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それぞれの悪巧み編
episode309
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「お呼び立てした要件ですが」
ベルトルドは椅子に座りなおすと、デスクに両肘をついて顎の下で手を組んだ。
「今回のような規模の大きな戦争は、3年前の反乱を抜かせば、ここ数十年マトモに行われておりません。ソレル王国も連合などと称して、他国と結託して気合を入れてきているので、こちらとしても、もっと大々的に手袋を叩きつけ返してやらねばと思いまして」
「ほほう?」
ベルトルドの無邪気な笑顔を見て、ブルーベル将軍は興味津々といった視線を投げかけた。
「盛大に式典を開きたいと思います」
これには2人の無言の反応が返された。
楽しそうにニコニコと笑うベルトルドの顔を見て、キュッリッキは可愛らしく顎に指をあてる。
「式典ってなあに?」
「フフッ、楽しいお祭りのことさ」
にっこりとベルトルドに言われ、キュッリッキは昔、別の国で見た賑やかなお祭りの光景を思い出していた。
小さな村での感謝祭だったが、ご馳走や酒が振舞われ、音楽にダンスに村じゅうが盛り上がっていて、とても楽しそうだった。
それをここでやるのかなと想像し、キュッリッキの表情に楽しげな色が浮かんだ。そんなキュッリッキを見て、アルカネットが小さく苦笑する。
「そして将軍、今回俺は、戦場で大暴れしようと思っています」
ブルーベル将軍は小さな目をめいっぱい見開いた。
ベルトルドの大暴れは、トリプルハリケーンクラスの威力がある。そんなものが戦場で吹き荒れたら、敵味方関係なく昇天してしまうだろう。それを想像すると、ブルーベル将軍は困った表情になった。
「誰に喧嘩を売ったのか、骨の髄までしっかり判らせるためにも、俺直々に暴れるのが一番効果的ですからね。そしてこのアルカネットにも、同じように暴れてもらいます」
これにアルカネットは、無言で肩をすくめてみせた。
アルカネットまで加わった大暴れになると、大陸が沈むレベルになってしまう。もはや天災レベルを超えている。ブルーベル将軍はますます困り果てた。
「軍は全て将軍に丸投げしますので、面倒をよろしくお願いします」
多少は手加減くらいはするだろう、と思うことにして、ブルーベル将軍は目を瞬かせる。
「閣下が直々に暴れるなど、3年ぶりになりますか。コッコラ王国の悲劇もまだ記憶に新しいというのに」
「あの時は、コッコラ王国に俺の部下たちが雇われていまして。今後の成長を促すためにも、徹底的にお仕置きしてやりました。可愛い子は金棒で育てるものです」
ククッとベルトルドは愉快そうに笑った。アルカネットもニコニコしている。
この場で一人話題についていけないキュッリッキが不思議そうにしていると、
「あとでライオンの連中に聞いてみるといい」
ベルトルドから優しく言われ、キュッリッキはこくりと頷いた。
「して、こちらのお嬢さんは、何をするのかな?」
膝の上でおとなしく座るキュッリッキに、ブルーベル将軍は首をかしげてみせた。キュッリッキもブルーベル将軍に、首を傾げてみせる。
ベルトルドは更に楽しそうに笑みを深め、
「彼女には、式典で大活躍していただきます」
ベルトルドは椅子に座りなおすと、デスクに両肘をついて顎の下で手を組んだ。
「今回のような規模の大きな戦争は、3年前の反乱を抜かせば、ここ数十年マトモに行われておりません。ソレル王国も連合などと称して、他国と結託して気合を入れてきているので、こちらとしても、もっと大々的に手袋を叩きつけ返してやらねばと思いまして」
「ほほう?」
ベルトルドの無邪気な笑顔を見て、ブルーベル将軍は興味津々といった視線を投げかけた。
「盛大に式典を開きたいと思います」
これには2人の無言の反応が返された。
楽しそうにニコニコと笑うベルトルドの顔を見て、キュッリッキは可愛らしく顎に指をあてる。
「式典ってなあに?」
「フフッ、楽しいお祭りのことさ」
にっこりとベルトルドに言われ、キュッリッキは昔、別の国で見た賑やかなお祭りの光景を思い出していた。
小さな村での感謝祭だったが、ご馳走や酒が振舞われ、音楽にダンスに村じゅうが盛り上がっていて、とても楽しそうだった。
それをここでやるのかなと想像し、キュッリッキの表情に楽しげな色が浮かんだ。そんなキュッリッキを見て、アルカネットが小さく苦笑する。
「そして将軍、今回俺は、戦場で大暴れしようと思っています」
ブルーベル将軍は小さな目をめいっぱい見開いた。
ベルトルドの大暴れは、トリプルハリケーンクラスの威力がある。そんなものが戦場で吹き荒れたら、敵味方関係なく昇天してしまうだろう。それを想像すると、ブルーベル将軍は困った表情になった。
「誰に喧嘩を売ったのか、骨の髄までしっかり判らせるためにも、俺直々に暴れるのが一番効果的ですからね。そしてこのアルカネットにも、同じように暴れてもらいます」
これにアルカネットは、無言で肩をすくめてみせた。
アルカネットまで加わった大暴れになると、大陸が沈むレベルになってしまう。もはや天災レベルを超えている。ブルーベル将軍はますます困り果てた。
「軍は全て将軍に丸投げしますので、面倒をよろしくお願いします」
多少は手加減くらいはするだろう、と思うことにして、ブルーベル将軍は目を瞬かせる。
「閣下が直々に暴れるなど、3年ぶりになりますか。コッコラ王国の悲劇もまだ記憶に新しいというのに」
「あの時は、コッコラ王国に俺の部下たちが雇われていまして。今後の成長を促すためにも、徹底的にお仕置きしてやりました。可愛い子は金棒で育てるものです」
ククッとベルトルドは愉快そうに笑った。アルカネットもニコニコしている。
この場で一人話題についていけないキュッリッキが不思議そうにしていると、
「あとでライオンの連中に聞いてみるといい」
ベルトルドから優しく言われ、キュッリッキはこくりと頷いた。
「して、こちらのお嬢さんは、何をするのかな?」
膝の上でおとなしく座るキュッリッキに、ブルーベル将軍は首をかしげてみせた。キュッリッキもブルーベル将軍に、首を傾げてみせる。
ベルトルドは更に楽しそうに笑みを深め、
「彼女には、式典で大活躍していただきます」
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