652 / 882
美人コンテスト編
episode589
しおりを挟む
「ぶえっくしょーい!」
盛大にクシャミをしたベルトルドは、スンッと鼻をすする。
「一瞬背筋がブルッたな……。しかしここは、まず大風呂を堪能せねばなるまいっ!」
腕を組み、いつもの尊大な態度できっぱり吠えた。
部屋で浴衣なる着物に着替えた皆は湯殿に集合し、男女に分かれてまず大風呂に入ることになった。
木の香る広々とした脱衣所で浴衣を脱ぎ、ベルトルドは一番で外に飛び出した。
「これはイイ眺めだなあ。それに大きな浴槽だ」
素っ裸で前を隠さず、両手を腰に当ててふんぞり返る。
「ベルトルド様、こちらの洗い場で身体を先に洗ってください。そのまま入らないように」
「おう」
アルカネットに言われて、素直に応じて洗い場に向かう。
「相変わらず、デケーな…」
ベルトルド、アルカネット、ヴァルト、メルヴィンの股間をしみじみ見て、ギャリーはゲッソリと肩を落とした。
「貴様が粗チンなだけだ。とっとと身体を洗え、股間もしっかり洗っとけよ」
素っ気なく断言され、ギャリーはデカイ身体を小さくした。
「気にするなって。オレたちが標準サイズなんだからサ」
ルーファスは朗らかに言うが、あんまり慰めに聞こえないのが虚しい。
顔が美形なうえに、股間のモノもデカイ。ちっぱいなを気にするキュッリッキの気持ちが、なんとなく判るギャリーだった。
さっさと身体を洗い終えたベルトルドとアルカネットは、喜々として湯船に飛び込んだ。
「これは最高だなあ」
「ええ、お湯が全然違いますね」
無邪気にはしゃぐ2人に続き、身体を洗い終えた皆も湯船に飛び込んでいった。
まだ明るい青空の下、竹の清々しい香りと桧の香りに包まれ、至福の時間が湯殿に漂う。
身体に沁みるような気持ちのイイ湯にうっとりと浸かる男性陣のもとに、キャッキャ囀る女性陣の声が静寂を破った。
皆一斉に女性風呂の方角へと顔を向ける。
「うわー、ひっろいお風呂!」
「ほらリッキー、先に身体を洗ってからよ」
「はーい」
「う~ん、これはぁ眺めのイイ~~~お風呂ねぇ~」
「お嬢様、ボディソープはこれを使ってくださいませ」
「あら、キューリちゃんったらぁ、ココつるつるじゃなあぃ」
「だってこんなところに毛が生えててもしょうがないし、邪魔だし剃っちゃった」
「それから生えてきてないの?」
「うん」
ベルトルドがいきなりガバッと立ち上がる。隣にいたタルコットが、ギョッとして目を剥いた。
(だから、超デカすぎ……)
「リッキーのアソコはつるつるだとぅ!」
握り拳をググッと震わせ、ベルトルドは鼻の穴を大きくして、荒々しく鼻息を吐き出した。興奮度MAXで、股間はすっかりバーニングだ。
「あってもなくても、リッキーさんなら許せます」
キュッリッキの裸体を思い浮かべ、アルカネットはうっとりと呟く。
(そっか…リッキーのアソコの毛は、ナイんですね…)
メルヴィンは俯くと、心の中でちょっと嬉しそうに思った。恋人同士となってまだ日は浅いが、肉体関係までは進めていない。まだ見ぬキュッリッキの裸体を想像し、暫く立ち上がれない股間になり焦る。
「しかしケシカラん! この鬱陶しいまでの塀はなんだ!!」
「全くですよねー。さっきから透視してるんですけど、全然視えないんですよ」
ベルトルドに頷きながら、ルーファスが困ったように言う。
「おめえ、透視してたんかい」
呆れ顔で言うギャリーに、ルーファスがイタズラっ子の顔を向けた。
「ほらやっぱり、覗きはお約束じゃない?」
「オッサンでも透視出来ないって、特別仕様なのか、この塀?」
ザカリーが首をかしげる。
「オッサン言うな馬鹿者! これはスキル〈才能〉対策の施された特殊仕様の建材を使っているな」
魔法やサイ《超能力》といったレアスキル〈才能〉が存在するため、そうした特殊な力を跳ね除ける建材も多く開発され、建築物等に使うことも多い。
「あなたのような不心得者対策ですよ。覗きなどという下品な振る舞いは慎みなさい」
「ンぐっ」
アルカネットに冷ややかに言われて、ベルトルドは眉をヒクヒクさせた。
「ほ~ら、キューリちゃんのおっぱい揉んじゃうわよん~」
「やだーもー、マリオンのエッチぃ」
再び羨ましい会話が聴こえてきて、ベルトルドはたまらず塀に飛びついた。
「あわわ、オッサン落ち着け!」
「何をしているんですかベルトルド様!!」
「ふおおおおお俺は意地でも覗くぞリッキーーーー!!!」
絶叫を喚き散らしながら塀をよじ登ろうとするベルトルドを、アルカネットとライオン傭兵団は慌てて止めに入った。
「にゅ? なんか塀の向こうが賑やかだね」
湯船に肩まで浸かりながら、キュッリッキは塀のほうを向く。
「発情したオッサンが、暴れてるっぽいねぇ~」
クスッとマリオンが笑う。
「もしかして、挑発するように色々言ってたでしょ、マリオンさん」
マリオンの意図を察して、ファニーは困ったように肩をすくめた。
「そりゃぁ、露天風呂のお約束よ、お・や・く・そ・く」
盛大にクシャミをしたベルトルドは、スンッと鼻をすする。
「一瞬背筋がブルッたな……。しかしここは、まず大風呂を堪能せねばなるまいっ!」
腕を組み、いつもの尊大な態度できっぱり吠えた。
部屋で浴衣なる着物に着替えた皆は湯殿に集合し、男女に分かれてまず大風呂に入ることになった。
木の香る広々とした脱衣所で浴衣を脱ぎ、ベルトルドは一番で外に飛び出した。
「これはイイ眺めだなあ。それに大きな浴槽だ」
素っ裸で前を隠さず、両手を腰に当ててふんぞり返る。
「ベルトルド様、こちらの洗い場で身体を先に洗ってください。そのまま入らないように」
「おう」
アルカネットに言われて、素直に応じて洗い場に向かう。
「相変わらず、デケーな…」
ベルトルド、アルカネット、ヴァルト、メルヴィンの股間をしみじみ見て、ギャリーはゲッソリと肩を落とした。
「貴様が粗チンなだけだ。とっとと身体を洗え、股間もしっかり洗っとけよ」
素っ気なく断言され、ギャリーはデカイ身体を小さくした。
「気にするなって。オレたちが標準サイズなんだからサ」
ルーファスは朗らかに言うが、あんまり慰めに聞こえないのが虚しい。
顔が美形なうえに、股間のモノもデカイ。ちっぱいなを気にするキュッリッキの気持ちが、なんとなく判るギャリーだった。
さっさと身体を洗い終えたベルトルドとアルカネットは、喜々として湯船に飛び込んだ。
「これは最高だなあ」
「ええ、お湯が全然違いますね」
無邪気にはしゃぐ2人に続き、身体を洗い終えた皆も湯船に飛び込んでいった。
まだ明るい青空の下、竹の清々しい香りと桧の香りに包まれ、至福の時間が湯殿に漂う。
身体に沁みるような気持ちのイイ湯にうっとりと浸かる男性陣のもとに、キャッキャ囀る女性陣の声が静寂を破った。
皆一斉に女性風呂の方角へと顔を向ける。
「うわー、ひっろいお風呂!」
「ほらリッキー、先に身体を洗ってからよ」
「はーい」
「う~ん、これはぁ眺めのイイ~~~お風呂ねぇ~」
「お嬢様、ボディソープはこれを使ってくださいませ」
「あら、キューリちゃんったらぁ、ココつるつるじゃなあぃ」
「だってこんなところに毛が生えててもしょうがないし、邪魔だし剃っちゃった」
「それから生えてきてないの?」
「うん」
ベルトルドがいきなりガバッと立ち上がる。隣にいたタルコットが、ギョッとして目を剥いた。
(だから、超デカすぎ……)
「リッキーのアソコはつるつるだとぅ!」
握り拳をググッと震わせ、ベルトルドは鼻の穴を大きくして、荒々しく鼻息を吐き出した。興奮度MAXで、股間はすっかりバーニングだ。
「あってもなくても、リッキーさんなら許せます」
キュッリッキの裸体を思い浮かべ、アルカネットはうっとりと呟く。
(そっか…リッキーのアソコの毛は、ナイんですね…)
メルヴィンは俯くと、心の中でちょっと嬉しそうに思った。恋人同士となってまだ日は浅いが、肉体関係までは進めていない。まだ見ぬキュッリッキの裸体を想像し、暫く立ち上がれない股間になり焦る。
「しかしケシカラん! この鬱陶しいまでの塀はなんだ!!」
「全くですよねー。さっきから透視してるんですけど、全然視えないんですよ」
ベルトルドに頷きながら、ルーファスが困ったように言う。
「おめえ、透視してたんかい」
呆れ顔で言うギャリーに、ルーファスがイタズラっ子の顔を向けた。
「ほらやっぱり、覗きはお約束じゃない?」
「オッサンでも透視出来ないって、特別仕様なのか、この塀?」
ザカリーが首をかしげる。
「オッサン言うな馬鹿者! これはスキル〈才能〉対策の施された特殊仕様の建材を使っているな」
魔法やサイ《超能力》といったレアスキル〈才能〉が存在するため、そうした特殊な力を跳ね除ける建材も多く開発され、建築物等に使うことも多い。
「あなたのような不心得者対策ですよ。覗きなどという下品な振る舞いは慎みなさい」
「ンぐっ」
アルカネットに冷ややかに言われて、ベルトルドは眉をヒクヒクさせた。
「ほ~ら、キューリちゃんのおっぱい揉んじゃうわよん~」
「やだーもー、マリオンのエッチぃ」
再び羨ましい会話が聴こえてきて、ベルトルドはたまらず塀に飛びついた。
「あわわ、オッサン落ち着け!」
「何をしているんですかベルトルド様!!」
「ふおおおおお俺は意地でも覗くぞリッキーーーー!!!」
絶叫を喚き散らしながら塀をよじ登ろうとするベルトルドを、アルカネットとライオン傭兵団は慌てて止めに入った。
「にゅ? なんか塀の向こうが賑やかだね」
湯船に肩まで浸かりながら、キュッリッキは塀のほうを向く。
「発情したオッサンが、暴れてるっぽいねぇ~」
クスッとマリオンが笑う。
「もしかして、挑発するように色々言ってたでしょ、マリオンさん」
マリオンの意図を察して、ファニーは困ったように肩をすくめた。
「そりゃぁ、露天風呂のお約束よ、お・や・く・そ・く」
0
お気に入りに追加
151
あなたにおすすめの小説
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

覚悟はありますか?
翔王(とわ)
恋愛
私は王太子の婚約者として10年以上すぎ、王太子妃教育も終わり、学園卒業後に結婚し王妃教育が始まる間近に1人の令嬢が発した言葉で王族貴族社会が荒れた……。
「あたし、王太子妃になりたいんですぅ。」
ご都合主義な創作作品です。
異世界版ギャル風な感じの話し方も混じりますのでご了承ください。
恋愛カテゴリーにしてますが、恋愛要素は薄めです。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!
山田みかん
ファンタジー
「貴方には剣と魔法の異世界へ行ってもらいますぅ~」
────何言ってんのコイツ?
あれ? 私に言ってるんじゃないの?
ていうか、ここはどこ?
ちょっと待てッ!私はこんなところにいる場合じゃないんだよっ!
推しに会いに行かねばならんのだよ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる