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わくわくのダンジョン研修
第40話 わくわくのダンジョン研修 14
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どこからか射出された様に思えます。まるで弾丸の如く飛んできたソレはその2本の足で大地とリポップしていたゾンビを削りながら見事に着地を決めます。
先ほど勝利を収めたゼオン君です。
「ロボだな」
「ロボね」
「ロボや…廃墟にゾンビとロボとか、どんなシチュやねん」
ゆっくりと地面へと降り立つと、そのモノアイをこちらに向けてきます。
「三人はリポップしてくるゾンビの相手を。私はアレの相手をします」
たけのこスティックに魔力を込めると、再び電撃を作り上げます。
「雷撃砲!」
私の放った雷撃はゼオン君を吹き飛ばさん駆け抜けます。
『ピピピピピ』
しかし私の雷撃はゼオン君の体に当たる直前で逸れました。そのまま霧散します。
今度は盾で防ぐそぶりすら見せませんでした。
「なるほど、この短い時間で対策を施してきましたか」
『ピピピ♪』
心なしか嬉しそうな電子音がこちらに発せられます。
『ピピピ! ピピ!』
更に脚部に追加されているミサイルポッドを此方に向けて射出してきます!
「隆脈の絶壁!」
私は大地の魔法を用いて地面から岩の壁をせりたててその攻撃を防ぎます。大地に干渉する防御魔法です。
爆炎があがり私の岩壁が振動しました、ですが突破はできないようですね。
「今のうちに」
私はホバーボードを取り出して、作り上げた岩の壁を走り上空へと進路を向けます。
私は上空へと踊りだし、眼下に見えるゼオン君へ攻撃魔法を放ちます。
「炎貫槍!」
私は炎の魔法を槍に見立ててゼオン君へと打ち出します!
それに対して、ゼオン君は腕にくくりつけてあるシールドで私の魔法を防ぎます。あの盾、前回も私の魔法を防いでましたね。なかなかの魔法防御力です。
『ピピピピピ』
ゼオン君の胸部が開くと、そこには円形に並んだ大きな銃口がこちらを向いています! ガトリングガンです!
『――ガガガガガガガガガガ』
「ウィング展開!」
私は足首を回してホバーボードのウィングを開き、空中で方向転換を行います。更に速度を上げて大量の弾丸を回避して見せます!
「ちっ!」
攻撃は当たりませんでしたが、見たくない現実が見えました。
私のパーティの3人がゾンビ達に囲まれ始めています!
いけません! 一人になったらまた仲間の募集しなおしです!
「ドーーーーーーン!!」
その仲間達の周りのゾンビが文字通り吹き飛ばされました!
「危なそうだったから助太刀です!」
「MAPの入り口でいきなりユニークボスか、厄介だな」
2人組です。20層から新しく出てきたようです。
「おお! 空飛んでるです! うらやましいです!」
「ボスの相手を一人でしてるのか? 手を貸すか!?」
「それでは、仲間達をお願い出来ますか? 私はアレを片付けます!」
黒いショートヘア、どこかの学校の制服に白い胸当てをつけただけの背の低い(それでも私より10センチくらい高いですが)女の子。大きな瞳に人懐っこそうに微笑みながらこちらに手を振っています。その手に無駄にでかくて黒いハンマーを持ってなければかわいらしいのですが。
学ラン姿の男の子は右手に妙にメカメカしい拳銃を握っています。金髪が光に反射している格好いい男の子に私の仲間の女の子達の視線は釘付けです。
「任せるです! ドーン!」
いいながらその巨大なハンマーが更に巨大化し柄も長くなってゾンビ達をまとめて叩き潰しています!
「了解だ! 伏せてな!」
男の方は拳銃の引き金を引き絞りゾンビ達の頭を的確に打ち抜いていきます。
「ありがとうございます!」
「さんきゅーやにいちゃん!」
「助かりますわ」
「すまない」
あちらは大丈夫そうですね。
「さあ、仕切りなおしですね」
『ピピピ、ガガガ』
ゼオン君は再び胸部のマシンガンをこちらに向けます。
「それはもう、通じませんよ!」
私はゼオン君にまっすぐ突っ込んでいきます!
―――ガガガガガ
「風牙の絶壁!」
風の障壁魔法で弾丸を私の体から逸らせます。
「炎貫槍!」
先ほど盾で防がれた魔法を再度撃ちだします!
『ピピピ』
シールドでそれを防ぎます!
「炎貫長槍!!」
そのシールドの上から更に火力を挙げた炎の槍を叩き込みます!
『ピピ…ピピピピピ』
だんだんと、火力に負けてシールドが溶けはじめます!
「防ぐということは…火力が効くという証明なのですよ!」
私は更に火力を上げてシールドを消滅させます!
衝撃でゼオン君が横倒しになります。
おや? 30センチほどの穴が背中に開いてますね!
「弱点っぽいですね!」
ボードから足を離してゼオン君の背中に飛び降ります。
私はその穴にたけのこスティックの先端を突っ込むと、電撃の魔法を発動させます。
「雷撃砲!」
―――バチバチバチバチバチ!
ゼオン君の体内で私の電撃魔法が炸裂します!
少しだけ動いていますが、だんだんとその体は半透明へとなっていく…消えました。
「ふう。勝ちましたね」
ふと見ると、ドロップ品が目につきました。
「そこそこの大きさですが、魔力は込められていない魔石と…エレキガード?」
洗剤コーナーで売られている紫色のパッケージのスプレーを入手しました。
「キキ! ゼオン様の絶縁処理に使ったキキ!」
あ、戦闘員A。
「戦闘員総がかりで全身くまなくスプレーしたキキ! それでは失礼するキキ!」
それをいう為だけに出てきましたか。
何はともあれ、ユニークボスのゼオン君撃破です!
先ほど勝利を収めたゼオン君です。
「ロボだな」
「ロボね」
「ロボや…廃墟にゾンビとロボとか、どんなシチュやねん」
ゆっくりと地面へと降り立つと、そのモノアイをこちらに向けてきます。
「三人はリポップしてくるゾンビの相手を。私はアレの相手をします」
たけのこスティックに魔力を込めると、再び電撃を作り上げます。
「雷撃砲!」
私の放った雷撃はゼオン君を吹き飛ばさん駆け抜けます。
『ピピピピピ』
しかし私の雷撃はゼオン君の体に当たる直前で逸れました。そのまま霧散します。
今度は盾で防ぐそぶりすら見せませんでした。
「なるほど、この短い時間で対策を施してきましたか」
『ピピピ♪』
心なしか嬉しそうな電子音がこちらに発せられます。
『ピピピ! ピピ!』
更に脚部に追加されているミサイルポッドを此方に向けて射出してきます!
「隆脈の絶壁!」
私は大地の魔法を用いて地面から岩の壁をせりたててその攻撃を防ぎます。大地に干渉する防御魔法です。
爆炎があがり私の岩壁が振動しました、ですが突破はできないようですね。
「今のうちに」
私はホバーボードを取り出して、作り上げた岩の壁を走り上空へと進路を向けます。
私は上空へと踊りだし、眼下に見えるゼオン君へ攻撃魔法を放ちます。
「炎貫槍!」
私は炎の魔法を槍に見立ててゼオン君へと打ち出します!
それに対して、ゼオン君は腕にくくりつけてあるシールドで私の魔法を防ぎます。あの盾、前回も私の魔法を防いでましたね。なかなかの魔法防御力です。
『ピピピピピ』
ゼオン君の胸部が開くと、そこには円形に並んだ大きな銃口がこちらを向いています! ガトリングガンです!
『――ガガガガガガガガガガ』
「ウィング展開!」
私は足首を回してホバーボードのウィングを開き、空中で方向転換を行います。更に速度を上げて大量の弾丸を回避して見せます!
「ちっ!」
攻撃は当たりませんでしたが、見たくない現実が見えました。
私のパーティの3人がゾンビ達に囲まれ始めています!
いけません! 一人になったらまた仲間の募集しなおしです!
「ドーーーーーーン!!」
その仲間達の周りのゾンビが文字通り吹き飛ばされました!
「危なそうだったから助太刀です!」
「MAPの入り口でいきなりユニークボスか、厄介だな」
2人組です。20層から新しく出てきたようです。
「おお! 空飛んでるです! うらやましいです!」
「ボスの相手を一人でしてるのか? 手を貸すか!?」
「それでは、仲間達をお願い出来ますか? 私はアレを片付けます!」
黒いショートヘア、どこかの学校の制服に白い胸当てをつけただけの背の低い(それでも私より10センチくらい高いですが)女の子。大きな瞳に人懐っこそうに微笑みながらこちらに手を振っています。その手に無駄にでかくて黒いハンマーを持ってなければかわいらしいのですが。
学ラン姿の男の子は右手に妙にメカメカしい拳銃を握っています。金髪が光に反射している格好いい男の子に私の仲間の女の子達の視線は釘付けです。
「任せるです! ドーン!」
いいながらその巨大なハンマーが更に巨大化し柄も長くなってゾンビ達をまとめて叩き潰しています!
「了解だ! 伏せてな!」
男の方は拳銃の引き金を引き絞りゾンビ達の頭を的確に打ち抜いていきます。
「ありがとうございます!」
「さんきゅーやにいちゃん!」
「助かりますわ」
「すまない」
あちらは大丈夫そうですね。
「さあ、仕切りなおしですね」
『ピピピ、ガガガ』
ゼオン君は再び胸部のマシンガンをこちらに向けます。
「それはもう、通じませんよ!」
私はゼオン君にまっすぐ突っ込んでいきます!
―――ガガガガガ
「風牙の絶壁!」
風の障壁魔法で弾丸を私の体から逸らせます。
「炎貫槍!」
先ほど盾で防がれた魔法を再度撃ちだします!
『ピピピ』
シールドでそれを防ぎます!
「炎貫長槍!!」
そのシールドの上から更に火力を挙げた炎の槍を叩き込みます!
『ピピ…ピピピピピ』
だんだんと、火力に負けてシールドが溶けはじめます!
「防ぐということは…火力が効くという証明なのですよ!」
私は更に火力を上げてシールドを消滅させます!
衝撃でゼオン君が横倒しになります。
おや? 30センチほどの穴が背中に開いてますね!
「弱点っぽいですね!」
ボードから足を離してゼオン君の背中に飛び降ります。
私はその穴にたけのこスティックの先端を突っ込むと、電撃の魔法を発動させます。
「雷撃砲!」
―――バチバチバチバチバチ!
ゼオン君の体内で私の電撃魔法が炸裂します!
少しだけ動いていますが、だんだんとその体は半透明へとなっていく…消えました。
「ふう。勝ちましたね」
ふと見ると、ドロップ品が目につきました。
「そこそこの大きさですが、魔力は込められていない魔石と…エレキガード?」
洗剤コーナーで売られている紫色のパッケージのスプレーを入手しました。
「キキ! ゼオン様の絶縁処理に使ったキキ!」
あ、戦闘員A。
「戦闘員総がかりで全身くまなくスプレーしたキキ! それでは失礼するキキ!」
それをいう為だけに出てきましたか。
何はともあれ、ユニークボスのゼオン君撃破です!
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