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モナルダ大陸戦争開戦へ編
episode391
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「アタシたちってぇ、働き者だよねえ~」
綺麗に片付いた――さすがに壊れたものは修復しようがなかったが――食堂を見渡して、マリオンが満足そうに微笑んだ。
みんな疲れて椅子に座って、やれやれとくつろいでいたが、やがて食堂にベルトルド、アルカネット、キュッリッキが入ってきて顔を向けた。
「お前たちに話がある」
そう言うと、ベルトルドは空いてるテーブルの上に座り脚を組んだ。
椅子ではなくテーブルの上に座ったため、アルカネットがじろりと睨んだが「説教は聞きません」といった表情で、ツイっと顔を背けてスルーする。
アルカネットは露骨に溜息を吐き出すと、そのテーブルにしまわれていた椅子を引き出して座った。
キュッリッキはメルヴィンの隣に空いていた椅子を見つけると、少し躊躇したが、顔を赤くしながらも積極性を大発揮してその椅子に座った。
隣に座ったキュッリッキに気づいたメルヴィンが、優しい笑みを向ける。キュッリッキも恥ずかしそうにしながらも、にっこり微笑み返した。
ほんわかとした空気が2人の間に漂いだすと、素早く察知したベルトルドとアルカネットが、嫉妬モロ出しの視線をメルヴィンに飛ばす。しかし2人の世界オーラにガードされて、視線は弾き飛ばされてしまった。その弾かれた痛すぎる視線を、ライオン傭兵団の皆は素早く避けた。
このままでは話が脱線する、と悟ったシビルが小さな手を口元に当てて「コホンッ」と咳払いする。
「えっと、どのようなお話でしょう?」
じろりとした視線はそのままにベルトルドが正面を見据えると、何やら複数の話し声がして食堂の入口に姿を現した。
「ガエル、タルコット、ランドン~」
さらに到着したメンバーに、キュッリッキが嬉しそうに声をあげた。
「元気そうだな」
ニヤリとガエルが笑い返すと、タルコットとランドンは無言で片手を上げて挨拶を返した。
食堂の中を見渡したあと、何やら話し中と察して、3人はそのまま壁際に並んだ。
「あと到着してないのはどいつだ?」
ベルトルドは食堂を見渡し、カーティスに顎をしゃくる。
「ハーマンとヴァルトがまだです」
「マリオン、ルー、2人がどのあたりにいるか探せ」
「あ~い」
「へい」
命じられた2人は、透視のために目を閉じて意識をこらす。すぐにマリオンが声を上げた。
「ハーマンみーっけ。あと1時間ほどでぇ、到着するって言ってるぅ」
「ヴァルトのほうは?」
「………えっと………」
ルーファスが目を閉じたまま、物凄くイヤそうな表情を浮かべた。
「昼寝が忙しいから、気が向いたら出発すると。こっから離れた街にいます……」
ベルトルドとアルカネットの眉がぴくりと動く。
「ルーファス、私と意識をリンクしなさい」
片眉をひきつらせたアルカネットが、冷ややかな微笑みを浮かべながらルーファスに顔を向けた。
「は、はひっ」
食堂に生唾を飲む音が静かに響いた。
「いましたね」
ルーファスから送られる映像でヴァルトを見つけたアルカネットは、額に人差し指をあてて一言呟いた。
「ブラベウス・プロクス」
食堂にはなんの変化もなかったが、ルーファスの表情が青ざめ引きつっている。
「飛べばすぐでしょう。今から1時間以内にこないと、本当に焼き鳥にすると言っておきなさい」
「承知しましたっ!」
「全く、世話の焼ける子ですね」
綺麗に片付いた――さすがに壊れたものは修復しようがなかったが――食堂を見渡して、マリオンが満足そうに微笑んだ。
みんな疲れて椅子に座って、やれやれとくつろいでいたが、やがて食堂にベルトルド、アルカネット、キュッリッキが入ってきて顔を向けた。
「お前たちに話がある」
そう言うと、ベルトルドは空いてるテーブルの上に座り脚を組んだ。
椅子ではなくテーブルの上に座ったため、アルカネットがじろりと睨んだが「説教は聞きません」といった表情で、ツイっと顔を背けてスルーする。
アルカネットは露骨に溜息を吐き出すと、そのテーブルにしまわれていた椅子を引き出して座った。
キュッリッキはメルヴィンの隣に空いていた椅子を見つけると、少し躊躇したが、顔を赤くしながらも積極性を大発揮してその椅子に座った。
隣に座ったキュッリッキに気づいたメルヴィンが、優しい笑みを向ける。キュッリッキも恥ずかしそうにしながらも、にっこり微笑み返した。
ほんわかとした空気が2人の間に漂いだすと、素早く察知したベルトルドとアルカネットが、嫉妬モロ出しの視線をメルヴィンに飛ばす。しかし2人の世界オーラにガードされて、視線は弾き飛ばされてしまった。その弾かれた痛すぎる視線を、ライオン傭兵団の皆は素早く避けた。
このままでは話が脱線する、と悟ったシビルが小さな手を口元に当てて「コホンッ」と咳払いする。
「えっと、どのようなお話でしょう?」
じろりとした視線はそのままにベルトルドが正面を見据えると、何やら複数の話し声がして食堂の入口に姿を現した。
「ガエル、タルコット、ランドン~」
さらに到着したメンバーに、キュッリッキが嬉しそうに声をあげた。
「元気そうだな」
ニヤリとガエルが笑い返すと、タルコットとランドンは無言で片手を上げて挨拶を返した。
食堂の中を見渡したあと、何やら話し中と察して、3人はそのまま壁際に並んだ。
「あと到着してないのはどいつだ?」
ベルトルドは食堂を見渡し、カーティスに顎をしゃくる。
「ハーマンとヴァルトがまだです」
「マリオン、ルー、2人がどのあたりにいるか探せ」
「あ~い」
「へい」
命じられた2人は、透視のために目を閉じて意識をこらす。すぐにマリオンが声を上げた。
「ハーマンみーっけ。あと1時間ほどでぇ、到着するって言ってるぅ」
「ヴァルトのほうは?」
「………えっと………」
ルーファスが目を閉じたまま、物凄くイヤそうな表情を浮かべた。
「昼寝が忙しいから、気が向いたら出発すると。こっから離れた街にいます……」
ベルトルドとアルカネットの眉がぴくりと動く。
「ルーファス、私と意識をリンクしなさい」
片眉をひきつらせたアルカネットが、冷ややかな微笑みを浮かべながらルーファスに顔を向けた。
「は、はひっ」
食堂に生唾を飲む音が静かに響いた。
「いましたね」
ルーファスから送られる映像でヴァルトを見つけたアルカネットは、額に人差し指をあてて一言呟いた。
「ブラベウス・プロクス」
食堂にはなんの変化もなかったが、ルーファスの表情が青ざめ引きつっている。
「飛べばすぐでしょう。今から1時間以内にこないと、本当に焼き鳥にすると言っておきなさい」
「承知しましたっ!」
「全く、世話の焼ける子ですね」
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