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アン=マリー女学院からの依頼編
episode554
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シビルが割って入ると、すぐさまルーファスはエルダー街のアジトにいるカーティスに念話を送った。
(ええ、2人の調査が完了して、黒幕が判ったんです)
待つことなく返答が返ってきて、ルーファスは頷いた。
(その様子だと、キューリさんが一緒にいるんでしょうか? もしかして、ベルトルド卿も)
(うん。ブロムストランド共和国の首都を吹っ飛ばして、シェシュティン院長を縛り上げて、オレらのいるヴェルゼットまでヤッテキタヨ)
(………吹っ飛ばしたんですか)
(みたい……。オマケにブロムストランドの首相の生死も定かではないくらい、徹底的にやってきたみたいヨ)
(いつものこととはいえ……我々は知らぬ存ぜぬの姿勢でいきますよ)
(んだね)
カーティスとの通信を打ち切り、サッと説明する。
「相変わらず調査に関しては、優秀な奴らだな」
ベルトルドが率直に褒めると、シビルが薄く笑う。
「王女をさっさと送り届けて、仕事を終わらせろ。報酬交渉はタルコットにでもやらせておけば、確実に倍額ぼったくれるだろう」
「お任せあれ」
戦闘がろくに行えなかったストレスを満面に浮かべ、タルコットは頷いた。
「先程から気になっていたのですが、あの方はもしかして……」
メルヴィンの胸に顔を伏せていたイリニア王女が、後ろを振り返りながら呟く。
「ええ、ハワドウレ皇国の副宰相兼軍総帥の、ベルトルド様です」
「まあ、やはりそうでしたか」
先月の世界中継の際に見た人物であると判り、イリニア王女は身をすくめた。宣戦布告の中継の時には思わなかったが、ソレル国王を処刑した時のベルトルドがあまりにも恐ろしくて、気を失ってしまったのだ。
今はああして、泣きじゃくる少女を優しく慰めている姿だが、イリニア王女はどうにも馴染めそうもなかった。
キュッリッキを優しく見つめていたベルトルドは、イリニア王女の視線を感じて顔を上げた。そして「おや?」とあることに気づく。
「あ! 汽車の時間だよ~。オレらそろそろ乗らないと」
「コレどうするんです?」
コレ、とシビルが縛られているシェシュティン院長を指差す。
「連行するしかナイけど、切符買ってないよー。あの汽車全席指定だから、貨物に乗せておいてもらう?」
「一応、人間ですし……」
「俺が首都まで連れて行ってやろう。汽車で移動となると、時間がかかりすぎる」
「あざーっす!」と、ライオン傭兵団の皆は素直に歓喜を上げる。
ベルトルドは怖いが、空間転移で連れて行ってもらえるのはラクチンだからだ。
「切符代損したなあ…、払い戻しできないっぽいし」
エグザイル・システムと違って、汽車は利用にお金がかかる。更に、国によって値段も違い、ワイ・メア大陸鉄道に比べると、少し高めだった。利用客数に違いがあるからである。
「切符代も割増で払ってもらえばいい! いくぞバカども」
まだ泣いているキュッリッキをしっかり抱きしめ、シェシュティン院長を足で踏みつけ、ライオン傭兵団とイリニア王女を連れ、ベルトルドは空間転移した。
(ええ、2人の調査が完了して、黒幕が判ったんです)
待つことなく返答が返ってきて、ルーファスは頷いた。
(その様子だと、キューリさんが一緒にいるんでしょうか? もしかして、ベルトルド卿も)
(うん。ブロムストランド共和国の首都を吹っ飛ばして、シェシュティン院長を縛り上げて、オレらのいるヴェルゼットまでヤッテキタヨ)
(………吹っ飛ばしたんですか)
(みたい……。オマケにブロムストランドの首相の生死も定かではないくらい、徹底的にやってきたみたいヨ)
(いつものこととはいえ……我々は知らぬ存ぜぬの姿勢でいきますよ)
(んだね)
カーティスとの通信を打ち切り、サッと説明する。
「相変わらず調査に関しては、優秀な奴らだな」
ベルトルドが率直に褒めると、シビルが薄く笑う。
「王女をさっさと送り届けて、仕事を終わらせろ。報酬交渉はタルコットにでもやらせておけば、確実に倍額ぼったくれるだろう」
「お任せあれ」
戦闘がろくに行えなかったストレスを満面に浮かべ、タルコットは頷いた。
「先程から気になっていたのですが、あの方はもしかして……」
メルヴィンの胸に顔を伏せていたイリニア王女が、後ろを振り返りながら呟く。
「ええ、ハワドウレ皇国の副宰相兼軍総帥の、ベルトルド様です」
「まあ、やはりそうでしたか」
先月の世界中継の際に見た人物であると判り、イリニア王女は身をすくめた。宣戦布告の中継の時には思わなかったが、ソレル国王を処刑した時のベルトルドがあまりにも恐ろしくて、気を失ってしまったのだ。
今はああして、泣きじゃくる少女を優しく慰めている姿だが、イリニア王女はどうにも馴染めそうもなかった。
キュッリッキを優しく見つめていたベルトルドは、イリニア王女の視線を感じて顔を上げた。そして「おや?」とあることに気づく。
「あ! 汽車の時間だよ~。オレらそろそろ乗らないと」
「コレどうするんです?」
コレ、とシビルが縛られているシェシュティン院長を指差す。
「連行するしかナイけど、切符買ってないよー。あの汽車全席指定だから、貨物に乗せておいてもらう?」
「一応、人間ですし……」
「俺が首都まで連れて行ってやろう。汽車で移動となると、時間がかかりすぎる」
「あざーっす!」と、ライオン傭兵団の皆は素直に歓喜を上げる。
ベルトルドは怖いが、空間転移で連れて行ってもらえるのはラクチンだからだ。
「切符代損したなあ…、払い戻しできないっぽいし」
エグザイル・システムと違って、汽車は利用にお金がかかる。更に、国によって値段も違い、ワイ・メア大陸鉄道に比べると、少し高めだった。利用客数に違いがあるからである。
「切符代も割増で払ってもらえばいい! いくぞバカども」
まだ泣いているキュッリッキをしっかり抱きしめ、シェシュティン院長を足で踏みつけ、ライオン傭兵団とイリニア王女を連れ、ベルトルドは空間転移した。
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