上 下
69 / 84
新たなる伝説の戦士!? 正体不明の三人目!

第68話 新たなる伝説の戦士!? 正体不明の三人目! 11

しおりを挟む
『ザルナクリスタルなるものを砕こうとしている、と』
「はい。ですがそのクリスタルの詳細まではまだわかりません」
『ふーむ、厄介ですね』

 転校初日を終えて、ホテルに戻ると早速鬼蜘蛛先生に報告です。
 今後はメール報告になりますが、今日は初日ということで通信をしています。
 モニター越しに鬼蜘蛛先生が3本の右手で顎と頭を掻いて頬を撫でます。
 顔が手で埋まっていますね。

『目的はわかりましたが、その報告だけでは任務完了とはいきませんね』
「そうですよね」

 まだ初日ですし。

『時に、ゼオンくんはどうです? 役に立ちますでしょう?』
「え、あ? えーっと…」

 私の後ろで私の洗濯物に狼藉をはかろうとしているメイドの事ですね。

「痛いです! 愛が痛いですお嬢様!」
「今は報告中です! 貴女も同一任務についているんですから一緒に聞きなさい!」

 ツインテールの一つを引っ張って鬼蜘蛛先生の映る画面の前に引っ張り出します。

『はっはっはっ、仲が良さそうでなによりです。彼女は我が悪役学園の全頭脳を集約して作られたような者ですからね、きっとお役に立つでしょう』
「今のところ役に立ったのは…」

 なんだか阿呆な事しか言ってないしやってない気がしますが。

「魔遮陣の干渉を和らげるのは素晴らしいです」

 あの時だけは役に立ちました。

「鬼蜘蛛先生! 私は今朝お嬢様の髪の毛のセットをさせて頂きましたよ! いいにおいがしました! 
 お嬢様と共にお食事を取りました! 10倍おいしく感じました!
 お嬢様をお車に乗せました! お嬢様のお座りになられた座席に後ほど座った時には鳥肌が止まりませんでした!
 お嬢様と…」
「もういいです! と、言いますか最後のなんですか!?」

 同じ座席って!?

「失礼、少々興奮してしまいました」
「鼻血を拭きなさい」
『いい感じに個性的な仕上がりですね。鼻血キャラは一人で十分だと思うのですが』
「大墳血との棲み分けということでお許し下さい」

 智君も大概ですからね。

『本日、ゼオンくん。いえ、つかさくんの専用武装をそちらに送りましたのでご利用下さい。その内ルームサービスで届くはずです』
「ありがとうございます」
「ちゃんと役に立つ装備ですよね」
『ええ、高火力の実弾武装と小型のビーム兵器などです。佐々木くん、しっかりと運用を考えてくださいね』

 それなら安心です。
 ですが、つかさに渡しておくのは不安ですから私の空間庫に収納しておくことにしましょう。

『何か進展があったら通信をお願いします。それ以外はメールで結構ですので』
「わかりました」

 本日の報告はこれにて終了です。

 さて、後はお風呂に入って寝るだけなのですが…この横目でちらちらと視線を送ってくるメカメイドをどう黙らせおけばいいでしょうか。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

おっさんの異世界建国記

なつめ猫
ファンタジー
中年冒険者エイジは、10年間異世界で暮らしていたが、仲間に裏切られ怪我をしてしまい膝の故障により、パーティを追放されてしまう。さらに冒険者ギルドから任された辺境開拓も依頼内容とは違っていたのであった。現地で、何気なく保護した獣人の美少女と幼女から頼られたエイジは、村を作り発展させていく。

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

引きこもり転生エルフ、仕方なく旅に出る

Greis
ファンタジー
旧題:引きこもり転生エルフ、強制的に旅に出される ・2021/10/29 第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞 こちらの賞をアルファポリス様から頂く事が出来ました。 実家暮らし、25歳のぽっちゃり会社員の俺は、日ごろの不摂生がたたり、読書中に死亡。転生先は、剣と魔法の世界の一種族、エルフだ。一分一秒も無駄にできない前世に比べると、だいぶのんびりしている今世の生活の方が、自分に合っていた。次第に、兄や姉、友人などが、見分のために外に出ていくのを見送る俺を、心配しだす両親や師匠たち。そしてついに、(強制的に)旅に出ることになりました。 ※のんびり進むので、戦闘に関しては、話数が進んでからになりますので、ご注意ください。

貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。

譚音アルン
ファンタジー
ブラック企業に勤めてたのがいつの間にか死んでたっぽい。気がつくと異世界の伯爵令嬢(第五子で三女)に転生していた。前世働き過ぎだったから今世はニートになろう、そう決めた私ことマリアージュ・キャンディの奮闘記。 ※この小説はフィクションです。実在の国や人物、団体などとは関係ありません。 ※2020-01-16より執筆開始。

強奪系触手おじさん

兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。

虐げられた人生に疲れたので本物の悪女に私はなります

結城芙由奈 
恋愛
伯爵家である私の家には両親を亡くして一緒に暮らす同い年の従妹のカサンドラがいる。当主である父はカサンドラばかりを溺愛し、何故か実の娘である私を虐げる。その為に母も、使用人も、屋敷に出入りする人達までもが皆私を馬鹿にし、時には罠を這って陥れ、その度に私は叱責される。どんなに自分の仕業では無いと訴えても、謝罪しても許されないなら、いっそ本当の悪女になることにした。その矢先に私の婚約者候補を名乗る人物が現れて、話は思わぬ方向へ・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

回復力が低いからと追放された回復術師、規格外の回復能力を持っていた。

名無し
ファンタジー
回復術師ピッケルは、20歳の誕生日、パーティーリーダーの部屋に呼び出されると追放を言い渡された。みぐるみを剥がされ、泣く泣く部屋をあとにするピッケル。しかし、この時点では仲間はもちろん本人さえも知らなかった。ピッケルの回復術師としての能力は、想像を遥かに超えるものだと。

処理中です...