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美人コンテスト編
episode575
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「ドコでやるんっすか? 今日はイララクス中の飲み屋は満員ですぜ」
世界中から傭兵たちが集まり、一般の観客も多く、特にハーツイーズ街は大混雑だ。カフェやレストランの類は毛頭にないギャリーが、眉を寄せ怪訝そうに言うと、
「ビーチでやる」
そう言って、ドヤ顔のベルトルドは西の方を指さした。
「あっちの方に用意してある。どうせお前らのことだ、ドコにも予約は入れてないだろうしな」
「そうでしょうね。それにリッキーさんが優勝することは間違いないことだったので、あらかじめ祝賀会の用意をしてあります」
アルカネットが朗らかに補足する。キュッリッキが負けることなど寸分も疑っていない、自信たっぷりな2人の成せる技だ。
「祝賀会?」
嬉しそうに興味を示したキュッリッキに、ベルトルドはにっこりと微笑む。
「バーベキューを中心に、リッキーの好きなお菓子や、色々な料理も用意してあるぞ。酒も飲み放題だ」
これにはライオン傭兵団も身を乗り出し反応した。酒の飲み放題なら大歓迎である。
「わあ~、じゃあ、ファニーとハドリーも一緒に行っていい?」
「ああ、リッキーの友人だからな、連れてくるといい」
「わーい、ありがとう」
ずっと蚊帳の外だったファニーとハドリーに、キュッリッキは無邪気に笑いかけた。
「一緒に行こっ」
「い、いいのかな、あたしたち部外者なのに…」
ファニーとハドリーは、おっかなびっくりな体で顔を見合わせる。お偉い筆頭のベルトルドもいるし、いくらキュッリッキと友達でも遠慮してしまう。
「ベルトルドさんがイイって言ってるから、行こーよー。久しぶりに会えたんだし」
キュッリッキは二人の手を握り、ぐいっと引っ張った。
新しい仲間たちができても、友達なのだ。一緒にいたいし話したいことも山ほどある。以前よりも、こうして会えなくなってしまった。
キュッリッキの気持ちを察し、2人は小さく頷いた。
「なら、お邪魔しちゃおっかな」
「ご相伴にあずかります」
ファニーとハドリーは、ベルトルドにぺこりと頭を下げた。
「よし、ついてこい!」
ベルトルドを先頭に、ぞろぞろと西へ向けて皆歩き始めた。
喧騒が去り、波の音が耳に心地よく響く頃、鼻先を香ばしい匂いが掠め始めた。
「くんか、くんか……肉の焼ける匂い!」
頭の後ろで両手を組み、退屈そうに歩いていたヴァルトがクワッと吠えた。
「俺様の肉~~~~!!」
そして勢いよく走り出す。
「相変わらず一直線な子ネ。綺麗な顔なのに、ホントもったいないわあ」
金髪を振り乱し駆けていく後ろ姿を見つめ、肩をすくめたリュリュは至極残念そうに呟く。
顔と中身が一致しない、今に始まったことではない。
「オレも腹減った~」
「ボクも!」
ヴァルトにつられたように、ライオン傭兵団も駆け足になる。
「俺も腹減っていたんだ。仕事終わってすぐこちらへ来たからな」
お腹のあたりを摩りながら、ベルトルドも足を速めた。
「そうねン」
世界中から傭兵たちが集まり、一般の観客も多く、特にハーツイーズ街は大混雑だ。カフェやレストランの類は毛頭にないギャリーが、眉を寄せ怪訝そうに言うと、
「ビーチでやる」
そう言って、ドヤ顔のベルトルドは西の方を指さした。
「あっちの方に用意してある。どうせお前らのことだ、ドコにも予約は入れてないだろうしな」
「そうでしょうね。それにリッキーさんが優勝することは間違いないことだったので、あらかじめ祝賀会の用意をしてあります」
アルカネットが朗らかに補足する。キュッリッキが負けることなど寸分も疑っていない、自信たっぷりな2人の成せる技だ。
「祝賀会?」
嬉しそうに興味を示したキュッリッキに、ベルトルドはにっこりと微笑む。
「バーベキューを中心に、リッキーの好きなお菓子や、色々な料理も用意してあるぞ。酒も飲み放題だ」
これにはライオン傭兵団も身を乗り出し反応した。酒の飲み放題なら大歓迎である。
「わあ~、じゃあ、ファニーとハドリーも一緒に行っていい?」
「ああ、リッキーの友人だからな、連れてくるといい」
「わーい、ありがとう」
ずっと蚊帳の外だったファニーとハドリーに、キュッリッキは無邪気に笑いかけた。
「一緒に行こっ」
「い、いいのかな、あたしたち部外者なのに…」
ファニーとハドリーは、おっかなびっくりな体で顔を見合わせる。お偉い筆頭のベルトルドもいるし、いくらキュッリッキと友達でも遠慮してしまう。
「ベルトルドさんがイイって言ってるから、行こーよー。久しぶりに会えたんだし」
キュッリッキは二人の手を握り、ぐいっと引っ張った。
新しい仲間たちができても、友達なのだ。一緒にいたいし話したいことも山ほどある。以前よりも、こうして会えなくなってしまった。
キュッリッキの気持ちを察し、2人は小さく頷いた。
「なら、お邪魔しちゃおっかな」
「ご相伴にあずかります」
ファニーとハドリーは、ベルトルドにぺこりと頭を下げた。
「よし、ついてこい!」
ベルトルドを先頭に、ぞろぞろと西へ向けて皆歩き始めた。
喧騒が去り、波の音が耳に心地よく響く頃、鼻先を香ばしい匂いが掠め始めた。
「くんか、くんか……肉の焼ける匂い!」
頭の後ろで両手を組み、退屈そうに歩いていたヴァルトがクワッと吠えた。
「俺様の肉~~~~!!」
そして勢いよく走り出す。
「相変わらず一直線な子ネ。綺麗な顔なのに、ホントもったいないわあ」
金髪を振り乱し駆けていく後ろ姿を見つめ、肩をすくめたリュリュは至極残念そうに呟く。
顔と中身が一致しない、今に始まったことではない。
「オレも腹減った~」
「ボクも!」
ヴァルトにつられたように、ライオン傭兵団も駆け足になる。
「俺も腹減っていたんだ。仕事終わってすぐこちらへ来たからな」
お腹のあたりを摩りながら、ベルトルドも足を速めた。
「そうねン」
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