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第二章 始まる学校生活

第三十話

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―怪我は?―

光がラザロに問いかけた。見るとラザロの腕には何かで叩かれたような痣が残っている。

「コレくらいへいき~、しかしヒカリはすごいなあ」

ラザロの言葉に後続の同級生たちも座りながら頷いている。
単純に独走していたことにではない、上級生達の妨害を早々に突破したことを言っているようだ。

「先輩たち強すぎ、何手か受けたら引いてくれる人たちが大半だったけど」
「あれ倒せってどんだけよ、最後の妨害の人らは明らかに格上じゃない」
「てかしゃべるのもしんどー」
「魔力が通ってない罠なんて察知しようがないじゃない」
「トンファーとられたー!」

そこかしこから愚痴が聞こえてきた、李を追いかけて最後まで到着したのは光を除くと五名だけだった。

少したつと、レアも一団を連れて到着した。
レアが率いてる新入生には、最終の妨害はないらしい。見える範囲にいた上級生達も息を整えて軽く体を動かしている人たちが多い。

「この子達で最後ねー」

最後にリアカーを引いた修道服の先生が森林の中から出てきた。

『どうやって引いてきたんだよ』
「気にしない気にしない」

見るとリアカーには生徒が何人も乗っていて、みんながみんな目を回していた。
蛙にやられたのかベトベトした液体に包まれている子もいる。

「大丈夫、みんな車酔いだから」

マリアがにこやかに言う。見ると何人かの腕や頬、足に包帯や湿布が貼られていた。ここに連れてくるまえにマリアが治療したようだ。

「マリア先生、おつかれさまです」
「はい、おつかれさまー。こっちに怪我人はいるかしらー?」
「そこらに座り込んでるやつらを適当に見てあげてください」
「んっふっふっふっ、りょうかーい」

楽しそうに怪我人を探しているマリアに、レアが適当に答えた。
第二陣のレア先生の後ろにいる生徒たちは、息こそ乱れているもののジャージに汚れや乱れはあまり目立たない。妨害がなかったのかルート自体が別のようだった。

「さてと、じゃあ分けるからなー」

李はそういうと、生徒たちに順番に名前を聞いていくとバインダーにはさんだプリントにチェックをいれていった。
レアも同様に自分のあとを付いてきた生徒たちにそれぞれ質問をしていく。

「あなたは、こっち」

美鈴が光の服の裾を引っ張った。

「?」

光は集団から離されて、美鈴についていく。
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