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ライオン傭兵団編
episode08
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不思議そうにキョトンとするキュッリッキを見つめ、ベルトルドは軽く声をたてて笑った。
ベルトルドの持つスキル〈才能〉はサイ《超能力》である。繋いだ手から彼女の考えていることが伝わってきて、それでちょっとからかってみたのだ。何も知らないキュッリッキは、素直に「どうして考えていることが判ったんだろう…」と、頭をグルグルさせていた。
(本当に愛らしい娘だ)
風になびく金糸のような髪は、陽の光を弾いて煌き、ストレートで腰のあたりまである。桃のように白い肌はきめ細かく、ぴたっと吸いつきそうで、滑らかな印象を与えた。桜貝色の薄い唇は、グロスを塗ったように艶やかで、今すぐ奪いたい衝動にかられてベルトルドは気合で堪えていた。見つめ合っていたら、間違いなく吸い付いたに違いない。
元気な雰囲気はあるが、どこか脆く儚い印象もあり、大切に守ってやらねばと思わせる。そんな美少女だ。そしてなにより目が止まるのは、その特異な瞳だろう。
ペリドットのように綺麗な黄緑色の瞳だが、瞳の上には虹色の細かい光彩がまといついている。それほど際立っているわけではないが、時折陽の光を反射して、キラキラと小さく煌くのだ。
これが、召喚スキル〈才能〉を持つ者の証だと言われている。
1億人に一人の確率でしか生まれてこないという、レア中のレアスキル〈才能〉。どういうスキル〈才能〉なのか、あまり詳しいことは判っていない。世間では、神々と幻想の住人たちが暮らすアルケラという世界を覗き見ることができる力、そう伝えられているだけだった。
(手元に置いておけば、そのうち判ることだ)
後ろ盾をしているライオン傭兵団に入れてしまえば、もうどこも手出しができなくなる。ライオン傭兵団ほどマトモな所は、他にはないからだ。なにより、ベルトルドは手放す気は毛頭ない。自ら出向いてまで、スカウトしているのだから。
「アタシ、本当にちゃんとやっていけるのかな」
不安そうな呟きが耳に飛び込んできて、思いを巡らせていたベルトルドは、ハッと我に返った。
「大丈夫さ、心配ない」
そう励ましても、キュッリッキの顔は晴れない。
仕事のことで不安を感じている様子ではなかった。何かもっと別のことで、思い悩んでいる節が見受けられる。
心を覗いても、複雑な感情が渦を巻いていて、悩みの原因がさっぱり視えてこない。
ベルトルドはキュッリッキのほうへ身体を向けると、右の手でキュッリッキの頬に優しく触れた。
「俺がついている。だから、何も心配することはないんだ。いいね?」
そう言って、キュッリッキの額に優しくキスをした。
暫くキュッリッキは目を瞬かせていたが、やがて熟れたトマトのように顔も耳も真っ赤にすると、後ろにひっくり返ってしまった。
ベルトルドの持つスキル〈才能〉はサイ《超能力》である。繋いだ手から彼女の考えていることが伝わってきて、それでちょっとからかってみたのだ。何も知らないキュッリッキは、素直に「どうして考えていることが判ったんだろう…」と、頭をグルグルさせていた。
(本当に愛らしい娘だ)
風になびく金糸のような髪は、陽の光を弾いて煌き、ストレートで腰のあたりまである。桃のように白い肌はきめ細かく、ぴたっと吸いつきそうで、滑らかな印象を与えた。桜貝色の薄い唇は、グロスを塗ったように艶やかで、今すぐ奪いたい衝動にかられてベルトルドは気合で堪えていた。見つめ合っていたら、間違いなく吸い付いたに違いない。
元気な雰囲気はあるが、どこか脆く儚い印象もあり、大切に守ってやらねばと思わせる。そんな美少女だ。そしてなにより目が止まるのは、その特異な瞳だろう。
ペリドットのように綺麗な黄緑色の瞳だが、瞳の上には虹色の細かい光彩がまといついている。それほど際立っているわけではないが、時折陽の光を反射して、キラキラと小さく煌くのだ。
これが、召喚スキル〈才能〉を持つ者の証だと言われている。
1億人に一人の確率でしか生まれてこないという、レア中のレアスキル〈才能〉。どういうスキル〈才能〉なのか、あまり詳しいことは判っていない。世間では、神々と幻想の住人たちが暮らすアルケラという世界を覗き見ることができる力、そう伝えられているだけだった。
(手元に置いておけば、そのうち判ることだ)
後ろ盾をしているライオン傭兵団に入れてしまえば、もうどこも手出しができなくなる。ライオン傭兵団ほどマトモな所は、他にはないからだ。なにより、ベルトルドは手放す気は毛頭ない。自ら出向いてまで、スカウトしているのだから。
「アタシ、本当にちゃんとやっていけるのかな」
不安そうな呟きが耳に飛び込んできて、思いを巡らせていたベルトルドは、ハッと我に返った。
「大丈夫さ、心配ない」
そう励ましても、キュッリッキの顔は晴れない。
仕事のことで不安を感じている様子ではなかった。何かもっと別のことで、思い悩んでいる節が見受けられる。
心を覗いても、複雑な感情が渦を巻いていて、悩みの原因がさっぱり視えてこない。
ベルトルドはキュッリッキのほうへ身体を向けると、右の手でキュッリッキの頬に優しく触れた。
「俺がついている。だから、何も心配することはないんだ。いいね?」
そう言って、キュッリッキの額に優しくキスをした。
暫くキュッリッキは目を瞬かせていたが、やがて熟れたトマトのように顔も耳も真っ赤にすると、後ろにひっくり返ってしまった。
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