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アン=マリー女学院からの依頼編
episode548
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「首相府はあそこか。軍の施設も近くあるはずだが……あれだな」
東の方角に目的の建物などを見つけ、ベルトルドは掌に意識を集中させた。
白金色に光る電気エネルギーが凝縮され、次第に三叉戟の形を成していった。黄金に輝く三叉戟、ベルトルドの必殺技雷霆(ケラウノス)だ。
もう片方の掌にも雷霆(ケラウノス)を作り出し、両手に雷霆(ケラウノス)を掴むと、クロスさせて首相府と軍施設に向かって投げつけた。
空気中の電気も吸収して質量を増しながら、雷霆(ケラウノス)はそれぞれの場所に突き刺さる。その瞬間、三叉戟の形をしていた雷霆(ケラウノス)はぐにゃりと形を崩し、四方八方に強大な電気エネルギーを撒き散らして、破壊と火災を広げながら、やがて大きく爆発した。
「うわあ……なんか、凄いんだあ」
街からやや離れた場所からでも、その災害模様ははっきりと見えている。フェンリルの背に乗りながら、キュッリッキは青空に吸い込まれるようにあがる火柱を眺めた。
あらかじめベルトルドに避難場所を指定され、大人しく様子を見ていた。
普段こんなふうに力を使うベルトルドを見たことがなかったので、キュッリッキにとっては新鮮だった。偉そうにしているか、鼻の下を伸ばしている姿しか知らないからだ。
「ベルトルドさん怒らせたら、アタシもあんなふうに燃やされちゃうのかな…」
それはないだろう、とフェンリルは否定するように首を振る。キュッリッキに手をあげるベルトルドなど想像がつかない。
「黒幕はあれで一網打尽だね。たぶん吹っ飛んじゃっただろうし。あとは実行犯を捕まえて、トゥルーク王国の首都にしょっ引いていけば終わりかな~」
キュッリッキは淡々と呟く。
いまだ爆発はやまず、青空の一部が朱色に染まるほど酷い大火災を起こしていた。黒い煙と赤い炎は、規模を街全体に広げていく。しかしキュッリッキはそれを見ていても、少しも心を動かされなかった。むしろ、清々すらしている。
メルヴィンと遠く引き離された、依頼の元凶を作り出したものだからだ。メルヴィンとの間を裂くものは、全部灰になればいい。そう冷え冷えとキュッリッキは心で呟いていた。
「リッキー、終わったぞ。次へ行こうか」
空間転移でベルトルドが戻ってくると、キュッリッキは無邪気な笑顔を向けて頷いた。
東の方角に目的の建物などを見つけ、ベルトルドは掌に意識を集中させた。
白金色に光る電気エネルギーが凝縮され、次第に三叉戟の形を成していった。黄金に輝く三叉戟、ベルトルドの必殺技雷霆(ケラウノス)だ。
もう片方の掌にも雷霆(ケラウノス)を作り出し、両手に雷霆(ケラウノス)を掴むと、クロスさせて首相府と軍施設に向かって投げつけた。
空気中の電気も吸収して質量を増しながら、雷霆(ケラウノス)はそれぞれの場所に突き刺さる。その瞬間、三叉戟の形をしていた雷霆(ケラウノス)はぐにゃりと形を崩し、四方八方に強大な電気エネルギーを撒き散らして、破壊と火災を広げながら、やがて大きく爆発した。
「うわあ……なんか、凄いんだあ」
街からやや離れた場所からでも、その災害模様ははっきりと見えている。フェンリルの背に乗りながら、キュッリッキは青空に吸い込まれるようにあがる火柱を眺めた。
あらかじめベルトルドに避難場所を指定され、大人しく様子を見ていた。
普段こんなふうに力を使うベルトルドを見たことがなかったので、キュッリッキにとっては新鮮だった。偉そうにしているか、鼻の下を伸ばしている姿しか知らないからだ。
「ベルトルドさん怒らせたら、アタシもあんなふうに燃やされちゃうのかな…」
それはないだろう、とフェンリルは否定するように首を振る。キュッリッキに手をあげるベルトルドなど想像がつかない。
「黒幕はあれで一網打尽だね。たぶん吹っ飛んじゃっただろうし。あとは実行犯を捕まえて、トゥルーク王国の首都にしょっ引いていけば終わりかな~」
キュッリッキは淡々と呟く。
いまだ爆発はやまず、青空の一部が朱色に染まるほど酷い大火災を起こしていた。黒い煙と赤い炎は、規模を街全体に広げていく。しかしキュッリッキはそれを見ていても、少しも心を動かされなかった。むしろ、清々すらしている。
メルヴィンと遠く引き離された、依頼の元凶を作り出したものだからだ。メルヴィンとの間を裂くものは、全部灰になればいい。そう冷え冷えとキュッリッキは心で呟いていた。
「リッキー、終わったぞ。次へ行こうか」
空間転移でベルトルドが戻ってくると、キュッリッキは無邪気な笑顔を向けて頷いた。
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