片翼の召喚士-Rework-

ユズキ

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勇気と決断編

episode479

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「だ、だめなんだから………」

 ぎゅっと固く閉じようとする脚の間に手を滑り込ませ、ベルトルドはキュッリッキの耳元で優しく囁く。

「脚の力を抜いて」

 顔を赤らめながら、キュッリッキは小さくイヤイヤと首を振る。

「イケナイ子だ」

 ベルトルドは優しく微笑みかけると、はやる気持ちを抑えながらキュッリッキの上に覆いかぶさった。

 濃厚に唇を重ねながら、押し入るように舌を滑り込ませる。舌を絡ませようとすると、キュッリッキもおずおずといったように舌を絡ませてきた。それが愛おしくて夢中で吸い上げた。

 脚の力も次第に緩やかになり、そっと手で押し広げてやる。そして閉じないように身体を割り込ませた。



「リッキー……いくぞ……」

 むにゃむにゃと、幸せそうなニヤケ顔を浮かべるベルトルドを、キュッリッキは傍らに座って不思議そうに見つめていた。

 自分の名前をつぶやいているところから、夢の中に登場しているんだろうと想像出来る。しかし、どこへ行こうとしているのかは判らない。

 寝言で夢を推し量れるほど器用ではないので、きっと楽しいところへ行くんだろうな、とキュッリッキは思った。

 まさか夢の中でオカズにされているなど思いもよらないキュッリッキは、ベルトルドを起こすべく、幸せそうな顔をペチペチと叩く。

「ベルトルドさん、朝だよ~。もう起きないと遅刻しちゃうよー」

 両肩を掴んで揺さぶるが、ニヤケ顔は止まらない。むしろ「ぐふふふふ」と気持ちの悪い笑い声すらあがるしまつ。

「ンもー、しょうがないなあ。どうして毎朝こんな感じなのかな」

 ベルトルド邸へきて一緒に寝起きするようになって、ベルトルドを起こすことに苦労を強いられる。

 起こし始めて最低1時間は必要で、中々起こせずにいるとアルカネットも加わり、終いには魔法を使った過激な起こし方になる。

 傍で見ていると怖いし、いつ死んでもおかしくないほど手加減しないので、アルカネットが来る前にどうにか起こそうとキュッリッキは必死になった。

 キュッリッキはフェンリルとフローズヴィトニルが寝ているクッションを取り上げると、2匹が転がり落ちるのも無視してベッドに戻る。フェンリルが怒りながら抗議するのもほっといて、ベルトルドの腹の上に馬乗りになり、クッションでバフバフと顔に叩きつけた。

「起きろ~~! 朝なんだから~~~!!」

 力いっぱい叩くが、幸せそうなニヤケ顔のままベルトルドは起きない。

 キュッリッキはベルトルドの上から降りて、再び傍らに座り込む。そのニヤケ顔を恨めしそうに睨みつけ、ふとそれが目の端に付いた。

「??」

 ベルトルドのパジャマの股間が、妙に盛り上がっている。

 以前裸で寝ていたベルトルドの股間に、巨大ナマコを発見したことを思い出し、キュッリッキはギョッと顔を強ばらせた。

「ど、どうしよう……またナマコが食らいついてるのかな……」
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