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わくわくのダンジョン研修
第57話 わくわくのダンジョン研修 31
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「ひでえよ」
「すまんです。謝るです」
「まあ満足に連携の練習もしてませんでしたから、こんな時もあるでしょう」
死亡時の後遺症でしょうか、顔色の悪い弾君がそこにはいました。
「言っとくけど最初に巻き込まれたのはあの岩盤が原因だからな」
「ああ、えーっと。あはははは」
「残念でしたね」
「トドメはお前だからな」
「「あはははは」」
「はあ、まあわかったよ」
「何がです?」
「俺は色々足りてないってことがな」
どこか晴れ晴れした表情の弾君が穏やかな表情を浮かべています。
「お疲れ様でした、佐々木くん」
「村雲先生」
いつの間にやら登場。人間バージョンの鬼蜘蛛先生です。
「ダンジョンは楽しめましたか?」
「ええ、久しぶりでしたが面白かったです」
「…その人は?」
いまだに顔色の悪い弾君がこちらを見ます。
「私は佐々木君の塾の先生みたいなモノですよ。私の用事で少々こちらに挑んで頂きました」
ああ、そういう設定なんですね。
「どっかで会いましたっけ?」
「気のせいでしょう」
「それより、他のメンバーはどうでしたか?」
「まあまあいい経験をしていましたよ。皆さんにはレポートを提出、発表会もあるのでゆっくり聞いてください」
「…それ、私は参加できるんです?」
いまだに停学中なんですけど。
「…検討しておきます。ゼオンくんが悔しがっていましたよ? まったく戦いにならなかったと嘆いておりましたから」
「それはなんとも」
そんな私たちの会話に対し、…というよりも鬼蜘蛛先生を不審げな表情で見つめる弾君。
そういえば弾君は破面の人でした。
「もうあちらは撤収の準備が完了してますので、迎えにきたのです。ちょうど良いタイミングでしたね」
「そうですね、お二人とも有難うございました。清算はお二人で分けてください」
「いいです?」
「ええ、私は臨時収入がありましたから」
「あの、出来れば先生にも幾ばくかの…いえ、なんでもありません。じゃあ行きましょうか」
そうですね。学校に帰るまでが課外授業ですものね。
「あ。途中までは一緒に帰れますけど。来た時と同じく学校前で佐々木くんは解散ですから」
「あうう」
停学中の生徒は入って来るなという事ですね。いいんです。拗ねたりしませんもの。
「すまんです。謝るです」
「まあ満足に連携の練習もしてませんでしたから、こんな時もあるでしょう」
死亡時の後遺症でしょうか、顔色の悪い弾君がそこにはいました。
「言っとくけど最初に巻き込まれたのはあの岩盤が原因だからな」
「ああ、えーっと。あはははは」
「残念でしたね」
「トドメはお前だからな」
「「あはははは」」
「はあ、まあわかったよ」
「何がです?」
「俺は色々足りてないってことがな」
どこか晴れ晴れした表情の弾君が穏やかな表情を浮かべています。
「お疲れ様でした、佐々木くん」
「村雲先生」
いつの間にやら登場。人間バージョンの鬼蜘蛛先生です。
「ダンジョンは楽しめましたか?」
「ええ、久しぶりでしたが面白かったです」
「…その人は?」
いまだに顔色の悪い弾君がこちらを見ます。
「私は佐々木君の塾の先生みたいなモノですよ。私の用事で少々こちらに挑んで頂きました」
ああ、そういう設定なんですね。
「どっかで会いましたっけ?」
「気のせいでしょう」
「それより、他のメンバーはどうでしたか?」
「まあまあいい経験をしていましたよ。皆さんにはレポートを提出、発表会もあるのでゆっくり聞いてください」
「…それ、私は参加できるんです?」
いまだに停学中なんですけど。
「…検討しておきます。ゼオンくんが悔しがっていましたよ? まったく戦いにならなかったと嘆いておりましたから」
「それはなんとも」
そんな私たちの会話に対し、…というよりも鬼蜘蛛先生を不審げな表情で見つめる弾君。
そういえば弾君は破面の人でした。
「もうあちらは撤収の準備が完了してますので、迎えにきたのです。ちょうど良いタイミングでしたね」
「そうですね、お二人とも有難うございました。清算はお二人で分けてください」
「いいです?」
「ええ、私は臨時収入がありましたから」
「あの、出来れば先生にも幾ばくかの…いえ、なんでもありません。じゃあ行きましょうか」
そうですね。学校に帰るまでが課外授業ですものね。
「あ。途中までは一緒に帰れますけど。来た時と同じく学校前で佐々木くんは解散ですから」
「あうう」
停学中の生徒は入って来るなという事ですね。いいんです。拗ねたりしませんもの。
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