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新たなる伝説の戦士!? 正体不明の三人目!

第66話 新たなる伝説の戦士!? 正体不明の三人目! 9

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「ピンチのようですね、いかがしますか? お嬢様」
「いつの間に、というかどこから入ってきたのですか? つかさ」

 私のすぐ横には相変わらずのメイド姿、つかさが並んでいます。

「お嬢様の入学手続き書類の提出と、野暮用を少々」
「その野暮用に一眼レフカメラが必要なのですか?」

 異様にレンズの長いカメラが気になります。

「お嬢様の体操着姿を…今夜のおかずにと」

 ベキ。

「壊しますよ?」
「既に壊されております…」

 よよよ、と泣き崩れるつかさ。

「それよりも、あのノタマウナーですね。上空で高みの見物をしている輩は手を出す様子がありませんが」
「上空? 見物?」
「あそこです」
「…見えませんね」

 おや?

「お待ちください…熱、赤外線、音響、すべて反応がございません」
「見えない、のですか」
「お嬢様、お手を」
「何する気ですか」
「お嬢様の魔力をお借りして魔覚センサーを作動させます」
「端末がないので魔力を高めるくらいしか出来ませんよ?」

 今は体操着なので何も持ってませんもの。

「私の体に接触していれば魔遮陣からの干渉を緩和出来ます」

 そう言って私の手を取り…。

「尻じゃなくてもいいですよね」
「お嬢様…」

 スカートの中へ誘おうとするんじゃありません!
 改めて手を繋いで魔力を少しばかりつかさへと流し込みます。

「ああ、お嬢様が入ってくる…」
「言うと思いました」

 最悪です。

「どうです?」
「ええ、見えます。顔色の悪そうな男ですね、有翼の魔族に似ていますが」
「そうですね。地上にあれだけ近いと魔遮陣の影響で魔法が使えないか、威力が下がるはずなのですが」

 翼はありますが羽ばたいてる様子もありません。姿を消す魔法と飛行の魔法、どちらも維持するとなると結構な魔力を必要としますが、そこまで魔力を練りこんでいる気配は感じません。

「お嬢様の様に何か裏技のような物を使っているのでは?」
「そう見るのが妥当ですかね。ですがあの程度の者が入手出来る代物ではないのですが」

 私の場合は端末に時空石。浦安のダンジョンで手に入れた強力な魔物の魔石を仕込んで外界からの干渉をシャットダウンしていたのですが。
 他にも手があるのでしょうか。

「それに、プリピュアのお二人も魔法をお使いのようですが?」
「そうなんですよね」

 プリピュアの二人の体をそれぞれ金と銀の魔力オーラが覆っています。強化魔法か何かでしょうか。
 私の魔力を受けてつかさにもそれが見えるようになっています。

「まあ今は考えてもしょうがないです。それよりも、妨害…妨害ですか」

 姿を隠したまま邪魔をするというのも面倒は話です。いっそのことダークネスマッスルに…ああ、潜入任務の兼ね合いで禁止されてるんでした。
 面倒ですね。

 そんなこんなで頭を悩ませていましたが、プリピュア達は大量のサッカーボールをいくつもけり返してゴールを決めるとサッカーゴールノタマウナーの動きが鈍っていきます。

「胸に秘めた夢の力! 世界に広がるその時に! 顕現するはドリームリング!」
「希望の力は無限大! 世界を覆うその時に! 顕現するはホープロッド!」

 ピュアドリームは金色に輝く小さなリングを2つ両手の前に、そしてピュアホープは銀色に輝く丸みを帯びた長い棍を両手で構えてポーズを取りました。

「すごい魔力を感じます…とんでもない力が秘められている様ですね」
「魔の素養を持たない私でもすごい威圧感を感じますね」

 その姿にサッカーゴールノタマウナーが後ずさりします。

「ドリームリング! ピュアホールド!」

 金色に光輝くリングは巨大化してサッカーゴールノタマウナーを覆うと、空中に持ち上げてその動きを拘束しました!

「ホープロッド! ピュアスティンガー!」

 動きの止まったサッカーゴールノタマウナーの中心部分に、ピュアホープの投げ込んだ銀色の棍が突き刺さります!

「ドリーム!」
「ええ! いくよホープ!」
「「プリピュア! ダブルトルネードリバース!」」

 プリピュアの二人が互いの手を取り、金と銀の入り混じった強烈なエネルギーが二人の体から発せられると、互いのエネルギーが渦を巻きサッカーゴールノタマウナーを呑み込みました!

「「純粋なる想いへ還りなさい!」」

 その言葉と共に光輝く爆発!
 その強烈な光が収まると、穴の開いた運動場が元に戻り、サッカーゴールも元の位置へ戻っていました。

「ち、仕方ない! プリピュア! この借りはいずれ返すぞ! ヒハーッハッハッハッハッ!」

 男が、ドーラと言いましたっけ? 高らかに宣言すると、その場から消えました。

「空間転移! 私も使えないのに!」

 羨ましい!

 二人のプリピュアもお互いに頷きあい、どこかへ立ち去りました。
 妨害する間もなく終わってしまった様子。

「終わってしまいましたね、お嬢様」
「そうですね」

 色々と調べたり考えたりしないといけない事が分かりました。

「お嬢様、とりあえず授業へお戻り下さい」
「あ、そうですね」

 そういえば体育の授業中でした。早く戻って体育の先生の筋肉を堪能しなければなりません。
 ですがその前に言わなければならないことがあります。

「戻るので手を離してください」
「…もうちょっと」

 問答無用で手を離して、体育館へ戻ることにします。
 転がしておいた弾君はまだ転がったままでしたので、また引きずって授業を抜け出した口実にすることにします。
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