17 / 36
17:思わぬ再会
しおりを挟む
「藍白……!?」
音もなく現れた藍白は、子狐ではなく人の姿をして庭石の上に立っていた。
弾かれたように立ち上がった紫土くんと淡紅は、それぞれに鎖鎌と小刀を構えて、私を隠す形で壁になる。
朱さんの吹いた口笛で、集まったカラスたちが藍白の頭上を取り囲んでいるのが見えた。
屋敷の外とはいえ、敷地内であるにも関わらず彼女の侵入を許したのだ。周囲に張られている結界は、力の強いあやかしには通用しないのかもしれない。
私は白緑に肩を抱き寄せられて、その横顔を見上げる。
怒りと、それから困惑。白緑も、妹が仲間に攻撃をしてきたなんて、信じたくはなかったのだろう。
「白緑の結界をすり抜けるなんて、そんなに妖力を蓄えたのか……?」
「兄様の力が弱まっているだけのこと。こんな結界、わたしの炎を使うまでもないわ」
「……!」
淡紅よりも強い力を持っていることは、私もこの目で見ている。王である白緑の妹なのだし、結界を破れるだけの力を持っていても不思議ではない。
そう思ったのだけれど、白緑の力が弱まっているとは、どういうことなのだろうか?
(今は、狐の姿になってるわけでもない。私も力を貸してるはずなのに……?)
藍白の言葉の意味するところが、私にはわからなかった。
「藍白、キミは操られてるんだよ! 僕たちのことはわかる!?」
「アタシを攻撃したこと、今ならゲンコツくらいで許してあげるわ」
武器を構えながらも、紫土くんも淡紅もやはり戦いたくはないのだろう。
言葉での説得を試みるものの、藍白の表情は僅かでも変化が見られる様子はない。
「わたしが誰に操られているというの? わたしは、わたし自身の意思で行動してる」
「そんなの、キミが自覚できてないだけじゃ……ッ!」
「信じろなんて言わないわ。証明するだけだから」
紫土くんの言葉を遮るように、白交じりの青い炎が渦を巻いて広がる。その熱から逃れようと、カラスたちは散り散りに飛び去っていく。
こちらにまで伝わってくる熱気を遮るように、白緑が着物の袖で風を遮断してくれた。
「本当に、操られてるのかな……?」
これまで襲撃してきた妖魔たちは、攻撃以外の意思を持たないか、どこか操り人形のように動いていた気もする。
けれど、藍白からははっきりとした意思を感じるのだ。言葉通り、自らの判断で動いている。
炎が引いていくと、代わりに空間に複数の裂け目のようなものがあることに気がつく。
その裂け目が広がったかと思うと、中から人の姿をした妖魔が現れた。どこからか結界の中に、妖魔たちを転移させたのだろう。
「依織、ここから動くな」
「う、うん……!」
白緑が私を背後に移動させると同時に、妖魔たちが一斉に攻撃を仕掛けてくる。
前衛を務める紫土くんと淡紅が、確実に目の前の敵を仕留めていく。そこから漏れ出た妖魔を、朱さんの錫杖の仕込み刀が襲う。
妖魔の一体ずつは、それほど力が強いわけではないらしい。その証拠に、彼らはほとんど一撃で妖魔を倒している。
ただ、やたらと数が多い。どこからそんなに湧き出てくるのかというほど、裂け目から際限なく妖魔が現れるのだ。
「朱、あれを塞げるか?」
「少し稼いでもらえれば塞ぎます」
「任せる。依織、お前は……」
「大丈夫。行って、白緑!」
こんな時でもこちらを気にかけてくれる白緑に、私は懐から取り出した真新しい妖具を構えてみせる。
彼らのように複数の敵を相手に戦うことはできないけれど、ただ守られているばかりじゃない。私にだって、できることがある。
そんな姿を見た白緑は、目を丸くしたかと思うと破顔して私に向き直る。
「ハッ、俺の婚約者はいい度胸をしてるな」
くしゃりと頭を撫でられると、こめかみの辺りに白緑の唇が触れた。
「っ……!?」
「すぐに終わらせよう。朱、最速で頼む」
「承知しました」
私の傍を離れた白緑の右腕から、真っ白な炎が噴き上がる。その指先から小さな炎がいくつか放たれたかと思うと、朱さんの周りの妖魔たちが消滅していく。
私の目では捉えきれなかったけれど、恐らく白緑の炎によって倒されたのだろう。
こうして見ると、妖魔を相手に白緑の力は圧倒的だ。
自由になった朱さんの前に道を作るように、白い炎が次々と妖魔たちを消し去っていく。
朱さんの合図で戻ったカラスたちが、妖魔の溢れる裂け目に向かう。そのままドロリと溶けたカラスの群れによって、空間が塞がれていった。
「簡単に終わらせるわけがないでしょ」
あの裂け目が消えれば、残る妖魔を一掃するのに時間はかからないだろう。
しかし、藍白の合図によってひと際大きな亀裂が空間を裂いていく。その中から現れたのは、これまでの妖魔とは比べものにならない、巨大な妖魔。
獲物を狙う動きは鈍かった。すぐに白緑が炎を向けたけれど、消滅するどころか、熱がる様子もない。
「チッ、炎は効かないか」
舌打ちをした白緑が何もない空間に手をかざすと、炎の中から刀が現れる。
朱さんを狙おうとしていた妖魔の腕に飛び乗ると、白緑は思いきり刀を振ってその腕を両断した――かに見えたのだけれど。
「コイツ、まるで鋼だな……!」
「白緑、後ろ!」
巨大な妖魔は炎が効かないばかりか、刀も通らないほどの硬い皮膚に覆われているらしい。そんな白緑の背後から迫る別の妖魔の攻撃を、紫土くんの鎖鎌が防ぐ。
まだ閉じられていない裂け目のせいで、巨大な妖魔にだけ集中することができないのだ。
(……あれ?)
ほとんどは白緑たちが倒してくれるから、妖具を使うタイミングもなく見守っていた私は、違和感を覚える。
確かに妖魔の数は多く、その上で巨大な妖魔の存在に白緑たちは手を焼いている。
けれど、藍白がただ妖魔たちに指示を出して見守るだけというのは、不自然ではないだろうか?
彼女自身もかなり強いのだし、妖魔たちと共に攻撃されれば、こちらはより苦戦するはずだ。
だというのに、白緑たちが戦うのは妖魔だけで藍白ではない。
「さっきまで、あそこにいたのに……」
庭石の上から、いつの間にか藍白の姿が消えている。
視線を巡らせてみると、離れた場所に子狐の姿を見つけた。優勢にも見える状況で、逃げようとしているのだろうか?
(捕まえなきゃ! でも、藍白の標的は私じゃないの……?)
その目的はわからないけれど、今はみんな妖魔を排除することで手一杯だ。動けるのは私しかいない。
彼女の後を追いかけていくと、藍白が目指しているのは湖――大樹のところだった。
「藍白……!」
声をかけた私に一瞥をくれた彼女は、どうしてかこちらに興味を示しもしない。
手元からあの青い炎が噴き出したかと思うと、炎が向けられた先は私ではなく大樹だ。その太い幹に巻き付けられた注連縄に、炎は弾かれてしまう。
「やはり、この程度の力じゃ無理ね」
もう一度、今度は先ほどのそれよりも大きな炎の塊を注連縄に向けて放つ。
同じように弾かれたかに見えたそれは、所々に焼け焦げたような黒い跡がまばらに残っている。
「や、やめて……!」
どういうわけか、理由はわからない。けれど、あの注連縄はとても大事なもののように思えた。
私は咄嗟に妖具の数珠を構えると、藍白に向かって光の矢が放たれる。
ひらりと身を翻してそれを難なくかわした彼女は、今度は私の方に向けて炎を飛ばしてきた。
「邪魔しないで。人間なんかに、これ以上奪わせない」
「っ、こんなことしたって、白緑を傷つけるだけだよ……!」
「うるさい、兄様の名を気安く呼ぶな!」
まるで反応を示してくれなかった前回とは異なり、藍白と少なからず言葉を交わすことができている。
操られているのではない。やはり、彼女は自分の意思で行動しているのだ。
「依織ちゃん!」
「紫土くん……!?」
背後から飛び出してきたのは、屋敷で戦っているはずの紫土くんだった。
私と藍白がいなくなったことに気づいて、こちらに加勢に来てくれたのかもしれない。
「向こうもあとはあのバカでかい妖魔だけだ、白緑たちもすぐにこっちに来る。藍白、もう観念しなよ」
「紫土……おまえには、わたしのやろうとしてることがわかるはずよ」
「わかんないよ。友達を傷つける奴の考えることなんか、僕はわかりたくもない」
藍白の言葉をあっさり拒絶する紫土くんは、鎖鎌を構えて戦う意思を見せる。
そんな彼を冷たい瞳で見下ろしている藍白は、それ以上言葉を続けようとしない。
話は終わりだとばかりに、紫土くんが先制攻撃を仕掛ける。けれど、藍白に向けて投げられた鎖鎌は、横から吹き付けてきた強風によって大きく弾かれた。
他にも妖魔がいたのかと身構えたけれど、そちらを見た私と紫土くんは動きを止める。
「あ……にき……?」
空間を裂く新たな亀裂。
そこから姿を現したのは、紫土くんの兄――紫黒さんだった。
次の瞬間、目の前で紫土くんの腹部が大きく引き裂かれる。
私の視界は、飛び散る大量の血によって赤く染められていた。
音もなく現れた藍白は、子狐ではなく人の姿をして庭石の上に立っていた。
弾かれたように立ち上がった紫土くんと淡紅は、それぞれに鎖鎌と小刀を構えて、私を隠す形で壁になる。
朱さんの吹いた口笛で、集まったカラスたちが藍白の頭上を取り囲んでいるのが見えた。
屋敷の外とはいえ、敷地内であるにも関わらず彼女の侵入を許したのだ。周囲に張られている結界は、力の強いあやかしには通用しないのかもしれない。
私は白緑に肩を抱き寄せられて、その横顔を見上げる。
怒りと、それから困惑。白緑も、妹が仲間に攻撃をしてきたなんて、信じたくはなかったのだろう。
「白緑の結界をすり抜けるなんて、そんなに妖力を蓄えたのか……?」
「兄様の力が弱まっているだけのこと。こんな結界、わたしの炎を使うまでもないわ」
「……!」
淡紅よりも強い力を持っていることは、私もこの目で見ている。王である白緑の妹なのだし、結界を破れるだけの力を持っていても不思議ではない。
そう思ったのだけれど、白緑の力が弱まっているとは、どういうことなのだろうか?
(今は、狐の姿になってるわけでもない。私も力を貸してるはずなのに……?)
藍白の言葉の意味するところが、私にはわからなかった。
「藍白、キミは操られてるんだよ! 僕たちのことはわかる!?」
「アタシを攻撃したこと、今ならゲンコツくらいで許してあげるわ」
武器を構えながらも、紫土くんも淡紅もやはり戦いたくはないのだろう。
言葉での説得を試みるものの、藍白の表情は僅かでも変化が見られる様子はない。
「わたしが誰に操られているというの? わたしは、わたし自身の意思で行動してる」
「そんなの、キミが自覚できてないだけじゃ……ッ!」
「信じろなんて言わないわ。証明するだけだから」
紫土くんの言葉を遮るように、白交じりの青い炎が渦を巻いて広がる。その熱から逃れようと、カラスたちは散り散りに飛び去っていく。
こちらにまで伝わってくる熱気を遮るように、白緑が着物の袖で風を遮断してくれた。
「本当に、操られてるのかな……?」
これまで襲撃してきた妖魔たちは、攻撃以外の意思を持たないか、どこか操り人形のように動いていた気もする。
けれど、藍白からははっきりとした意思を感じるのだ。言葉通り、自らの判断で動いている。
炎が引いていくと、代わりに空間に複数の裂け目のようなものがあることに気がつく。
その裂け目が広がったかと思うと、中から人の姿をした妖魔が現れた。どこからか結界の中に、妖魔たちを転移させたのだろう。
「依織、ここから動くな」
「う、うん……!」
白緑が私を背後に移動させると同時に、妖魔たちが一斉に攻撃を仕掛けてくる。
前衛を務める紫土くんと淡紅が、確実に目の前の敵を仕留めていく。そこから漏れ出た妖魔を、朱さんの錫杖の仕込み刀が襲う。
妖魔の一体ずつは、それほど力が強いわけではないらしい。その証拠に、彼らはほとんど一撃で妖魔を倒している。
ただ、やたらと数が多い。どこからそんなに湧き出てくるのかというほど、裂け目から際限なく妖魔が現れるのだ。
「朱、あれを塞げるか?」
「少し稼いでもらえれば塞ぎます」
「任せる。依織、お前は……」
「大丈夫。行って、白緑!」
こんな時でもこちらを気にかけてくれる白緑に、私は懐から取り出した真新しい妖具を構えてみせる。
彼らのように複数の敵を相手に戦うことはできないけれど、ただ守られているばかりじゃない。私にだって、できることがある。
そんな姿を見た白緑は、目を丸くしたかと思うと破顔して私に向き直る。
「ハッ、俺の婚約者はいい度胸をしてるな」
くしゃりと頭を撫でられると、こめかみの辺りに白緑の唇が触れた。
「っ……!?」
「すぐに終わらせよう。朱、最速で頼む」
「承知しました」
私の傍を離れた白緑の右腕から、真っ白な炎が噴き上がる。その指先から小さな炎がいくつか放たれたかと思うと、朱さんの周りの妖魔たちが消滅していく。
私の目では捉えきれなかったけれど、恐らく白緑の炎によって倒されたのだろう。
こうして見ると、妖魔を相手に白緑の力は圧倒的だ。
自由になった朱さんの前に道を作るように、白い炎が次々と妖魔たちを消し去っていく。
朱さんの合図で戻ったカラスたちが、妖魔の溢れる裂け目に向かう。そのままドロリと溶けたカラスの群れによって、空間が塞がれていった。
「簡単に終わらせるわけがないでしょ」
あの裂け目が消えれば、残る妖魔を一掃するのに時間はかからないだろう。
しかし、藍白の合図によってひと際大きな亀裂が空間を裂いていく。その中から現れたのは、これまでの妖魔とは比べものにならない、巨大な妖魔。
獲物を狙う動きは鈍かった。すぐに白緑が炎を向けたけれど、消滅するどころか、熱がる様子もない。
「チッ、炎は効かないか」
舌打ちをした白緑が何もない空間に手をかざすと、炎の中から刀が現れる。
朱さんを狙おうとしていた妖魔の腕に飛び乗ると、白緑は思いきり刀を振ってその腕を両断した――かに見えたのだけれど。
「コイツ、まるで鋼だな……!」
「白緑、後ろ!」
巨大な妖魔は炎が効かないばかりか、刀も通らないほどの硬い皮膚に覆われているらしい。そんな白緑の背後から迫る別の妖魔の攻撃を、紫土くんの鎖鎌が防ぐ。
まだ閉じられていない裂け目のせいで、巨大な妖魔にだけ集中することができないのだ。
(……あれ?)
ほとんどは白緑たちが倒してくれるから、妖具を使うタイミングもなく見守っていた私は、違和感を覚える。
確かに妖魔の数は多く、その上で巨大な妖魔の存在に白緑たちは手を焼いている。
けれど、藍白がただ妖魔たちに指示を出して見守るだけというのは、不自然ではないだろうか?
彼女自身もかなり強いのだし、妖魔たちと共に攻撃されれば、こちらはより苦戦するはずだ。
だというのに、白緑たちが戦うのは妖魔だけで藍白ではない。
「さっきまで、あそこにいたのに……」
庭石の上から、いつの間にか藍白の姿が消えている。
視線を巡らせてみると、離れた場所に子狐の姿を見つけた。優勢にも見える状況で、逃げようとしているのだろうか?
(捕まえなきゃ! でも、藍白の標的は私じゃないの……?)
その目的はわからないけれど、今はみんな妖魔を排除することで手一杯だ。動けるのは私しかいない。
彼女の後を追いかけていくと、藍白が目指しているのは湖――大樹のところだった。
「藍白……!」
声をかけた私に一瞥をくれた彼女は、どうしてかこちらに興味を示しもしない。
手元からあの青い炎が噴き出したかと思うと、炎が向けられた先は私ではなく大樹だ。その太い幹に巻き付けられた注連縄に、炎は弾かれてしまう。
「やはり、この程度の力じゃ無理ね」
もう一度、今度は先ほどのそれよりも大きな炎の塊を注連縄に向けて放つ。
同じように弾かれたかに見えたそれは、所々に焼け焦げたような黒い跡がまばらに残っている。
「や、やめて……!」
どういうわけか、理由はわからない。けれど、あの注連縄はとても大事なもののように思えた。
私は咄嗟に妖具の数珠を構えると、藍白に向かって光の矢が放たれる。
ひらりと身を翻してそれを難なくかわした彼女は、今度は私の方に向けて炎を飛ばしてきた。
「邪魔しないで。人間なんかに、これ以上奪わせない」
「っ、こんなことしたって、白緑を傷つけるだけだよ……!」
「うるさい、兄様の名を気安く呼ぶな!」
まるで反応を示してくれなかった前回とは異なり、藍白と少なからず言葉を交わすことができている。
操られているのではない。やはり、彼女は自分の意思で行動しているのだ。
「依織ちゃん!」
「紫土くん……!?」
背後から飛び出してきたのは、屋敷で戦っているはずの紫土くんだった。
私と藍白がいなくなったことに気づいて、こちらに加勢に来てくれたのかもしれない。
「向こうもあとはあのバカでかい妖魔だけだ、白緑たちもすぐにこっちに来る。藍白、もう観念しなよ」
「紫土……おまえには、わたしのやろうとしてることがわかるはずよ」
「わかんないよ。友達を傷つける奴の考えることなんか、僕はわかりたくもない」
藍白の言葉をあっさり拒絶する紫土くんは、鎖鎌を構えて戦う意思を見せる。
そんな彼を冷たい瞳で見下ろしている藍白は、それ以上言葉を続けようとしない。
話は終わりだとばかりに、紫土くんが先制攻撃を仕掛ける。けれど、藍白に向けて投げられた鎖鎌は、横から吹き付けてきた強風によって大きく弾かれた。
他にも妖魔がいたのかと身構えたけれど、そちらを見た私と紫土くんは動きを止める。
「あ……にき……?」
空間を裂く新たな亀裂。
そこから姿を現したのは、紫土くんの兄――紫黒さんだった。
次の瞬間、目の前で紫土くんの腹部が大きく引き裂かれる。
私の視界は、飛び散る大量の血によって赤く染められていた。
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
下宿屋 東風荘
浅井 ことは
キャラ文芸
神社に憑く妖狐の冬弥は、神社の敷地内にある民家を改装して下宿屋をやっている。
ある日、神社で祈りの声を聞いていた冬弥は、とある子供に目をつけた。
その少年は、どうやら特異な霊媒体質のようで?
妖怪と人間が織り成す、お稲荷人情物語。
※この作品は、エブリスタにて掲載しており、シリーズ作品として全7作で完結となっております。
※話数という形での掲載ですが、小見出しの章、全体で一作という形にて書いております。
読みづらい等あるかもしれませんが、楽しんでいただければ何よりです。
エブリスタ様にて。
2017年SKYHIGH文庫最終選考。
2018年ほっこり特集掲載作品
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
若松だんご
恋愛
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
サラシがちぎれた男装騎士の私、初恋の陛下に【女体化の呪い】だと勘違いされました。
ゆちば
恋愛
ビリビリッ!
「む……、胸がぁぁぁッ!!」
「陛下、声がでかいです!」
◆
フェルナン陛下に密かに想いを寄せる私こと、護衛騎士アルヴァロ。
私は女嫌いの陛下のお傍にいるため、男のフリをしていた。
だがある日、黒魔術師の呪いを防いだ際にサラシがちぎれてしまう。
たわわなたわわの存在が顕になり、絶対絶命の私に陛下がかけた言葉は……。
「【女体化の呪い】だ!」
勘違いした陛下と、今度は男→女になったと偽る私の恋の行き着く先は――?!
勢い強めの3万字ラブコメです。
全18話、5/5の昼には完結します。
他のサイトでも公開しています。
変態婚約者を無事妹に奪わせて婚約破棄されたので気ままな城下町ライフを送っていたらなぜだか王太子に溺愛されることになってしまいました?!
utsugi
恋愛
私、こんなにも婚約者として貴方に尽くしてまいりましたのにひどすぎますわ!(笑)
妹に婚約者を奪われ婚約破棄された令嬢マリアベルは悲しみのあまり(?)生家を抜け出し城下町で庶民として気ままな生活を送ることになった。身分を隠して自由に生きようと思っていたのにひょんなことから光魔法の能力が開花し半強制的に魔法学校に入学させられることに。そのうちなぜか王太子から溺愛されるようになったけれど王太子にはなにやら秘密がありそうで……?!
※適宜内容を修正する場合があります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる