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ライオン傭兵団編
episode12
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「入団テストだとぅ~? 偉そーに」
「ほっといてください。これは私のポリシーです」
「何がポリシーだ、青二才のくせに」
「ライオン傭兵団を作ったのは私です。団員の選定は、私がします」
譲れないものがある、そう意思を込めてベルトルドを睨む。真っ向から睨んでくるカーティスを涼しい顔で見やり、ベルトルドは不満そうに鼻を鳴らした。
静かに白熱しかかる場に、キュッリッキは一歩前に踏み出した。
「アタシ、受けるよ、入団テスト」
カーティスをしっかり見上げて、キュッリッキがきっぱりと声を上げた。
「実力を示せば、ココに入れてもらえるんだね?」
「ええ、そうですね」
「判った」
顎を引いて、キュッリッキはグッと拳を握った。確かに何も知らずに入れてくれるところなど、せいぜい二流か三流の傭兵団くらいだ。誰もが召喚スキル〈才能〉を持っていると聞いただけであっさり許可をする。そうしないだけ、ここは実力重視の傭兵団なのだろうと思った。そして、困惑げなベルトルドを振り返る。
「ベルトルドさんありがとう、ここまで連れてきてくれて」
「キュッリッキ…」
「大丈夫、アタシ頑張るね」
にこっと笑うキュッリッキを、ベルトルドはたまらず抱きしめた。
「本当に愛らしい子だキュッリッキ!」
ぎゅっと抱きしめ、滑らかなキュッリッキの頬をスリスリと頬ずりする。いきなりの行動にキュッリッキは硬直して、されるがままだった。
ここぞとばかりにキュッリッキの滑らかな頬を堪能していたベルトルドは、ピタッと動きを止めて、嫌そうに眉を顰めた。
「ああ、判った判った、すぐに戻る」
忌々しげに呟いて、名残惜しそうにキュッリッキから身体を離す。
「もっと一緒にこうしていたいのだが、もう戻らないといかん。会議に遅れてしまうからな」
「もしかして、お仕事抜けてきちゃったの?」
「まあ、そうだな」
悪びれず笑うベルトルドに、キュッリッキは困ったような薄笑いを向けた。
「というわけで、もう戻る。リューにせっつかれて、尻の穴に危険を感じるのでな」
「……」
「キュッリッキのことは、よろしく頼むぞ」
「判りました」
「念押ししておくが、お前が納得せんでも、キュッリッキは入団させる。いいな」
「それを決めるのは、リーダーの私です」
「っとに可愛げのない…。では、まただ、キュッリッキ」
カーティスには特大の不満顔を向け、キュッリッキには優しい笑顔を向けて、ベルトルドはその場からスッと消えた。
「えっ!? 消えちゃった??」
飛び上がってキュッリッキが驚いていると、クツクツとカーティスは笑った。
「あの御仁はサイ《超能力》スキル〈才能〉を持っています。今のは空間転移、現在確認されているサイ《超能力》使いの中で、あの人しか使えないそうですよ」
「うわあ……凄いんだねえ」
キュッリッキは心底感心しながら、ベルトルドの消えた空間をジッと見つめた。
「ほっといてください。これは私のポリシーです」
「何がポリシーだ、青二才のくせに」
「ライオン傭兵団を作ったのは私です。団員の選定は、私がします」
譲れないものがある、そう意思を込めてベルトルドを睨む。真っ向から睨んでくるカーティスを涼しい顔で見やり、ベルトルドは不満そうに鼻を鳴らした。
静かに白熱しかかる場に、キュッリッキは一歩前に踏み出した。
「アタシ、受けるよ、入団テスト」
カーティスをしっかり見上げて、キュッリッキがきっぱりと声を上げた。
「実力を示せば、ココに入れてもらえるんだね?」
「ええ、そうですね」
「判った」
顎を引いて、キュッリッキはグッと拳を握った。確かに何も知らずに入れてくれるところなど、せいぜい二流か三流の傭兵団くらいだ。誰もが召喚スキル〈才能〉を持っていると聞いただけであっさり許可をする。そうしないだけ、ここは実力重視の傭兵団なのだろうと思った。そして、困惑げなベルトルドを振り返る。
「ベルトルドさんありがとう、ここまで連れてきてくれて」
「キュッリッキ…」
「大丈夫、アタシ頑張るね」
にこっと笑うキュッリッキを、ベルトルドはたまらず抱きしめた。
「本当に愛らしい子だキュッリッキ!」
ぎゅっと抱きしめ、滑らかなキュッリッキの頬をスリスリと頬ずりする。いきなりの行動にキュッリッキは硬直して、されるがままだった。
ここぞとばかりにキュッリッキの滑らかな頬を堪能していたベルトルドは、ピタッと動きを止めて、嫌そうに眉を顰めた。
「ああ、判った判った、すぐに戻る」
忌々しげに呟いて、名残惜しそうにキュッリッキから身体を離す。
「もっと一緒にこうしていたいのだが、もう戻らないといかん。会議に遅れてしまうからな」
「もしかして、お仕事抜けてきちゃったの?」
「まあ、そうだな」
悪びれず笑うベルトルドに、キュッリッキは困ったような薄笑いを向けた。
「というわけで、もう戻る。リューにせっつかれて、尻の穴に危険を感じるのでな」
「……」
「キュッリッキのことは、よろしく頼むぞ」
「判りました」
「念押ししておくが、お前が納得せんでも、キュッリッキは入団させる。いいな」
「それを決めるのは、リーダーの私です」
「っとに可愛げのない…。では、まただ、キュッリッキ」
カーティスには特大の不満顔を向け、キュッリッキには優しい笑顔を向けて、ベルトルドはその場からスッと消えた。
「えっ!? 消えちゃった??」
飛び上がってキュッリッキが驚いていると、クツクツとカーティスは笑った。
「あの御仁はサイ《超能力》スキル〈才能〉を持っています。今のは空間転移、現在確認されているサイ《超能力》使いの中で、あの人しか使えないそうですよ」
「うわあ……凄いんだねえ」
キュッリッキは心底感心しながら、ベルトルドの消えた空間をジッと見つめた。
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