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第1章
【第一章】エピローグ 1
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「終わったね、ティーナ」
キラキラな笑顔で、アレクサンダーはそう言ってぎゅっと私を抱き締める。
「うん、終わったね」
私の返しにアレクサンダーは、ほっと安堵の吐息を吐く。
「とりあえず、帰ろっか?」
「そうしよう、ティーナ」
そう答えてアレクサンダーは、抱き締めてた腕をほどくが、ディバインロッドを持っていない左手を取ると勝手に繋ぐ。ニコニコしているアレクサンダーに、止めろとは言えずそのまま放置にする事に決めた。
ロッドを握り、カツリと床を叩き唱える。
「帰還」
宝玉が淡く光り、私達の視界が歪んで消えた。
そうして、次の瞬間に視界が開けると見慣れた室内にいた。学園内の女性徒専用寮の自室だ。一人部屋なので、とりあえず誰からも邪魔はされない。
はぁ……と、一息吐いてからアレクサンダーに告げてみる。
「アレク、私疲れたから休みたいのだけど?」
「あ、ごめん。気が利かないよね」
言うが早いか私をお姫さまだっこして、部屋に備え付けてある三人掛けのソファに運ぶ。ストンと下ろしてから、勝手知ったる我が家のように保存魔法が掛かった戸棚(日本で言う冷蔵庫の様なものだが、温かいものも温かいままだと言う優れもの)から、温かい紅茶の入っているティーポットと揃いカップ、皿にのったクッキーと果実のタルトケーキ、スプーンフォークが入ったカトラリーセットを出してくる。そして、私の目の前のテーブルに置く。
「……何で知ってるの、アレク?」
「僕がレスティーナの事で、知らない事ってそんなにないよ? ただ、離されていた時だけ見て貰えない、触れない、声が聞こえないだけだったから、近くではずっと見てたよ」
キラキラ笑顔で宣うのだが、なんだろう物凄いヤンデレ率アップしていませんか? ねえっ!?
「…………アレクそれは……」
久々にがっつりと、大ダメージを私は受ける。
ーーーーいやあああああ! ヤンデレストーカーに進化してるぅぅ! 爽やか天使君に戻ってええええ!
アレクサンダーは、すたすたと私の隣に座り、私の腰に手を回したかと思うと、ひょいッと抱え上げて自分の膝の上に下ろす。私を抱えながら、空いた手で紅茶をカップに注いで、クッキーを一つ摘まみ私の口へと持って来る。
「はい、ティーナ」
にっこりと微笑むアレクサンダーに私は白旗を早々に上げる。
「ん……」
口を開けてぱくりと、クッキーを咀嚼する。それを見ている、アレクサンダーの嬉しそうな笑顔ったら可愛いこと。思わずきゅんとなってしまう。
私も大概にアレクサンダー大好きなんだよねぇ。
もう自分で食べるのはいいや、甲斐甲斐しく世話をアレクサンダーに任せてしまえ! と一種の悟りの極地に意識を追いやってから、首から下がっているギルドカードを手にする。
ギルドカードを見ると、装備品項目が開かれていて、次の様に記載させていた。
───────────────────────────
【特殊防具】バルキリーの魔法衣
(SSS神具レアアイテム)
各種耐性、魔法耐性、物理耐性、毒耐性。
特殊効果、詠唱短縮。
【特殊武器】ディバインロッド
(SSS神具レアアイテム)
特殊効果、回復魔法50%向上、詠唱短縮。
追加効果、魔法力向上、魔法範囲拡大。
特殊スキル『聖なる裁き』がランダム発動。
悪魔、不死、闇属性に50%のダメージ追加。
【特殊アイテム】アイテムバック
腰のバックで、バルキリーの魔法衣に装着している。ミネルヴァの空間拡張魔法が、掛かっているアイテムボックス。
【加護の指輪】魔法衣、ロッド、バックを収容してしまう指輪。
────────────────────────────
「うわ、凄い」
各種耐性追加効果も凄いんだけど、アイテムボックスすら収容してしまう指輪が凄いわ。問題はバックにガッツリ入れて指輪に収納すると、変身しないとダメって所かな。まぁ、常からこの姿は色々な意味で目立つから、するのは控えるけど。
ふむふむと考えていると、横からアレクサンダーがタルトにのった果物をフォークに指して私の口まで運ぶ。
「ティーナ、あーん」
「あーん」
ぱくりと頬張って食べる。あ、意外と甘くて美味しい。そうそう、果物は地球と同じものが多いただ、地球の果物全部を知っている訳じゃないので、どこまで同じなのかは判定不可能である。でもって、今食べているのは苺である。
咀嚼し終わると、紅茶の入ったカップが差し出される。
「はい」
「……アレク、それは自分で飲むわ」
「だぁめ」
アレクサンダーに自分で飲めると告げると、むすっとした顔付きになって却下される。
仕方ないので私は、アレクサンダーが近づけたカップに口を付け、適温になった紅茶を半分飲む。程好い渋味が甘い苺と合う。
ほぅっと息をついて、はたと気が付く。
手にはディバインロッドを持ったままだった事に。
「クローズ」
私は呟く。すると魔法衣、杖が瞬時に消えて服装も元通りになった。
「へぇ……立って居ようが座って居ようが関係ないんだ」
そして、視線をもう一度ギルドカードに移動させると、さっきまで表示されていた項目が消えていた。
残っていたのは、一行だけ。
──────────────────────────
【加護の指輪】魔法衣、ロッド、バックを収容済み。
──────────────────────────
「こう表示変更されるんだ」
なるほどと、私は納得する。そして、本命のスキル項目を表示させる。やり方はスマホとかの要領と同じでスライドさせるだけである。
とは言え、面倒な……と言うか頭を悩ますスキルの振り直しが待っているのである。習得したスキルは、上位スキルに枝分かれするのでちゃんと考えて取らないといけないって訳。
テレポートは転職した時点で取れる、プリースト固有スキル自動習得なのでさっき唱えられたんだよね。
とりあえず、アレクサンダーを構うのが先か、スキルが先かを決めなければなるまい。
キラキラな笑顔で、アレクサンダーはそう言ってぎゅっと私を抱き締める。
「うん、終わったね」
私の返しにアレクサンダーは、ほっと安堵の吐息を吐く。
「とりあえず、帰ろっか?」
「そうしよう、ティーナ」
そう答えてアレクサンダーは、抱き締めてた腕をほどくが、ディバインロッドを持っていない左手を取ると勝手に繋ぐ。ニコニコしているアレクサンダーに、止めろとは言えずそのまま放置にする事に決めた。
ロッドを握り、カツリと床を叩き唱える。
「帰還」
宝玉が淡く光り、私達の視界が歪んで消えた。
そうして、次の瞬間に視界が開けると見慣れた室内にいた。学園内の女性徒専用寮の自室だ。一人部屋なので、とりあえず誰からも邪魔はされない。
はぁ……と、一息吐いてからアレクサンダーに告げてみる。
「アレク、私疲れたから休みたいのだけど?」
「あ、ごめん。気が利かないよね」
言うが早いか私をお姫さまだっこして、部屋に備え付けてある三人掛けのソファに運ぶ。ストンと下ろしてから、勝手知ったる我が家のように保存魔法が掛かった戸棚(日本で言う冷蔵庫の様なものだが、温かいものも温かいままだと言う優れもの)から、温かい紅茶の入っているティーポットと揃いカップ、皿にのったクッキーと果実のタルトケーキ、スプーンフォークが入ったカトラリーセットを出してくる。そして、私の目の前のテーブルに置く。
「……何で知ってるの、アレク?」
「僕がレスティーナの事で、知らない事ってそんなにないよ? ただ、離されていた時だけ見て貰えない、触れない、声が聞こえないだけだったから、近くではずっと見てたよ」
キラキラ笑顔で宣うのだが、なんだろう物凄いヤンデレ率アップしていませんか? ねえっ!?
「…………アレクそれは……」
久々にがっつりと、大ダメージを私は受ける。
ーーーーいやあああああ! ヤンデレストーカーに進化してるぅぅ! 爽やか天使君に戻ってええええ!
アレクサンダーは、すたすたと私の隣に座り、私の腰に手を回したかと思うと、ひょいッと抱え上げて自分の膝の上に下ろす。私を抱えながら、空いた手で紅茶をカップに注いで、クッキーを一つ摘まみ私の口へと持って来る。
「はい、ティーナ」
にっこりと微笑むアレクサンダーに私は白旗を早々に上げる。
「ん……」
口を開けてぱくりと、クッキーを咀嚼する。それを見ている、アレクサンダーの嬉しそうな笑顔ったら可愛いこと。思わずきゅんとなってしまう。
私も大概にアレクサンダー大好きなんだよねぇ。
もう自分で食べるのはいいや、甲斐甲斐しく世話をアレクサンダーに任せてしまえ! と一種の悟りの極地に意識を追いやってから、首から下がっているギルドカードを手にする。
ギルドカードを見ると、装備品項目が開かれていて、次の様に記載させていた。
───────────────────────────
【特殊防具】バルキリーの魔法衣
(SSS神具レアアイテム)
各種耐性、魔法耐性、物理耐性、毒耐性。
特殊効果、詠唱短縮。
【特殊武器】ディバインロッド
(SSS神具レアアイテム)
特殊効果、回復魔法50%向上、詠唱短縮。
追加効果、魔法力向上、魔法範囲拡大。
特殊スキル『聖なる裁き』がランダム発動。
悪魔、不死、闇属性に50%のダメージ追加。
【特殊アイテム】アイテムバック
腰のバックで、バルキリーの魔法衣に装着している。ミネルヴァの空間拡張魔法が、掛かっているアイテムボックス。
【加護の指輪】魔法衣、ロッド、バックを収容してしまう指輪。
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「うわ、凄い」
各種耐性追加効果も凄いんだけど、アイテムボックスすら収容してしまう指輪が凄いわ。問題はバックにガッツリ入れて指輪に収納すると、変身しないとダメって所かな。まぁ、常からこの姿は色々な意味で目立つから、するのは控えるけど。
ふむふむと考えていると、横からアレクサンダーがタルトにのった果物をフォークに指して私の口まで運ぶ。
「ティーナ、あーん」
「あーん」
ぱくりと頬張って食べる。あ、意外と甘くて美味しい。そうそう、果物は地球と同じものが多いただ、地球の果物全部を知っている訳じゃないので、どこまで同じなのかは判定不可能である。でもって、今食べているのは苺である。
咀嚼し終わると、紅茶の入ったカップが差し出される。
「はい」
「……アレク、それは自分で飲むわ」
「だぁめ」
アレクサンダーに自分で飲めると告げると、むすっとした顔付きになって却下される。
仕方ないので私は、アレクサンダーが近づけたカップに口を付け、適温になった紅茶を半分飲む。程好い渋味が甘い苺と合う。
ほぅっと息をついて、はたと気が付く。
手にはディバインロッドを持ったままだった事に。
「クローズ」
私は呟く。すると魔法衣、杖が瞬時に消えて服装も元通りになった。
「へぇ……立って居ようが座って居ようが関係ないんだ」
そして、視線をもう一度ギルドカードに移動させると、さっきまで表示されていた項目が消えていた。
残っていたのは、一行だけ。
──────────────────────────
【加護の指輪】魔法衣、ロッド、バックを収容済み。
──────────────────────────
「こう表示変更されるんだ」
なるほどと、私は納得する。そして、本命のスキル項目を表示させる。やり方はスマホとかの要領と同じでスライドさせるだけである。
とは言え、面倒な……と言うか頭を悩ますスキルの振り直しが待っているのである。習得したスキルは、上位スキルに枝分かれするのでちゃんと考えて取らないといけないって訳。
テレポートは転職した時点で取れる、プリースト固有スキル自動習得なのでさっき唱えられたんだよね。
とりあえず、アレクサンダーを構うのが先か、スキルが先かを決めなければなるまい。
応援ありがとうございます!
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