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エルアーラ遺跡編
episode402
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「なんだろ、真っ黒な地面が見えてきたよ」
ベルヴェルクの頭の上に座っていたキュッリッキが、前方を指差して叫んだ。
「あれが、エルアーラ遺跡の入口がある場所だよ」
頭上からベルトルドの優しい声が降ってきて、キュッリッキは見上げながら小さく頷いた。
そこはまるで、かのナルバ山のような草木もないだだっ広い地面が広がっていた。遠目からは、ただの真っ黒な大地にしか見えない。
「ソレル国王のスキル〈才能〉はサイ《超能力》だ。恐らくアルカネットの魔法を見透かして、俺たちを見つけているだろう」
何でもないようにごく普通に言われて、皆ギョッと目を見開く。
「マジでー!?」と騒ぐライオン傭兵団を、ベルトルドはぷちっと叱り飛ばす。
「耄碌ジジイのサイ《超能力》なんぞたかがしれとるわ! 騒いでないで戦闘準備をしろ、大馬鹿者どもが」
「はひっ」
首をすくめた皆は、慌てて戦いの準備を始めた。
「ベルトルド様、そろそろ」
「おう」
アルカネットに促され、ベルトルドは頷いた。
「リッキー、俺たちが出たあと合図を送るから、そうしたらあの四角い場所に降りて、みんなと中へ入りなさい」
「はい」
今度は素直に返事をしてくれたことに安堵して、ベルトルドはにっこり微笑むと、鳥の背を蹴って後ろ向きに宙に飛び出した。アルカネットも躊躇なく続く。
ギョッと驚く皆に不敵な笑みを送り、ベルトルドは宙で身体を反転させると、落下スピードに身を任せ、マントを翻しながら四角い穴を目指して降下していった。
すると四角い穴の中から、軍服をまとった複数の男たちが現れ、ベルトルドとアルカネットに向けて発砲を開始した。それについてライオン傭兵団の皆は心配しておらず、逆に「ご愁傷様……」と敵に合掌を送っていた。
ソレル王国の軍服を着ていることを確認したベルトルドは、片手を上げてアルカネットに合図を送る。アルカネットは「はいはい」と呟いて、イラアルータ・トニトルスの雷撃で攻撃した。
晴天から紫電の光が雨のように降り落ちて、辺りが一瞬強い光に包まれる。鳥の背から見ていたライオン傭兵団は、あまりの眩しさに目を閉じた。
大質量の雷撃を食らったソレル王国兵は、消し炭となって吹き飛ばされ、入口は無残な形に変形してしまった。
「コラコラ、遺跡を壊すな」
「あの入口は遺跡じゃありませんよ。どうせ陰に隠れて伏兵がいたでしょうし、まとめて始末して差し上げただけです」
「ふんっ」
そうして2人は何事もなかったように無事地面に降り立つと、面積を大きく広げた入口の中にスタスタと入っていった。
ベルヴェルクの頭の上に座っていたキュッリッキが、前方を指差して叫んだ。
「あれが、エルアーラ遺跡の入口がある場所だよ」
頭上からベルトルドの優しい声が降ってきて、キュッリッキは見上げながら小さく頷いた。
そこはまるで、かのナルバ山のような草木もないだだっ広い地面が広がっていた。遠目からは、ただの真っ黒な大地にしか見えない。
「ソレル国王のスキル〈才能〉はサイ《超能力》だ。恐らくアルカネットの魔法を見透かして、俺たちを見つけているだろう」
何でもないようにごく普通に言われて、皆ギョッと目を見開く。
「マジでー!?」と騒ぐライオン傭兵団を、ベルトルドはぷちっと叱り飛ばす。
「耄碌ジジイのサイ《超能力》なんぞたかがしれとるわ! 騒いでないで戦闘準備をしろ、大馬鹿者どもが」
「はひっ」
首をすくめた皆は、慌てて戦いの準備を始めた。
「ベルトルド様、そろそろ」
「おう」
アルカネットに促され、ベルトルドは頷いた。
「リッキー、俺たちが出たあと合図を送るから、そうしたらあの四角い場所に降りて、みんなと中へ入りなさい」
「はい」
今度は素直に返事をしてくれたことに安堵して、ベルトルドはにっこり微笑むと、鳥の背を蹴って後ろ向きに宙に飛び出した。アルカネットも躊躇なく続く。
ギョッと驚く皆に不敵な笑みを送り、ベルトルドは宙で身体を反転させると、落下スピードに身を任せ、マントを翻しながら四角い穴を目指して降下していった。
すると四角い穴の中から、軍服をまとった複数の男たちが現れ、ベルトルドとアルカネットに向けて発砲を開始した。それについてライオン傭兵団の皆は心配しておらず、逆に「ご愁傷様……」と敵に合掌を送っていた。
ソレル王国の軍服を着ていることを確認したベルトルドは、片手を上げてアルカネットに合図を送る。アルカネットは「はいはい」と呟いて、イラアルータ・トニトルスの雷撃で攻撃した。
晴天から紫電の光が雨のように降り落ちて、辺りが一瞬強い光に包まれる。鳥の背から見ていたライオン傭兵団は、あまりの眩しさに目を閉じた。
大質量の雷撃を食らったソレル王国兵は、消し炭となって吹き飛ばされ、入口は無残な形に変形してしまった。
「コラコラ、遺跡を壊すな」
「あの入口は遺跡じゃありませんよ。どうせ陰に隠れて伏兵がいたでしょうし、まとめて始末して差し上げただけです」
「ふんっ」
そうして2人は何事もなかったように無事地面に降り立つと、面積を大きく広げた入口の中にスタスタと入っていった。
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