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美人コンテスト編
episode592
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夕食は豪華な会席料理で、米で作ったという酒もみんな気に入り、見た目も美しい男女の芸人たちが様々な芸を披露して、朝顔の間はドンチャン大騒ぎになった。
そんな中、メルヴィンはルーファスとマリオンに呼ばれ、こっそりと朝顔の間を出た。
「なにか用ですか?」
物陰に連れ込まれ、目をぱちくりさせるメルヴィンに、ルーファスはそっと耳に口を寄せる。
「今夜がチャンスだよ、メルヴィン」
「チャンス?ですか?」
「そーそー。今ね、キューリちゃん一人で温泉に浸かってる」
「鳳凰の間っていう~、露天風呂付きのお部屋にいるのぉ」
マリオンがニタニタと気持ちの悪い笑顔を向ける。
「ひ、一人、ですか」
2人が言わんとしていることを察し、メルヴィンの顔が真っ赤になる。
「やっぱさー、こんなイイトコ来たんだし、温泉だよ! 一発しっかりキメときたいよね~」
「しっぽり温泉に浸かりながらぁ、ムードをぎゅんぎゅん高め合って、その勢いでキューリちゃんの処女をいただいちゃうのよぉ~」
「温泉で身も心もほぐれてるだろうし、ムードにのまれて、初エッチでもきっと怖がらないと思うんだよねえ」
「むしろ、自分から積極的になるとおもうわあ~」
「そっ……そうでしょうか」
「腹を括れメルヴィン! キューリちゃんに大人の男という一面もしっかり示し、キューリちゃんを女にしてやるんだ!」
「ここで成功すればぁ、この先ぃ、好き~な時に抱きたい放題よぉ!」
抱きたい放題はともかく、そう、いつかは通らなければならない道だ。
抱いて欲しいと言われれば、すぐにでも応えるつもりではいる。しかし先が見えないほど、現在のキュッリッキからは色っぽい要求は期待できそうもない。
温泉の力を借りれば、自然と求め合って、キュッリッキを抱くことができるだろうか。もしできれば素直に嬉しい。確かにチャンスだ。
「あの…、その…、が、頑張ってみま…す」
思いっきりゴクリと生唾を飲み込んで、メルヴィンはグッと拳を握った。
「頑張ってメルヴィン! お邪魔虫が乱入してこないように、ドアには鍵をかけるんだよ」
「オッサンたちに気づかれないようにぃ、アタシたちも頑張るう~!」
バシッとマリオンに背中を叩かれ、メルヴィンはド緊張の足取りで、鳳凰の間を目指した。
ルーファスとマリオンに応援されて、メルヴィンはいつになくヤル気が漲っていた。
(やっと、今夜結ばれるかな…)
愛しいキュッリッキを、抱きたいと毎日思っていた。
色気のない身体だのちっぱいなどと周りは言うが、メルヴィンから見ればキュッリキの姿はどこまでも悩ましい。理性を総動員しなければ耐えられないほど、眩しく見えるのだ。
(処女を抱いた経験はナイんだけど、オレ、ちゃんと出来るかな)
ベルトルドやルーファスのように、女性経験がそれほど豊富ではない。昔は恋人がいたし、そう多くはないが娼婦と遊んだこともある。でも、処女で無垢な少女を抱くのは初めての経験だ。
急に自信が萎えてきて、メルヴィンは慌てて頭を振った。
(オレがしっかりしなきゃ)
そう心の中で強く思い、もう一度メルヴィンは自分に気合を入れた。
そんな中、メルヴィンはルーファスとマリオンに呼ばれ、こっそりと朝顔の間を出た。
「なにか用ですか?」
物陰に連れ込まれ、目をぱちくりさせるメルヴィンに、ルーファスはそっと耳に口を寄せる。
「今夜がチャンスだよ、メルヴィン」
「チャンス?ですか?」
「そーそー。今ね、キューリちゃん一人で温泉に浸かってる」
「鳳凰の間っていう~、露天風呂付きのお部屋にいるのぉ」
マリオンがニタニタと気持ちの悪い笑顔を向ける。
「ひ、一人、ですか」
2人が言わんとしていることを察し、メルヴィンの顔が真っ赤になる。
「やっぱさー、こんなイイトコ来たんだし、温泉だよ! 一発しっかりキメときたいよね~」
「しっぽり温泉に浸かりながらぁ、ムードをぎゅんぎゅん高め合って、その勢いでキューリちゃんの処女をいただいちゃうのよぉ~」
「温泉で身も心もほぐれてるだろうし、ムードにのまれて、初エッチでもきっと怖がらないと思うんだよねえ」
「むしろ、自分から積極的になるとおもうわあ~」
「そっ……そうでしょうか」
「腹を括れメルヴィン! キューリちゃんに大人の男という一面もしっかり示し、キューリちゃんを女にしてやるんだ!」
「ここで成功すればぁ、この先ぃ、好き~な時に抱きたい放題よぉ!」
抱きたい放題はともかく、そう、いつかは通らなければならない道だ。
抱いて欲しいと言われれば、すぐにでも応えるつもりではいる。しかし先が見えないほど、現在のキュッリッキからは色っぽい要求は期待できそうもない。
温泉の力を借りれば、自然と求め合って、キュッリッキを抱くことができるだろうか。もしできれば素直に嬉しい。確かにチャンスだ。
「あの…、その…、が、頑張ってみま…す」
思いっきりゴクリと生唾を飲み込んで、メルヴィンはグッと拳を握った。
「頑張ってメルヴィン! お邪魔虫が乱入してこないように、ドアには鍵をかけるんだよ」
「オッサンたちに気づかれないようにぃ、アタシたちも頑張るう~!」
バシッとマリオンに背中を叩かれ、メルヴィンはド緊張の足取りで、鳳凰の間を目指した。
ルーファスとマリオンに応援されて、メルヴィンはいつになくヤル気が漲っていた。
(やっと、今夜結ばれるかな…)
愛しいキュッリッキを、抱きたいと毎日思っていた。
色気のない身体だのちっぱいなどと周りは言うが、メルヴィンから見ればキュッリキの姿はどこまでも悩ましい。理性を総動員しなければ耐えられないほど、眩しく見えるのだ。
(処女を抱いた経験はナイんだけど、オレ、ちゃんと出来るかな)
ベルトルドやルーファスのように、女性経験がそれほど豊富ではない。昔は恋人がいたし、そう多くはないが娼婦と遊んだこともある。でも、処女で無垢な少女を抱くのは初めての経験だ。
急に自信が萎えてきて、メルヴィンは慌てて頭を振った。
(オレがしっかりしなきゃ)
そう心の中で強く思い、もう一度メルヴィンは自分に気合を入れた。
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