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第一章 志雄、ゴーレムになる

第十三話 ゴーレムの必殺技

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んー。ロケットパンチか。
アニメとかだと腕の後ろからなんか噴射しててそれで敵にぶち当てるんだけど・・・。
腕を外してみる。
地面にめり込む程度には重い。
普通に飛ばしてもダメだよなあ。
腕と肘の間で爆発系の魔法を発動させて・・・。

『バゴン!』

うん。20cmくらいか。
つかえねええええええええええ!
腕を軽くすると威力落ちそうだしなあ。
他に試してみるか。
ここは・・・電気か!
ほら、磁石の反発とかの作用で!
腕の付け根と肘の付け根の間をS極とS極にして!みたいな。
これいけるんじゃないか?うん。
さっそく。ぬぬぬぬぬぬ・・・・。
ダメだ。雷とか磁力というか、風すら出ない。
風の魔法は使えるようになってるはずなのになあ。
幻覚系と同じで相性が悪いのか。

どうするかなあ。
水で噴出させる?
出来そうだ!けど恰好悪いな。
試すだけ試してみよう。
ロケットウォーターパーンチ!
・・・うん。1mくらい飛んだ。
水だけ思いっきり向こうまで飛んでいった。
ダメダメ。
念動魔法で飛ばそう!
おおおおお・・・・重い!
いけるけど遅い!フラフラしてる!却下!
あとは何があるかなあ。

いっそ投げる?
自分の腕を外して?投げて?
どんな必殺技だよ。つか投げるんならその辺の石(岩)投げればいいじゃねえか。
却下却下!
えーっと、そもそも何が使えるんだっけか。
まず火、火炎放射。
あと今試して出来た爆発。
合わせれば・・・ファイヤーボール!!

『ドーーーーン!』

ああ、森が!!
消火消火!水魔法!シャワーシャワー!
ふう、危ない危ない。
あと定番だと・・・オレのこの手が(物理的に)真っ赤に燃える! 
熱そうで痛そうだ。オレ自身は燃えてる感覚ないから痛くも熱くもないけど。
これは有りだね。見た目的にも。
問題はオレ自身が素早く動けないから早い相手を殴れないってところか。
そこはそれ。
そして水魔法。
水鉄砲!氷柱の雨!あと、地面ごと相手を凍らせたりも出来るね!
単純に水を作るだけでも便利だ。風呂とか入らないけど、体は綺麗に出来るからね。
感覚こそないけど、やっぱり魔物とか倒した後は手を洗いたい。
水の魔法はこんなところ?
次は地の魔法。
最初は地面とか操作したり、地割れとかを起こして敵を落としたりして使ってたんだよね。
土で針みたいなの作って串刺しとかもしたけど。あれ周りに硬い石とかないと出来ないことが判明したからね、氷の方が便利。
墓石作ったときとか加工したり。あ、オレの腕加工出来ないかな?土っぽいし。

ぐにぐにぐに。

使えるけど、ちょっと力を籠めないとダメだな。しかも勝手に元に戻っていく形状記憶合金?

風は・・・風は・・・うん。はい。
相当力んでそよ風が吹く程度です。これは却下。
幻覚系も同様に難しいね。どうにも素質がないらしい。

探知は文字通り探知魔法だもんなあ。
攻撃とかそんなんじゃないです。
一応周りの魔物とか獣の反応がわかるし、周りの地形もある程度詳しく見えるね。
範囲はこの森を丸々覆える程度の範囲。
この森の広さがよくわかんないですけどね!
あと重力か、まあこれは体を軽くして動きやすくしているので常時発動です。でも自分にしかかけられない模様。
ちなみにある程度重さは残してます。軽くしすぎると重心が崩れるので・・・あと木とか邪魔なものどかすのに重さがある程度必要なのでしょうがない。
重力・・・重力!
腕の重力を飛ばしたい相手に向けて・・・腕の付け根の内側で爆破魔法を発動させて・・・行け!

『ボオオオオオオオオオオン!』
『ガゴン!ガゴン!ガゴン!ガゴン!・・・・・・』

飛ばしすぎた!てかそうだよ、帰ってくるわけないじゃん!
使ったら拾いに行かないといけないんですね。これ。
ああ、まさに奥の手だわ。手だけに。
ははは、なんか涙が出てくる。や、出ないです。涙腺ないです。はい。
途中で重力魔法止めればいいことに気が付くころには、東の空が明るくなってきていました。
この世界も太陽は東から昇るらしい。
はあ、腕拾いにいこ。



・・・これ、ロケットじゃなくね?
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