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アン=マリー女学院からの依頼編
episode558
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(ベルぅ、プライベートもなにも、仕事ほっぽりだして出てきたんだから、帰ったら全ての業務を終えるまで帰れないわよ?)
(ヤダ! 今夜はリッキーと大事な約束があるんだ!!)
(ほーお、リッキーさんと……。それは、どんな、約束なんでしょう?)
(そ…それはだな……)
(ちゃーんと理由を言ってごらんなさい)
アルカネットとリュリュに畳み掛けられて、ベルトルドはンぐっと喉をつまらせた。
キュッリッキの処女をもらう約束。
言えるわけがない。言ったら最後、絶対! 100パーセント! 完璧にっ阻止されるに決まっているのだ。
(邪魔されてなるものか!)
「リッキーさん」
「ふにゅ?」
輝くばかりの優しい笑顔でアルカネットに呼ばれ、キュッリッキはなんだろうと顔を向ける。
「今日は何か、ベルトルド様とお約束をしているのですか?」
キュッリッキはキョトンとした顔をして、可愛らしく不思議そうに首をかしげた。
「何もしてないよ?」
その一言に、ベルトルドが「えっ!?」と身を乗り出す。
「そんなはずはなかろう!? 一発ヤラせてくれるって」
「ほほお、何を、一発ヤラせてくれると?」
「しまったっ」
全身から冷気を吹き出したアルカネットに、底冷えするような笑顔を向けられて、ベルトルドは露骨に引きつった。うっかり口が滑ってしまった。
「リッキー、そんなこと言ったんですか?」
メルヴィンがひどく困惑したように言うと、キュッリッキは「あ」と呟いてメルヴィンを見上げた。
「ベルトルドさんを連れ出すのにそう言ってみたの。だって、”一発ヤラせてあげる”って言えば、なんだって言うこと聞いてくれるって、前にルーさんから教えてもらったんだもん」
無邪気に白状するキュッリッキに、メルヴィンは疲れたような溜息を吐いた。当然、その言葉の意味が判っていない。
「ルーファス」
「は、はひっ」
冷気を声にするとこんな感じなのか、と思わせる声で名を呼ばれ、ルーファスは血も凍るほど顔を青ざめさせた。これはマズイ展開だ。
「皇都に戻ったら、たっぷりお説教しますから、マリオン共々首を揃えて覚悟なさい」
「それだけはどうぞご容赦くださいお許し下さいご勘弁をおおおお!!」
その場に土下座して、ルーファスは両手を合わせて必死に謝り倒した。もちろんアルカネットは見ちゃいないし聞いちゃいない。
「さてベル、あとはアルカネットに任せて、アタシたちは帰るわよ。お仕事山のように溜まっているんだから、しっかり片付けましょうネ」
「ヤダ! 俺はリッキーと一発するんだ!!」
「そんなにしたいんだったら、アタシのお尻に、あーたのアツイ暴れん棒を好きなだけぶちこんでくれてかまわなくてよ」
腰をくねらせるリュリュに、ンふっと擦り寄られて、ベルトルドは激しく頭を降った。
「誰が貴様の汚いケツになぞするかどアホ!!」
「ちょっと、ベル」
「いでででっ」
思いっきり耳を引っ張られ、ベルトルドは顔をしかめた。
「あーたにもたっぷりお仕置きが必要ね。ハーメンリンナに戻ったら、存分にねっとりお仕置きしてから、山のようなお仕事の続きヨっ」
「だが断る!!」
「問答無用じゃごるぁあっ!!」
リュリュは男声に戻って怒鳴ると、ベルトルドの耳を引っ張りながら、エグザイル・システムのあるほうへと歩いて行った。
(ヤダ! 今夜はリッキーと大事な約束があるんだ!!)
(ほーお、リッキーさんと……。それは、どんな、約束なんでしょう?)
(そ…それはだな……)
(ちゃーんと理由を言ってごらんなさい)
アルカネットとリュリュに畳み掛けられて、ベルトルドはンぐっと喉をつまらせた。
キュッリッキの処女をもらう約束。
言えるわけがない。言ったら最後、絶対! 100パーセント! 完璧にっ阻止されるに決まっているのだ。
(邪魔されてなるものか!)
「リッキーさん」
「ふにゅ?」
輝くばかりの優しい笑顔でアルカネットに呼ばれ、キュッリッキはなんだろうと顔を向ける。
「今日は何か、ベルトルド様とお約束をしているのですか?」
キュッリッキはキョトンとした顔をして、可愛らしく不思議そうに首をかしげた。
「何もしてないよ?」
その一言に、ベルトルドが「えっ!?」と身を乗り出す。
「そんなはずはなかろう!? 一発ヤラせてくれるって」
「ほほお、何を、一発ヤラせてくれると?」
「しまったっ」
全身から冷気を吹き出したアルカネットに、底冷えするような笑顔を向けられて、ベルトルドは露骨に引きつった。うっかり口が滑ってしまった。
「リッキー、そんなこと言ったんですか?」
メルヴィンがひどく困惑したように言うと、キュッリッキは「あ」と呟いてメルヴィンを見上げた。
「ベルトルドさんを連れ出すのにそう言ってみたの。だって、”一発ヤラせてあげる”って言えば、なんだって言うこと聞いてくれるって、前にルーさんから教えてもらったんだもん」
無邪気に白状するキュッリッキに、メルヴィンは疲れたような溜息を吐いた。当然、その言葉の意味が判っていない。
「ルーファス」
「は、はひっ」
冷気を声にするとこんな感じなのか、と思わせる声で名を呼ばれ、ルーファスは血も凍るほど顔を青ざめさせた。これはマズイ展開だ。
「皇都に戻ったら、たっぷりお説教しますから、マリオン共々首を揃えて覚悟なさい」
「それだけはどうぞご容赦くださいお許し下さいご勘弁をおおおお!!」
その場に土下座して、ルーファスは両手を合わせて必死に謝り倒した。もちろんアルカネットは見ちゃいないし聞いちゃいない。
「さてベル、あとはアルカネットに任せて、アタシたちは帰るわよ。お仕事山のように溜まっているんだから、しっかり片付けましょうネ」
「ヤダ! 俺はリッキーと一発するんだ!!」
「そんなにしたいんだったら、アタシのお尻に、あーたのアツイ暴れん棒を好きなだけぶちこんでくれてかまわなくてよ」
腰をくねらせるリュリュに、ンふっと擦り寄られて、ベルトルドは激しく頭を降った。
「誰が貴様の汚いケツになぞするかどアホ!!」
「ちょっと、ベル」
「いでででっ」
思いっきり耳を引っ張られ、ベルトルドは顔をしかめた。
「あーたにもたっぷりお仕置きが必要ね。ハーメンリンナに戻ったら、存分にねっとりお仕置きしてから、山のようなお仕事の続きヨっ」
「だが断る!!」
「問答無用じゃごるぁあっ!!」
リュリュは男声に戻って怒鳴ると、ベルトルドの耳を引っ張りながら、エグザイル・システムのあるほうへと歩いて行った。
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