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それぞれの悪巧み編
episode339
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ベルトルドが催した式典は、全世界に大衝撃を与えてた。
誰もが初めて目にする、神の世界アルケラの住人たち。巨大で化物じみたものを複数呼び寄せることができる召喚スキル〈才能〉の力を、人々は畏怖し、神の力を操れるのは本当だったと思い知った。
召喚スキル〈才能〉を持つ者を保護下に置いている国の王は、あんな召喚は見たことがないのだ。
他のスキル〈才能〉のように、召喚にもランクがあるのだろうか。そういう疑問に支配された王が殆どだろう。
そしてここにも、その疑問に支配され、感極まっている王がいた。
式典の中継が終わり、灰色になったスクリーンを見つめながら、ソレル国王ヴェイセルは激しい興奮に口をわななかせた。
「おお…あの召喚士……なんという力よ」
キュッリッキがアルケラから幻獣を呼び寄せたところは、世界中の誰もが初めて目にした光景だろう。そもそも召喚士が表に出てくることはなく、ましてやその力を振るうところなど、誰も見ることは叶わない。
ヴェイセル自身も、初めて見るものだった。
ソレル王国では現在2人の召喚スキル〈才能〉を持つ者を保護している。間違いなくそれは召喚スキル〈才能〉なのだが、2人の召喚士は何やら形状のあやふやなものを呼び寄せるだけで、それ以上のものは不可能だと言っていた。
しかしキュッリッキというあの小娘は、呼び寄せたモノの名を呼んでいた。
名のあるものは神だということを、ヴェイセルは知らない。見た目はどうあれ、キュッリッキは神を呼び寄せていたのだ。
「我が物にしたい」
この戦争に勝つ以外に、ヴェイセルには新しい目標が出来た。
そう、あの召喚士キュッリッキなる小娘を手に入れることだ。
「あの召喚士を手に入れれば、我の計画は間違いなく成就する。このメリロット王家が、ヤレヴィレフト王家が再び惑星ヒイシの玉座に就くことになるのだ」
ヴェイセルは手にしていた杖で床を小さく叩く。目の前の大きな灰色のスクリーンに、映像が映し出された。
そこにはボルクンド王国バーリエル王、エクダル国首相アッペルトフト、ベルマン公国ヘッグルンド公王が映っている。
酒盃を床に転がし、何やら喚きたてていた。ヴェイセルの尻馬に乗った王たちだ。
ボルクンド王国、エクダル国、ベルマン公国もそれぞれハワドウレ皇国の属国にしかすぎないが、独立を謳ったヴェイセルに賛同し、同盟を結んで連合軍を結成して反旗を翻した。しかし全てをヴェイセルに丸投げして、宣戦布告の後自国を捨てて、いそいそとエルアーラ遺跡まで逃げてきた腰抜けたち。
先ほどの式典の映像を見て、ヴェイセル同様に興奮しているようだった。
「せいぜい、酒でも飲んで、死にゆくまでの短い快楽を貪るがいい…」
この戦争に勝ち、ハワドウレ皇国を退けたあと、ボルクンド王国、エクダル国、ベルマン公国を排除する。酒浸りの王たちなど不要なのだ。
「このエルアーラが本来の姿を取り戻せば、ベルトルドなどという小僧が何をしようと関係ない」
スクリーンに映る3人の王たちを冷ややかに見やり、ヴェイセルは呟く。
「アルケラの力を手にし、ヒイシの王となる!」
誰もが初めて目にする、神の世界アルケラの住人たち。巨大で化物じみたものを複数呼び寄せることができる召喚スキル〈才能〉の力を、人々は畏怖し、神の力を操れるのは本当だったと思い知った。
召喚スキル〈才能〉を持つ者を保護下に置いている国の王は、あんな召喚は見たことがないのだ。
他のスキル〈才能〉のように、召喚にもランクがあるのだろうか。そういう疑問に支配された王が殆どだろう。
そしてここにも、その疑問に支配され、感極まっている王がいた。
式典の中継が終わり、灰色になったスクリーンを見つめながら、ソレル国王ヴェイセルは激しい興奮に口をわななかせた。
「おお…あの召喚士……なんという力よ」
キュッリッキがアルケラから幻獣を呼び寄せたところは、世界中の誰もが初めて目にした光景だろう。そもそも召喚士が表に出てくることはなく、ましてやその力を振るうところなど、誰も見ることは叶わない。
ヴェイセル自身も、初めて見るものだった。
ソレル王国では現在2人の召喚スキル〈才能〉を持つ者を保護している。間違いなくそれは召喚スキル〈才能〉なのだが、2人の召喚士は何やら形状のあやふやなものを呼び寄せるだけで、それ以上のものは不可能だと言っていた。
しかしキュッリッキというあの小娘は、呼び寄せたモノの名を呼んでいた。
名のあるものは神だということを、ヴェイセルは知らない。見た目はどうあれ、キュッリッキは神を呼び寄せていたのだ。
「我が物にしたい」
この戦争に勝つ以外に、ヴェイセルには新しい目標が出来た。
そう、あの召喚士キュッリッキなる小娘を手に入れることだ。
「あの召喚士を手に入れれば、我の計画は間違いなく成就する。このメリロット王家が、ヤレヴィレフト王家が再び惑星ヒイシの玉座に就くことになるのだ」
ヴェイセルは手にしていた杖で床を小さく叩く。目の前の大きな灰色のスクリーンに、映像が映し出された。
そこにはボルクンド王国バーリエル王、エクダル国首相アッペルトフト、ベルマン公国ヘッグルンド公王が映っている。
酒盃を床に転がし、何やら喚きたてていた。ヴェイセルの尻馬に乗った王たちだ。
ボルクンド王国、エクダル国、ベルマン公国もそれぞれハワドウレ皇国の属国にしかすぎないが、独立を謳ったヴェイセルに賛同し、同盟を結んで連合軍を結成して反旗を翻した。しかし全てをヴェイセルに丸投げして、宣戦布告の後自国を捨てて、いそいそとエルアーラ遺跡まで逃げてきた腰抜けたち。
先ほどの式典の映像を見て、ヴェイセル同様に興奮しているようだった。
「せいぜい、酒でも飲んで、死にゆくまでの短い快楽を貪るがいい…」
この戦争に勝ち、ハワドウレ皇国を退けたあと、ボルクンド王国、エクダル国、ベルマン公国を排除する。酒浸りの王たちなど不要なのだ。
「このエルアーラが本来の姿を取り戻せば、ベルトルドなどという小僧が何をしようと関係ない」
スクリーンに映る3人の王たちを冷ややかに見やり、ヴェイセルは呟く。
「アルケラの力を手にし、ヒイシの王となる!」
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