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わくわくのダンジョン研修
第29話 わくわくのダンジョン研修 3
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たーたったったー♪ たーたたー♪ たーたたったー♪ たーたたーたーた♪
「新米冒険者の諸君、シャトーダンジョンへようこそ。私が案内役のシンディアナ=ジョーンズだ。シンディ博士とも呼ばれている、短い時間だがよろしく頼むな!」
昔の冒険活劇映画のBGMと共に、茶色いカウボーイハットを被ったおじさんが画面に登場してきました。
セナさんの案内の下、先ほど話のあったオリエンテーション映像が始まったところです。
「ダンジョンというのは、風変わりな場所だ。初めて入る紳士淑女の皆さんに、基本的な事を説明させてもらう為に、私が登場したわけだ。まあ固苦るしい挨拶は省略して、早速本題に入ろう」
画面が射し変わり、早速ダンジョン内部の映像に切り替わります。
「まず、ダンジョンという所だが…みんなはどんな想像をするかな? 洞窟? 古代遺跡? それとも海底神殿か? 実はどれも正解で、どれも不正解だ! ダンジョンっていうのは何でもあり! ここ、シャトーダンジョンの場合は、最初に入ったところの1階層から10階層までは普通の洞窟だ。だけど、11階層からは外の風景は様変わりする。まあそれに関しては自身の目で確認をしてくれ。じゃあここの先に進んでみよう」
シンディ博士が洞窟の内部を歩き始めます。ここのダンジョンは洞窟型なのにしっかりと照明が配置されていていいですね。
「おっと、早速見つけたぞ? この横道を覗いて見よう…ビンゴだ! 宝箱があったぞ」
そこには化粧ケースのような、一抱えもありそうな宝箱が台座の上に乗っています。
「だが、いきなり飛びつくのは素人だ。宝箱には罠が付き物、慎重に調べるぞ?」
シンディ博士は姿勢を低くして、ゆっくりと台座に近づくと…地面の落とし穴が口を開き落下してしまいました。
「オーマイガー!!」
たーたったったー♪ たーたたー♪ たーたたったー♪ たーたたーたーた♪
「酷い目にあった…このように宝箱には罠が付いている事が多い! 見つけたら慎重に対処するんだ。先ほどの落とし穴の下に竹やりやら硫酸やらがあったら人生ともおさらばかだからな! それじゃあ気を取り直して先に進んでみよう」
そういってシンディ博士は通路をずんずん進んでいきます。
「おっと、見てくれ。ここは分かれ道だ。右は下へ向かう坂道、逆に左側は少し上りだ…私は今、下層を目指して進んでいるが、どっちにいくのが正解だろうな?」
左右の道を前に腕を組んで頭を捻っています。
「普通なら下へ向かう道を選ぶところだが、それは甘い考えだ。急がば周れ、簡単に見える道こそ困難が待っている、ダンジョンはそういう場所だ! 私は上に向かう道を選択するぞ」
自信満々にのぼりの道を選ぶ、ずんずんと進んでいきます。
「おっと、やはり正解だったようだ。あそこを見てくれ、紐が低い位置に張り巡らされている。罠だ…つまり、この先には行かせたくない、という事なんだ」
シンディ博士は足元のロープを注意深く観察しています。
『カチ』
「おや? 何かを踏んでしまったようだな」
『ガゴン………ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
何か地響きのような音が徐々に大きくなっていきます。シンディ博士の視線の先、カーブとなった先から巨大で丸い岩石が転がり落ちて来ました!
「オーマイガー!!」
シンディ博士が帽子を押えながら坂道を全力で下っていきます!
先ほどの曲がり角までたどり着き、今度は右側の通路に走りこんで逃げ込みました。
「ぜえ、ぜえ………危ない目にあったな。カメラマン君、無事かい?」
画面が上下します。
「それはよかった、こういった罠があるから宝箱等がないただの通路でも油断してはいけない。教訓になったね」
額に浮き出た汗を袖で拭きながら、画面に向かい何度も頷く博士。
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……』
先ほどの地響きの音が再び聞こえて着ました。
「おい、まさか? まさか? 冗談だろ!? オー! マイ! ガーーーーーッ!!」
画面の中に先ほどと同じと思われる岩石が映りこみました………画面が真っ暗になりました。
「新米冒険者の諸君、シャトーダンジョンへようこそ。私が案内役のシンディアナ=ジョーンズだ。シンディ博士とも呼ばれている、短い時間だがよろしく頼むな!」
昔の冒険活劇映画のBGMと共に、茶色いカウボーイハットを被ったおじさんが画面に登場してきました。
セナさんの案内の下、先ほど話のあったオリエンテーション映像が始まったところです。
「ダンジョンというのは、風変わりな場所だ。初めて入る紳士淑女の皆さんに、基本的な事を説明させてもらう為に、私が登場したわけだ。まあ固苦るしい挨拶は省略して、早速本題に入ろう」
画面が射し変わり、早速ダンジョン内部の映像に切り替わります。
「まず、ダンジョンという所だが…みんなはどんな想像をするかな? 洞窟? 古代遺跡? それとも海底神殿か? 実はどれも正解で、どれも不正解だ! ダンジョンっていうのは何でもあり! ここ、シャトーダンジョンの場合は、最初に入ったところの1階層から10階層までは普通の洞窟だ。だけど、11階層からは外の風景は様変わりする。まあそれに関しては自身の目で確認をしてくれ。じゃあここの先に進んでみよう」
シンディ博士が洞窟の内部を歩き始めます。ここのダンジョンは洞窟型なのにしっかりと照明が配置されていていいですね。
「おっと、早速見つけたぞ? この横道を覗いて見よう…ビンゴだ! 宝箱があったぞ」
そこには化粧ケースのような、一抱えもありそうな宝箱が台座の上に乗っています。
「だが、いきなり飛びつくのは素人だ。宝箱には罠が付き物、慎重に調べるぞ?」
シンディ博士は姿勢を低くして、ゆっくりと台座に近づくと…地面の落とし穴が口を開き落下してしまいました。
「オーマイガー!!」
たーたったったー♪ たーたたー♪ たーたたったー♪ たーたたーたーた♪
「酷い目にあった…このように宝箱には罠が付いている事が多い! 見つけたら慎重に対処するんだ。先ほどの落とし穴の下に竹やりやら硫酸やらがあったら人生ともおさらばかだからな! それじゃあ気を取り直して先に進んでみよう」
そういってシンディ博士は通路をずんずん進んでいきます。
「おっと、見てくれ。ここは分かれ道だ。右は下へ向かう坂道、逆に左側は少し上りだ…私は今、下層を目指して進んでいるが、どっちにいくのが正解だろうな?」
左右の道を前に腕を組んで頭を捻っています。
「普通なら下へ向かう道を選ぶところだが、それは甘い考えだ。急がば周れ、簡単に見える道こそ困難が待っている、ダンジョンはそういう場所だ! 私は上に向かう道を選択するぞ」
自信満々にのぼりの道を選ぶ、ずんずんと進んでいきます。
「おっと、やはり正解だったようだ。あそこを見てくれ、紐が低い位置に張り巡らされている。罠だ…つまり、この先には行かせたくない、という事なんだ」
シンディ博士は足元のロープを注意深く観察しています。
『カチ』
「おや? 何かを踏んでしまったようだな」
『ガゴン………ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
何か地響きのような音が徐々に大きくなっていきます。シンディ博士の視線の先、カーブとなった先から巨大で丸い岩石が転がり落ちて来ました!
「オーマイガー!!」
シンディ博士が帽子を押えながら坂道を全力で下っていきます!
先ほどの曲がり角までたどり着き、今度は右側の通路に走りこんで逃げ込みました。
「ぜえ、ぜえ………危ない目にあったな。カメラマン君、無事かい?」
画面が上下します。
「それはよかった、こういった罠があるから宝箱等がないただの通路でも油断してはいけない。教訓になったね」
額に浮き出た汗を袖で拭きながら、画面に向かい何度も頷く博士。
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……』
先ほどの地響きの音が再び聞こえて着ました。
「おい、まさか? まさか? 冗談だろ!? オー! マイ! ガーーーーーッ!!」
画面の中に先ほどと同じと思われる岩石が映りこみました………画面が真っ暗になりました。
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