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番外編・2
コッコラ王国の悲劇・8
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ベルトルドから貴重な情報を仕入れたライオン傭兵団は、翌日すぐさま情報収集に走り出した。
皇国軍が動き出すという機密情報は、さすがにギルドでも掴んでいないようだったが、コッコラ王国側からの情報は、色々と世間に漏れ伝わっているようだ。
情報収集や分析を得意とするペルラとブルニタルは、コッコラ王国側の情報を入念に回収していた。
「お膝元から各国のギルドに対し、傭兵募集を密かに行い出したようですね」
「皇国側にはバレバレになってそうだけど、ホントに戦争仕掛ける腹積もりっぽいね」
2人は武者震いのため、尻尾をピーンッと逆立てヒゲをそよがせた。共にネコのトゥーリ族であるペルラとブルニタルは、幼い頃からの顔馴染みだ。友達ではない、と2人共思っているが、カーティスにスカウトされたブルニタルは、すぐにペルラを紹介して、傭兵団に引き入れるくらいの付き合いは続いていた。
ペルラは戦闘スキル〈才能〉の持ち主で、元はトゥーリ族の種族統一国ロフレス王国の暗殺部員だった。剣術系で短剣を得意とし、極めて特殊な”アサシン”という技術も習得している。
ブルニタルから紹介を受けたカーティスが、ライオン傭兵団にスカウトして迎え入れた経緯があるが、まだ新興の傭兵団なので仕事が少ない。宮仕えをしていたときよりも仕事が少ないので、こうして仕事になりそうな話なら大いに協力することは惜しまない。
「だいたいの情報はこんなものでしょうね。一度戻ってみんなに報告しましょう」
ブルニタルは革の手帳に、ビッシリ文字を書き連ねて頷く。
記憶スキル〈才能〉を持つブルニタルは、何故か手帳にメモをする癖がある。
記憶スキル〈才能〉は、一度体験したこと、経験したこと、目にしたもの、味わったもの、耳にした音、感触、全てを死ぬまで覚え続けるものだ。痴呆症とも無縁なスキル〈才能〉とのデータも公式に上がっている。
分厚い辞典を1冊通して読めば、それが記憶の中に100%正確に内容が残る。音楽を聴かせれば、音程の一つ一つも正確に覚えている。地味に思われがちなスキル〈才能〉だが、これほど便利なものはないと言われていた。
しかしブルニタルは「いくら記憶スキル〈才能〉があるといっても、動揺していたり感情が昂ぶったり追い詰められると、うまく記憶を辿れないことがあるので、本当に大事なことや重要なことは、メモをとるようにしているんです」と言い張っている。
記憶をたどれなくなる事態は現在起きていないが、傭兵である身では何があるか判らない、という点では用心深いだろう。
2人は最後に近くの酒場へ入って客たちの噂話を拾い上げると、すぐさまアジトへの帰路に着いた。
皇国軍が動き出すという機密情報は、さすがにギルドでも掴んでいないようだったが、コッコラ王国側からの情報は、色々と世間に漏れ伝わっているようだ。
情報収集や分析を得意とするペルラとブルニタルは、コッコラ王国側の情報を入念に回収していた。
「お膝元から各国のギルドに対し、傭兵募集を密かに行い出したようですね」
「皇国側にはバレバレになってそうだけど、ホントに戦争仕掛ける腹積もりっぽいね」
2人は武者震いのため、尻尾をピーンッと逆立てヒゲをそよがせた。共にネコのトゥーリ族であるペルラとブルニタルは、幼い頃からの顔馴染みだ。友達ではない、と2人共思っているが、カーティスにスカウトされたブルニタルは、すぐにペルラを紹介して、傭兵団に引き入れるくらいの付き合いは続いていた。
ペルラは戦闘スキル〈才能〉の持ち主で、元はトゥーリ族の種族統一国ロフレス王国の暗殺部員だった。剣術系で短剣を得意とし、極めて特殊な”アサシン”という技術も習得している。
ブルニタルから紹介を受けたカーティスが、ライオン傭兵団にスカウトして迎え入れた経緯があるが、まだ新興の傭兵団なので仕事が少ない。宮仕えをしていたときよりも仕事が少ないので、こうして仕事になりそうな話なら大いに協力することは惜しまない。
「だいたいの情報はこんなものでしょうね。一度戻ってみんなに報告しましょう」
ブルニタルは革の手帳に、ビッシリ文字を書き連ねて頷く。
記憶スキル〈才能〉を持つブルニタルは、何故か手帳にメモをする癖がある。
記憶スキル〈才能〉は、一度体験したこと、経験したこと、目にしたもの、味わったもの、耳にした音、感触、全てを死ぬまで覚え続けるものだ。痴呆症とも無縁なスキル〈才能〉とのデータも公式に上がっている。
分厚い辞典を1冊通して読めば、それが記憶の中に100%正確に内容が残る。音楽を聴かせれば、音程の一つ一つも正確に覚えている。地味に思われがちなスキル〈才能〉だが、これほど便利なものはないと言われていた。
しかしブルニタルは「いくら記憶スキル〈才能〉があるといっても、動揺していたり感情が昂ぶったり追い詰められると、うまく記憶を辿れないことがあるので、本当に大事なことや重要なことは、メモをとるようにしているんです」と言い張っている。
記憶をたどれなくなる事態は現在起きていないが、傭兵である身では何があるか判らない、という点では用心深いだろう。
2人は最後に近くの酒場へ入って客たちの噂話を拾い上げると、すぐさまアジトへの帰路に着いた。
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