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3章 運命
第33 交渉✕手料理
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智花が帰り支度を終えようとしていた所へ身なりの良い白髪の紳士が訪ねてきた。
「こちらに櫻井智花さんと言う方はいらっしゃいますでしょうか?」
「はい、私が櫻井智花ですが・・・」
「失礼しました、私は西山財閥西山家に仕える第一秘書の小山と申します」
「西山家と言うと皐月さんの?」
「皐月お嬢様は西山家の次期継承者で御座います」
「あ、今お茶を・・・」
「いいえ直ぐに済みますのでお構いなく」
「そうですか、ではご要件をお聞きしても良いですか?」
「皐月お嬢様が狙われてるのはご存知だと思います、そこで皆様に護衛をお願いしたく伺いました」
「護衛ですか・・・?」
「お嬢様は中野圭介様の部屋に引っ越しされますが、彼の説得をお願いしたく思います」
智花は暫く稽えた後に首を振った。
「若い男女ですし容認出来ないと思いますね、そちらは心配では無いのですか?」
「中野圭介様の身辺調査は済んでおります、安心出来る方と評価されました」
お金持ちと言う人種は何を稽えてるのか分からないと考え込む智花に対して、執事は胸の内ポケットから1枚の紙を取り出した。
「お礼に今後は、西山財閥が陰ながらスポンサーを務めさせて頂きます、まずは僅かばかりですがこちらの小切手をご用意しました」
智花は一千万円の小切手を受け取ると、お任せ下さいと笑顔で答えていた。
俺は美樹に促され食卓に着いたが・・・
「何故肉じゃがにカレー?」
「肉じゃがは私が作ったのよ」
得意げな顔をする皐月。
「私は肉じゃがに愛情を込めてルーを入れたの」
「そうだよな、美樹は料理が出来ないもんね」
「そうはっきり言うのは失礼じゃないかなぁ」
剥れる美樹をよそ目に、俺は智花さんからの返信を待っていた。
「圭介、何スマホばかり見てるのよ、私の肉じゃがの感想を言ってくれても良いんじゃない?」
「そうよ、女の子が手作りで作ってくれた事なんて無いんでしょ、早く食べてみてよ」
「あ、ああごめん」
皐月は分かるが美樹は手作りと言えるんだろうか・・・?
「またスマホ見てる、食事が終わるまで没収ね」
俺のスマホが美樹によって拐われてしまった。
取り敢えず2人のご機嫌を取る事にしよう。
「この肉じゃが味がしっかりしみてて美味しい、カレーも凄く美味しいよ」
少女たちのご機嫌を取って数分、待ちに待った智花さんからの連絡が来た、しかしそれはメールでは無く通話だった所に嫌な予感がした。
「こちらに櫻井智花さんと言う方はいらっしゃいますでしょうか?」
「はい、私が櫻井智花ですが・・・」
「失礼しました、私は西山財閥西山家に仕える第一秘書の小山と申します」
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「皐月お嬢様は西山家の次期継承者で御座います」
「あ、今お茶を・・・」
「いいえ直ぐに済みますのでお構いなく」
「そうですか、ではご要件をお聞きしても良いですか?」
「皐月お嬢様が狙われてるのはご存知だと思います、そこで皆様に護衛をお願いしたく伺いました」
「護衛ですか・・・?」
「お嬢様は中野圭介様の部屋に引っ越しされますが、彼の説得をお願いしたく思います」
智花は暫く稽えた後に首を振った。
「若い男女ですし容認出来ないと思いますね、そちらは心配では無いのですか?」
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お金持ちと言う人種は何を稽えてるのか分からないと考え込む智花に対して、執事は胸の内ポケットから1枚の紙を取り出した。
「お礼に今後は、西山財閥が陰ながらスポンサーを務めさせて頂きます、まずは僅かばかりですがこちらの小切手をご用意しました」
智花は一千万円の小切手を受け取ると、お任せ下さいと笑顔で答えていた。
俺は美樹に促され食卓に着いたが・・・
「何故肉じゃがにカレー?」
「肉じゃがは私が作ったのよ」
得意げな顔をする皐月。
「私は肉じゃがに愛情を込めてルーを入れたの」
「そうだよな、美樹は料理が出来ないもんね」
「そうはっきり言うのは失礼じゃないかなぁ」
剥れる美樹をよそ目に、俺は智花さんからの返信を待っていた。
「圭介、何スマホばかり見てるのよ、私の肉じゃがの感想を言ってくれても良いんじゃない?」
「そうよ、女の子が手作りで作ってくれた事なんて無いんでしょ、早く食べてみてよ」
「あ、ああごめん」
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「またスマホ見てる、食事が終わるまで没収ね」
俺のスマホが美樹によって拐われてしまった。
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「この肉じゃが味がしっかりしみてて美味しい、カレーも凄く美味しいよ」
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