3 / 84
私立 悪役学園へようこそ!
第2話 私立 悪役学園へようこそ! 2
しおりを挟む
私の名前は佐々木優(ささきゆう)。この度、無事に私立悪役学園に入学を果たした悪役の幹部候補生です。男性です。
突然で申し訳ありませんが、私は自分の容姿が嫌いです。大嫌いです。
薄い桃色の髪の毛に大きくて丸く、青色の瞳。思いっきり母親似の顔をしています。
いっそ丸坊主にでもしてやろうとして母に殺されかけました。それ以降私の髪型は母によって決められてしまっている為、今は一般的な男性よりも長いです。でも母には逆らえません。
まだ命は惜しいですから。
同学年と比較して圧倒的に低い身長も大嫌いです。
目標でもある2メートルの身長まであと60センチ近く足りません…控え目に言いました、70センチ近く足りりてません。
圧倒的に足りていないのです。
毎日牛乳を飲んでいます。生まれてこの方18年、ムキムキの筋肉を手に入れると心に決めた幼稚園児の頃から毎日欠かさず1リットル飲んでいます。ご飯も人一倍食べているつもりですが、伸びません。
この華奢な体付きも嫌いです。筋トレは欠かしていませんが、鍛えれば鍛える程シャープになるこの肉体。
筋肉はちゃんとつくものの、その筋肉は一定の量を超えると膨れ上がらないのです。というか見た目で言えば細身の女の子のソレと変わりません。嫌いです。
こんな容姿のせいで、男らしい服が似合わないのも嫌です。
本当に嫌です。
私は男の服装といえばタンクトップだと思っています。ですが私がハーフパンツにタンクトップ姿で外を出歩いていたら、クソ変態どもに群がられて最終的には警察が出て来ました。
男の子でも構わないとか言われた時の私の表情を是非みんなにも見せてやりたいモノですね。
こんな事件が何度も続いたせいで、母がキレました。
おかげで私の服は現在母が用意しているものばかり。タンクトップは捨てられてしまいました。
流石にスカートを用意された時には喧嘩になりました。母にボコボコに殴られて無理矢理着させられて写真を撮られましたが、外に行くときには着ないと泣いて訴えたら許して貰えました。
声も嫌いです。男の声と言えば野太く、力強いものがいいに決まっていますよね。なのに未だに声変りが来ません。
喉仏が出てこないんです。
これに関しては今後の成長に期待ですね。きっと成長して声変りがくれば今のハスキーボイスからおさらばして立派なダミ声が手に入るでしょう。声変りは誰にでもありますから。
同年代の友達たちは身長が150センチを超えた辺りからそうなって来たと言っていました。
5年位前の話ですが、私にもそろそろその時期が来るはずでしょう。
間違いありません。
幼少の頃に、ムキムキなHEROにあこがれて筋トレや食事改善を行い続け懸命に努力していたがとあるHEROにその努力を否定されました。
そんな失意のどん底に落ちた私に、父が救いの手を差し伸べてくれたのです。
『悪役キャラの方がムキムキなヤツが多くないか?』
目から鱗が落ちました。
ぽろんと。
確かに、現在のHERO達は容姿端麗でスリムな体系のHEROが多いです。
筋肉ムキムキのHEROの主役級は多くない。アメコミ系のHEROとかプロレス畑のHEROなどが少々いる程度。
それに対して悪役達はどうでしょう?
確かにスリムな悪役も多いが、筋力にモノを言わせたキャラの方が圧倒的に多いのではないでしょうか?
HEROのサポーター達にはそういったムキムキマッチョマンもいますが、悪役の方が圧倒的に多いではないですか!
この父の言葉に私は確信しました。
悪役になれば、ムキムキの筋肉が手に入るに違いない。
否、悪役になれれば筋肉は手に入るも同然!
だが量産型戦闘員にムキムキは少ないです。
一部の悪役レスラー軍にしかいないくらいですね。
ならば戦闘怪人や、ボス級幹部になるしかないでしょう!
ムキムキの筋肉を。『本当の』筋肉を手に入れる為、私は悪役学園への入学を決意しました。
母の務めている学校からも推薦状が来ましたが、丁重に辞退しました。
母と(物理的に)揉めて三度ほど入退院を繰り返して、ようやく母は折れてくれました。
私の骨も折れましたが。
その日以降、父の姿を見ていないですがきっと無事でしょう。
晴れて私は悪役学園に入学することが出来たのです。
「はあ……」
こんな思考をしているとため息が出て来ます。
入学式も終わり、悪役学園で割り振られたクラスで座っていた私がため息をつくと、遠巻きに座っている統一された黒い全身タイツコスチュームを着た戦闘員達が幸せそうなオーラを出していた。
何か良い事があったのだろうか?
突然で申し訳ありませんが、私は自分の容姿が嫌いです。大嫌いです。
薄い桃色の髪の毛に大きくて丸く、青色の瞳。思いっきり母親似の顔をしています。
いっそ丸坊主にでもしてやろうとして母に殺されかけました。それ以降私の髪型は母によって決められてしまっている為、今は一般的な男性よりも長いです。でも母には逆らえません。
まだ命は惜しいですから。
同学年と比較して圧倒的に低い身長も大嫌いです。
目標でもある2メートルの身長まであと60センチ近く足りません…控え目に言いました、70センチ近く足りりてません。
圧倒的に足りていないのです。
毎日牛乳を飲んでいます。生まれてこの方18年、ムキムキの筋肉を手に入れると心に決めた幼稚園児の頃から毎日欠かさず1リットル飲んでいます。ご飯も人一倍食べているつもりですが、伸びません。
この華奢な体付きも嫌いです。筋トレは欠かしていませんが、鍛えれば鍛える程シャープになるこの肉体。
筋肉はちゃんとつくものの、その筋肉は一定の量を超えると膨れ上がらないのです。というか見た目で言えば細身の女の子のソレと変わりません。嫌いです。
こんな容姿のせいで、男らしい服が似合わないのも嫌です。
本当に嫌です。
私は男の服装といえばタンクトップだと思っています。ですが私がハーフパンツにタンクトップ姿で外を出歩いていたら、クソ変態どもに群がられて最終的には警察が出て来ました。
男の子でも構わないとか言われた時の私の表情を是非みんなにも見せてやりたいモノですね。
こんな事件が何度も続いたせいで、母がキレました。
おかげで私の服は現在母が用意しているものばかり。タンクトップは捨てられてしまいました。
流石にスカートを用意された時には喧嘩になりました。母にボコボコに殴られて無理矢理着させられて写真を撮られましたが、外に行くときには着ないと泣いて訴えたら許して貰えました。
声も嫌いです。男の声と言えば野太く、力強いものがいいに決まっていますよね。なのに未だに声変りが来ません。
喉仏が出てこないんです。
これに関しては今後の成長に期待ですね。きっと成長して声変りがくれば今のハスキーボイスからおさらばして立派なダミ声が手に入るでしょう。声変りは誰にでもありますから。
同年代の友達たちは身長が150センチを超えた辺りからそうなって来たと言っていました。
5年位前の話ですが、私にもそろそろその時期が来るはずでしょう。
間違いありません。
幼少の頃に、ムキムキなHEROにあこがれて筋トレや食事改善を行い続け懸命に努力していたがとあるHEROにその努力を否定されました。
そんな失意のどん底に落ちた私に、父が救いの手を差し伸べてくれたのです。
『悪役キャラの方がムキムキなヤツが多くないか?』
目から鱗が落ちました。
ぽろんと。
確かに、現在のHERO達は容姿端麗でスリムな体系のHEROが多いです。
筋肉ムキムキのHEROの主役級は多くない。アメコミ系のHEROとかプロレス畑のHEROなどが少々いる程度。
それに対して悪役達はどうでしょう?
確かにスリムな悪役も多いが、筋力にモノを言わせたキャラの方が圧倒的に多いのではないでしょうか?
HEROのサポーター達にはそういったムキムキマッチョマンもいますが、悪役の方が圧倒的に多いではないですか!
この父の言葉に私は確信しました。
悪役になれば、ムキムキの筋肉が手に入るに違いない。
否、悪役になれれば筋肉は手に入るも同然!
だが量産型戦闘員にムキムキは少ないです。
一部の悪役レスラー軍にしかいないくらいですね。
ならば戦闘怪人や、ボス級幹部になるしかないでしょう!
ムキムキの筋肉を。『本当の』筋肉を手に入れる為、私は悪役学園への入学を決意しました。
母の務めている学校からも推薦状が来ましたが、丁重に辞退しました。
母と(物理的に)揉めて三度ほど入退院を繰り返して、ようやく母は折れてくれました。
私の骨も折れましたが。
その日以降、父の姿を見ていないですがきっと無事でしょう。
晴れて私は悪役学園に入学することが出来たのです。
「はあ……」
こんな思考をしているとため息が出て来ます。
入学式も終わり、悪役学園で割り振られたクラスで座っていた私がため息をつくと、遠巻きに座っている統一された黒い全身タイツコスチュームを着た戦闘員達が幸せそうなオーラを出していた。
何か良い事があったのだろうか?
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
勇者パーティのサポートをする代わりに姉の様なアラサーの粗雑な女闘士を貰いました。
石のやっさん
ファンタジー
年上の女性が好きな俺には勇者パーティの中に好みのタイプの女性は居ません
俺の名前はリヒト、ジムナ村に生まれ、15歳になった時にスキルを貰う儀式で上級剣士のジョブを貰った。
本来なら素晴らしいジョブなのだが、今年はジョブが豊作だったらしく、幼馴染はもっと凄いジョブばかりだった。
幼馴染のカイトは勇者、マリアは聖女、リタは剣聖、そしてリアは賢者だった。
そんな訳で充分に上位職の上級剣士だが、四職が出た事で影が薄れた。
彼等は色々と問題があるので、俺にサポーターとしてついて行って欲しいと頼まれたのだが…ハーレムパーティに俺は要らないし面倒くさいから断ったのだが…しつこく頼むので、条件を飲んでくれればと条件をつけた。
それは『27歳の女闘志レイラを借金の権利ごと無償で貰う事』
今度もまた年上ヒロインです。
セルフレイティングは、話しの中でそう言った描写を書いたら追加します。
カクヨムにも投稿中です
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる