しおりを挟む

処理中です...