3 / 57
第一章【運命はキスから動き出す】
第3話「文句も言えないファーストキス」
しおりを挟む
どっと疲れた数学授業からの一日が終了へ。
二年生になり、桐哉と柚姫のラブラブカップル化計画を頑張ると気合いを入れていたのに、葵斗という異物が入ってきた。
はじめはイケメンがやってきたと騒がれたものだが、いつの間にか静かになっていた。
それもまた不思議だと、葉緩にはわからない黄色い声事情に首を傾げざるを得ない。
イケメンなのはイケメンであるが、葵斗は他人に関心がなく反応を示さない。
おだやかに微笑み返してくれる桐哉とは根本的に違うモテ方であり、女子たちは遠巻きに見るようになっていた。
それはそれで葉緩は良いと思っている。
疑問なのは、葵斗が転校して早い段階で桐哉と仲良くなったこと。
これだけ人がいて、唯一桐哉に興味を示したことが不可解だ。
モテモテな二人組だと訝しげに睨んでいると目があうようになり、今では葉緩に絡んでくるようになった。
距離を詰められ、気づけば抱きしめられている。
あきらかにおかしい事態。
くノ一である葉緩の動きが捕捉されるのは、何か裏があるに違いない。
忍びであるがゆえ、目立たないように匂いを消しているのに、壁と一体化しても葵斗に見つかってしまう。
いち早く桐哉と柚姫には結ばれてもらい、葉緩も葵斗から解放されようとますます気合いを入れていた。
じれったさも良いが、やはりちょっと強気にいってほしいと心の中で声援を送る。
「ん?」
教室で一人帰り支度をしていたところ、ピタッと手を止める。
目を輝かせて口角をあげながら、教室の隅っこに大きく飛んで後退した。
(これは姫の気配! 主様不在の今、私めがしかとお守りいたします!)
察したのは柚姫の気配で、桐哉不在時に葉緩は柚姫の守りに徹するのが決まり。
ただし余計な介入はしないと決めており、即座に壁となって見守ろうとくノ一の面となる。
(忍法・隠れ身の術!)
慣れた手つきで壁にくっつき、得意の忍術で姿を隠す。
誰にも見つかったことのない葉緩の得意技で、どの忍び技よりも役立つことからお気に入りでもあった。
教室の扉が開き、柚姫が教室の中へ入る。
何か落ち込んでいるようで、小さくため息をつきながら黙々と帰り支度を進めていた。
元気がないのは気がかりだと思いつつ、息をひそめるしか出来ないので現状歯がゆいばかり。
くノ一だとバレるわけにはいかないので、手出しは我慢と唾を飲みこんだ。
「せっかく出来た友達に嫉妬しちゃうなんて、ほんとにやだ……」
ぐすっと鼻をすすり、涙を流す柚姫。
か細い声であろうと聞き逃しはしない葉緩だが、拾った言葉に動揺しないのは無理だ。
(な、何故泣いて? 誰が泣かせたのですか? 姫を傷つけるとはなんたる無礼を!)
柚姫から笑顔を奪うのは絶対に許せないと腹を立てるが、壁から離れることの出来ず悔しさに目をそらすだけ。
魂の主である桐哉の幸せを願い、悟られることのないよう一定の距離を保つ。
それは必然と柚姫に対しても同じことだ。
ただ平穏に結ばれてくれればいい。
余計なことをせず、隠密に行動する。それが忍びだ。
締めつけられる胸の痛みに目を反らし、声を押し殺して涙する柚姫を傍観した。
――カタン、と。
扉がいつのまにか開いたようで、壁と化した葉緩の前を風が通過する。
「望月くん?」
人影の正体は葵斗で、気配もなく現れた葵斗に葉緩は息を呑む。
忍びとして鍛えられた葉緩が気配に気づけないとは、ほぼありえないこと。
それこそ葉緩の父か、同じくらい鍛えた見知らぬ同族くらい。
葵斗は相変わらずボーッとしているが、柚姫をみる目はどことなくやさしく見えた。
「徳山さん、泣いてるの?」
葵斗の問いかけに柚姫は涙を拭い、笑って誤魔化す。
「やだ、見られてた? 恥ずかしいなぁ、忘れて」
「桐哉のことで悩んでるの?」
「……わかっちゃう?」
「うん。見てればわかる」
「そっか」
トントンと進む二人の会話に葉緩はついていけない。
(どういうこと? 見てるって、まさか望月くんって姫に好意を抱いてるの!?)
一瞬、イヤな考えをしてそれだけは許せないと葉緩は牙をむく。
柚姫は桐哉の運命のため、葵斗に手を出されては困るというもの。
なにがなんでも阻止しなくてはと悶々とするが、今は壁だから邪魔することのできないもどかしさに歯を食いしばった。
こうして桐哉と柚姫の恋路を推すたびに、葉緩のなかにあるどデカい感情は方向を狂わせる。
「望月くんは何も思わないの?」
「んー、思う事はあるけど大丈夫。ちゃんと証拠はつけてるから変な虫はこないよ」
「それは知らなかったなぁ。ちゃ~んと見てみよっと」
(望月くんはすでに姫に手を出してると? そんなことは認めない! 姫には主様が――)
途端に、葉緩は自分の気持ちがよくわからなくなり、気持ちが冷え込んでしまう。
桐哉は葉緩にとって魂の主、柚姫はその伴侶となるべき人。だが同時に友人だ。
(これは”ワガママ”だ。 姫の気持ちを考慮してない。 ……でも私はずっと主様の幸せを願っていて)
「ありがとう、望月くん。少し元気出た。これからも仲良くしてくれたら嬉しい」
「うん、いいよ」
ゆるやかに微笑む葵斗を見て、柚姫は調子を取り戻したようだ。
キラキラと朝露を浴びて、花を咲かせるひまわりに似た笑みを浮かべていた。
カバンを手に、葵斗に振り返ってニッと口角をあげる。
「それじゃ、あたし帰るね。ちゃんとリセットして頑張らないと。望月くんもあんまり寝てばっかりだとダメだからね!」
もう涙はない。凛として顔をあげると、カバンを手に教室から出ていく。
それを見送ることも出来ず、葉緩は壁に隠れてうつむくしかなかった。
(……姫、帰ってしまわれた)
葵斗が教室に残っているため、壁から離れることが出来ない。
話してスッキリしたのだろうか?
そんなモヤモヤが付きまとう。
(出来れば姫には主様を好きになってほしいんだけどなぁ)
ガタっと椅子が動き、葉緩は息をひそめて顔をあげる。
障害物となる椅子をずらし、まっすぐに歩き出す葵斗を壁に隠れながら観察した。
葵斗が教室から出ていったら壁から離れて帰ろう、そう思って息を引っ込めた。
(あれ、なんか近いぞ? んん……?)
扉に向かっている……はずだったのに気づけば葵斗が目の前に立っている。
特殊な布を使い、壁と一体化して見える状態の葉緩は首を傾げるばかり。
そんな隙だらけの葉緩に、思わぬ出来事が訪れた。
(んん? なんぞや、これ。なにか、感触が……? 壁布になにか押し当たって……)
その感触が離れたあとも、葉緩は言葉を発することが出来ない。
葵斗の瞳に映るのは“壁”だ。
(おかしいですよね? 私はなにをされたのでしょうか)
「やっぱ、いいな」
クスッとやわらかく微笑む葵斗。
マシュマロのようにふわふわした姿に葉緩は無表情で硬直した――。
「絶対に振り向いてもらうから」
――再び布越しに不思議な感触が重なる。
無表情を貫いているが葉緩の思考がグルグルとまわっていた。
(心臓がおかしいです。だめ、動揺は気配隠しに影響が!)
しばらくして満足したのか、葵斗が離れるとあっさりと教室から出ていった。
葉緩は腰を抜かし、布を手放して壁伝いに床に座り込む。
「なんだったの? 壁にキスとか……いつも眠そうだけど寝ぼけすぎては?」
(そもそも彼はボディタッチが多すぎです。いくらなんでも壁にキスをするのはどうかと思います)
観点がずれている認識はアホの子・葉緩にはない。
隠れていることはばれていないと、それが葉緩にとって重視することだ。
結局のところ、葵斗の奇行でしかなく、壁にキスをする物好きとして葉緩は認識した。
「よくあるぬいぐるみにチューする感覚? でも壁だよ?」
考え込みながら唇に触れてみる。
長いまつ毛を伏せたキレイな葵斗の顔を思い出し、葉緩は赤く茹であがった。
いつもの謎めいたボディタッチとは違い、唇を重ねることには意味を感じた。
「……私のファーストキス。 いや、壁越しだからノーカン……」
桐哉と柚姫のキスならばどれだけ興奮したことだろう。
よくわからないまま重ねてしまった唇に、葉緩の思考はショートした。
「……帰ろう。 今の状況、無為無策なり」
結局、現実逃避。無心になろうと葉緩は素早い動きで帰路についた。
二年生になり、桐哉と柚姫のラブラブカップル化計画を頑張ると気合いを入れていたのに、葵斗という異物が入ってきた。
はじめはイケメンがやってきたと騒がれたものだが、いつの間にか静かになっていた。
それもまた不思議だと、葉緩にはわからない黄色い声事情に首を傾げざるを得ない。
イケメンなのはイケメンであるが、葵斗は他人に関心がなく反応を示さない。
おだやかに微笑み返してくれる桐哉とは根本的に違うモテ方であり、女子たちは遠巻きに見るようになっていた。
それはそれで葉緩は良いと思っている。
疑問なのは、葵斗が転校して早い段階で桐哉と仲良くなったこと。
これだけ人がいて、唯一桐哉に興味を示したことが不可解だ。
モテモテな二人組だと訝しげに睨んでいると目があうようになり、今では葉緩に絡んでくるようになった。
距離を詰められ、気づけば抱きしめられている。
あきらかにおかしい事態。
くノ一である葉緩の動きが捕捉されるのは、何か裏があるに違いない。
忍びであるがゆえ、目立たないように匂いを消しているのに、壁と一体化しても葵斗に見つかってしまう。
いち早く桐哉と柚姫には結ばれてもらい、葉緩も葵斗から解放されようとますます気合いを入れていた。
じれったさも良いが、やはりちょっと強気にいってほしいと心の中で声援を送る。
「ん?」
教室で一人帰り支度をしていたところ、ピタッと手を止める。
目を輝かせて口角をあげながら、教室の隅っこに大きく飛んで後退した。
(これは姫の気配! 主様不在の今、私めがしかとお守りいたします!)
察したのは柚姫の気配で、桐哉不在時に葉緩は柚姫の守りに徹するのが決まり。
ただし余計な介入はしないと決めており、即座に壁となって見守ろうとくノ一の面となる。
(忍法・隠れ身の術!)
慣れた手つきで壁にくっつき、得意の忍術で姿を隠す。
誰にも見つかったことのない葉緩の得意技で、どの忍び技よりも役立つことからお気に入りでもあった。
教室の扉が開き、柚姫が教室の中へ入る。
何か落ち込んでいるようで、小さくため息をつきながら黙々と帰り支度を進めていた。
元気がないのは気がかりだと思いつつ、息をひそめるしか出来ないので現状歯がゆいばかり。
くノ一だとバレるわけにはいかないので、手出しは我慢と唾を飲みこんだ。
「せっかく出来た友達に嫉妬しちゃうなんて、ほんとにやだ……」
ぐすっと鼻をすすり、涙を流す柚姫。
か細い声であろうと聞き逃しはしない葉緩だが、拾った言葉に動揺しないのは無理だ。
(な、何故泣いて? 誰が泣かせたのですか? 姫を傷つけるとはなんたる無礼を!)
柚姫から笑顔を奪うのは絶対に許せないと腹を立てるが、壁から離れることの出来ず悔しさに目をそらすだけ。
魂の主である桐哉の幸せを願い、悟られることのないよう一定の距離を保つ。
それは必然と柚姫に対しても同じことだ。
ただ平穏に結ばれてくれればいい。
余計なことをせず、隠密に行動する。それが忍びだ。
締めつけられる胸の痛みに目を反らし、声を押し殺して涙する柚姫を傍観した。
――カタン、と。
扉がいつのまにか開いたようで、壁と化した葉緩の前を風が通過する。
「望月くん?」
人影の正体は葵斗で、気配もなく現れた葵斗に葉緩は息を呑む。
忍びとして鍛えられた葉緩が気配に気づけないとは、ほぼありえないこと。
それこそ葉緩の父か、同じくらい鍛えた見知らぬ同族くらい。
葵斗は相変わらずボーッとしているが、柚姫をみる目はどことなくやさしく見えた。
「徳山さん、泣いてるの?」
葵斗の問いかけに柚姫は涙を拭い、笑って誤魔化す。
「やだ、見られてた? 恥ずかしいなぁ、忘れて」
「桐哉のことで悩んでるの?」
「……わかっちゃう?」
「うん。見てればわかる」
「そっか」
トントンと進む二人の会話に葉緩はついていけない。
(どういうこと? 見てるって、まさか望月くんって姫に好意を抱いてるの!?)
一瞬、イヤな考えをしてそれだけは許せないと葉緩は牙をむく。
柚姫は桐哉の運命のため、葵斗に手を出されては困るというもの。
なにがなんでも阻止しなくてはと悶々とするが、今は壁だから邪魔することのできないもどかしさに歯を食いしばった。
こうして桐哉と柚姫の恋路を推すたびに、葉緩のなかにあるどデカい感情は方向を狂わせる。
「望月くんは何も思わないの?」
「んー、思う事はあるけど大丈夫。ちゃんと証拠はつけてるから変な虫はこないよ」
「それは知らなかったなぁ。ちゃ~んと見てみよっと」
(望月くんはすでに姫に手を出してると? そんなことは認めない! 姫には主様が――)
途端に、葉緩は自分の気持ちがよくわからなくなり、気持ちが冷え込んでしまう。
桐哉は葉緩にとって魂の主、柚姫はその伴侶となるべき人。だが同時に友人だ。
(これは”ワガママ”だ。 姫の気持ちを考慮してない。 ……でも私はずっと主様の幸せを願っていて)
「ありがとう、望月くん。少し元気出た。これからも仲良くしてくれたら嬉しい」
「うん、いいよ」
ゆるやかに微笑む葵斗を見て、柚姫は調子を取り戻したようだ。
キラキラと朝露を浴びて、花を咲かせるひまわりに似た笑みを浮かべていた。
カバンを手に、葵斗に振り返ってニッと口角をあげる。
「それじゃ、あたし帰るね。ちゃんとリセットして頑張らないと。望月くんもあんまり寝てばっかりだとダメだからね!」
もう涙はない。凛として顔をあげると、カバンを手に教室から出ていく。
それを見送ることも出来ず、葉緩は壁に隠れてうつむくしかなかった。
(……姫、帰ってしまわれた)
葵斗が教室に残っているため、壁から離れることが出来ない。
話してスッキリしたのだろうか?
そんなモヤモヤが付きまとう。
(出来れば姫には主様を好きになってほしいんだけどなぁ)
ガタっと椅子が動き、葉緩は息をひそめて顔をあげる。
障害物となる椅子をずらし、まっすぐに歩き出す葵斗を壁に隠れながら観察した。
葵斗が教室から出ていったら壁から離れて帰ろう、そう思って息を引っ込めた。
(あれ、なんか近いぞ? んん……?)
扉に向かっている……はずだったのに気づけば葵斗が目の前に立っている。
特殊な布を使い、壁と一体化して見える状態の葉緩は首を傾げるばかり。
そんな隙だらけの葉緩に、思わぬ出来事が訪れた。
(んん? なんぞや、これ。なにか、感触が……? 壁布になにか押し当たって……)
その感触が離れたあとも、葉緩は言葉を発することが出来ない。
葵斗の瞳に映るのは“壁”だ。
(おかしいですよね? 私はなにをされたのでしょうか)
「やっぱ、いいな」
クスッとやわらかく微笑む葵斗。
マシュマロのようにふわふわした姿に葉緩は無表情で硬直した――。
「絶対に振り向いてもらうから」
――再び布越しに不思議な感触が重なる。
無表情を貫いているが葉緩の思考がグルグルとまわっていた。
(心臓がおかしいです。だめ、動揺は気配隠しに影響が!)
しばらくして満足したのか、葵斗が離れるとあっさりと教室から出ていった。
葉緩は腰を抜かし、布を手放して壁伝いに床に座り込む。
「なんだったの? 壁にキスとか……いつも眠そうだけど寝ぼけすぎては?」
(そもそも彼はボディタッチが多すぎです。いくらなんでも壁にキスをするのはどうかと思います)
観点がずれている認識はアホの子・葉緩にはない。
隠れていることはばれていないと、それが葉緩にとって重視することだ。
結局のところ、葵斗の奇行でしかなく、壁にキスをする物好きとして葉緩は認識した。
「よくあるぬいぐるみにチューする感覚? でも壁だよ?」
考え込みながら唇に触れてみる。
長いまつ毛を伏せたキレイな葵斗の顔を思い出し、葉緩は赤く茹であがった。
いつもの謎めいたボディタッチとは違い、唇を重ねることには意味を感じた。
「……私のファーストキス。 いや、壁越しだからノーカン……」
桐哉と柚姫のキスならばどれだけ興奮したことだろう。
よくわからないまま重ねてしまった唇に、葉緩の思考はショートした。
「……帰ろう。 今の状況、無為無策なり」
結局、現実逃避。無心になろうと葉緩は素早い動きで帰路についた。
1
あなたにおすすめの小説
番探しにやって来た王子様に見初められました。逃げたらだめですか?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私はスミレ・デラウェア。伯爵令嬢だけど秘密がある。長閑なぶどう畑が広がる我がデラウェア領地で自警団に入っているのだ。騎士団に入れないのでコッソリと盗賊から領地を守ってます。
そんな領地に王都から番探しに王子がやって来るらしい。人が集まって来ると盗賊も来るから勘弁して欲しい。
お転婆令嬢が番から逃げ回るお話しです。
愛の花シリーズ第3弾です。
そんなに義妹が大事なら、番は解消してあげます。さようなら。
雪葉
恋愛
貧しい子爵家の娘であるセルマは、ある日突然王国の使者から「あなたは我が国の竜人の番だ」と宣言され、竜人族の住まう国、ズーグへと連れて行かれることになる。しかし、連れて行かれた先でのセルマの扱いは散々なものだった。番であるはずのウィルフレッドには既に好きな相手がおり、終始冷たい態度を取られるのだ。セルマはそれでも頑張って彼と仲良くなろうとしたが、何もかもを否定されて終わってしまった。
その内、セルマはウィルフレッドとの番解消を考えるようになる。しかし、「竜人族からしか番関係は解消できない」と言われ、また絶望の中に叩き落とされそうになったその時──、セルマの前に、一人の手が差し伸べられるのであった。
*相手を大事にしなければ、そりゃあ見捨てられてもしょうがないよね。っていう当然の話。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜
雨香
恋愛
美しく優しい狼獣人の彼に自分とは違うもう一人の番が現れる。
彼と同じ獣人である彼女は、自ら身を引くと言う。
自ら身を引くと言ってくれた2番目の番に心を砕く狼の彼。
「辛い選択をさせてしまった彼女の最後の願いを叶えてやりたい。彼女は、私との思い出が欲しいそうだ」
異世界に召喚されて狼獣人の番になった主人公の溺愛逆ハーレム風話です。
異世界激甘溺愛ばなしをお楽しみいただければ。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
幸せな番が微笑みながら願うこと
矢野りと
恋愛
偉大な竜王に待望の番が見つかったのは10年前のこと。
まだ幼かった番は王宮で真綿に包まれるように大切にされ、成人になる16歳の時に竜王と婚姻を結ぶことが決まっていた。幸せな未来は確定されていたはずだった…。
だが獣人の要素が薄い番の扱いを周りは間違えてしまう。…それは大切に想うがあまりのすれ違いだった。
竜王の番の心は少しづつ追いつめられ蝕まれていく。
※設定はゆるいです。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
君は番じゃ無かったと言われた王宮からの帰り道、本物の番に拾われました
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ココはフラワーテイル王国と言います。確率は少ないけど、番に出会うと匂いで分かると言います。かく言う、私の両親は番だったみたいで、未だに甘い匂いがするって言って、ラブラブです。私もそんな両親みたいになりたいっ!と思っていたのに、私に番宣言した人からは、甘い匂いがしません。しかも、番じゃなかったなんて言い出しました。番婚約破棄?そんなの聞いた事無いわっ!!
打ちひしがれたライムは王宮からの帰り道、本物の番に出会えちゃいます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる