現代に生きる勇者の少年

マナピナ

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3章 運命

第29 特訓✕渋谷 Ⅲ

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「二人共休憩は終わりよ、午後からは技術訓練をするからね」

「自慢じゃないけど、私は運動神経悪いわよ」

不機嫌そうに話す皐月の胸を見ながら美樹は意地悪そうに言った。

「皐月は見た目から貧相だもんね、圭介の横は私に任せなさい」

「くうううう、大きければ良いって物じゃないのよ、形では負けてないわ」

「二人共くだらない事で争わないの、まぁ私は完璧だけどね・・・ふふふ」

「ふん、ババァが・・・」

皐月が振り向きざまに悪意の有る表情で呟く。

「タレ乳・・・」

美樹は智花の胸一点を見つめ呟いた。

「二人共何か言ったかしら?」

『何も言ってませーん』

「さて、まずは魔族と戦う事に成った時のために武器を教えておくわ」

部屋の隅にあるロッカーから数種類の武器を持ち出し、中央の大きな机の上へ広げた。

「うわー、銃に剣・短剣いっぱいあるね」

美樹は興味深々と顔を近づけ見て行く。

「これらは一部だけど優秀な対魔族武器よ」

「こんなので本当に魔族を倒せるのかしら?」

「皐月ちゃんは中々疑い深いのね、魔族を倒せるのは本当だけど一応仕組みも知っていて貰うわ」

 智花はロッカーの側にあるホワイトボードを引きずって来て何かを書き始めた。

「まずは基礎から行くわよ」

智花が書き始めたのは対魔族武器が作られるまで工程だ。

1,魔族を倒し消滅した場所に残ったコアを持ち帰る

2,コア精製機で付属したい武器と合成する。

「分からない事ばかりでしょうけど、大まかにはこんな感じね」

「大雑把すぎよ、大体コア精製機って何?」

皐月が腕を組み怪しげな表情で質問をする。

「それはね、あの部屋の中にあるの」

智花が指差す先には一つの扉があった。

「今度機会があったら見せて上げるわ、所で美樹ちゃんは質問ある?」

「うーん、分からな事ばかりだけど好きな武器を選んで良いのかなぁ?」

「それは今から適正テストをしまーす」


渋谷で低級魔族と戦っている圭介は、魔族の攻撃を難なく交わす安定した様子である。

「おい低級魔族、人間の姿だと遅すぎだから本来の姿に成ったらどうだ?」

「ガキ、貴様は何者だ?」

「お前に名乗っても分かるかな・・・俺はケイト勇者ケイトさ」

「勇者ケイトだと・・・」

「その顔は知ってるようだな、俺からも聞きたい事が有るんだ早く戦いは終わらせようぜ」

「貴様が本物の勇者か確かめてやる・・・うぐぐぐぐぐぐ」

 大柄な男は着てた服が破け散る程、勢いよく成長していく。
頭に角が生え、口は裂け、歯は牙に変わり、体も倍の大きさへと変身したのだ。



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