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第二章 始まる学校生活
第二十四話
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「んじゃそろそろ行きますか」
一言つぶやいて李が軽く助走をつけて思いっきりジャンプをした。
校庭から四階建ての校舎の屋上に降り立つと振り向いて声を上げる。
「学園長!合図をお願いします」
「あいよー」
クラウドは手元に火の玉を作ると空へと打ち上げた。
ドーーーーン!
辺りに盛大な音が鳴り響く。
「!」
おのおのが大地を蹴って屋上へ向かう。とはいっても合図とともに飛び上がったのは五名だ。
一人は光、一人はラザロ。残り三人のうち二名が獣化人で一人は両手剣を剝き身で携えた魔装士だ。
飛び上がって、屋上の上空まで来ると光は目を見開いた。
待ち伏せだ。
光達に向かって屋上で待ち構えていた上級生から一斉に砲撃が飛んできた。
火の玉や空気の塊。氷やら鋼鉄の砲弾までいる。
光には火の玉が無数に飛んできた。
「・・・・」
空中で姿勢を正すと、体捌きだけで回避をしつつどうしてもかわしきれない物だけ選んで拳を使って回避した。拳に魔力を集中させて弾いたのだ。
ラザロと獣化人の一人が光と同様に回避を行っている。
「くあっ!」
後ろから声が聞こえた。誰かが直撃を受けたのだろうか。
光は屋上に落下しながら周りに視線を向けた。・・・狙われている。
当然か、そう思いながら光は屋上に降りると同時に姿勢をギリギリまで低くした。自分の髪の毛すれすれのところを何かが通り過ぎていった、おそらく光を狙った遠距離攻撃だろう。
光は黒い髪をなびかせながら、上級生たちの攻撃をかわしつつ立ち上がった。
「・・・・」
手を払うようにして自分の顔の前に出す。先端が丸い布で作られた矢が光の手に握られていた。
それを投げ捨てると、攻撃を飛ばしてきた上級生たちに向かって光は走り出した。
「早い!?」
どこからともなく声が聞こえてくる。絶対的優位に立っていたはずの迎撃行動が有効打にならず上級生たちの列も乱れ始めている。
飛び上がった五人のうち、迎撃されたのは一人だけだったようだ。
光は一人一人の間を縫うように走って、遠距離攻撃から身を守った。流石に同じガード側の人間を吹き飛ばしてまで攻撃してくる人間はいないようだ。
初撃と着地後はかなりの攻撃が来たが、それさえ凌いでしまえば追撃は来ないようである。光ではなく、着地を成功させつつもまごついていた残りの三人に攻撃が集中されている。
一言つぶやいて李が軽く助走をつけて思いっきりジャンプをした。
校庭から四階建ての校舎の屋上に降り立つと振り向いて声を上げる。
「学園長!合図をお願いします」
「あいよー」
クラウドは手元に火の玉を作ると空へと打ち上げた。
ドーーーーン!
辺りに盛大な音が鳴り響く。
「!」
おのおのが大地を蹴って屋上へ向かう。とはいっても合図とともに飛び上がったのは五名だ。
一人は光、一人はラザロ。残り三人のうち二名が獣化人で一人は両手剣を剝き身で携えた魔装士だ。
飛び上がって、屋上の上空まで来ると光は目を見開いた。
待ち伏せだ。
光達に向かって屋上で待ち構えていた上級生から一斉に砲撃が飛んできた。
火の玉や空気の塊。氷やら鋼鉄の砲弾までいる。
光には火の玉が無数に飛んできた。
「・・・・」
空中で姿勢を正すと、体捌きだけで回避をしつつどうしてもかわしきれない物だけ選んで拳を使って回避した。拳に魔力を集中させて弾いたのだ。
ラザロと獣化人の一人が光と同様に回避を行っている。
「くあっ!」
後ろから声が聞こえた。誰かが直撃を受けたのだろうか。
光は屋上に落下しながら周りに視線を向けた。・・・狙われている。
当然か、そう思いながら光は屋上に降りると同時に姿勢をギリギリまで低くした。自分の髪の毛すれすれのところを何かが通り過ぎていった、おそらく光を狙った遠距離攻撃だろう。
光は黒い髪をなびかせながら、上級生たちの攻撃をかわしつつ立ち上がった。
「・・・・」
手を払うようにして自分の顔の前に出す。先端が丸い布で作られた矢が光の手に握られていた。
それを投げ捨てると、攻撃を飛ばしてきた上級生たちに向かって光は走り出した。
「早い!?」
どこからともなく声が聞こえてくる。絶対的優位に立っていたはずの迎撃行動が有効打にならず上級生たちの列も乱れ始めている。
飛び上がった五人のうち、迎撃されたのは一人だけだったようだ。
光は一人一人の間を縫うように走って、遠距離攻撃から身を守った。流石に同じガード側の人間を吹き飛ばしてまで攻撃してくる人間はいないようだ。
初撃と着地後はかなりの攻撃が来たが、それさえ凌いでしまえば追撃は来ないようである。光ではなく、着地を成功させつつもまごついていた残りの三人に攻撃が集中されている。
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