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第4章 unfairのちfair
7.
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道仁の手がパジャマの上着の裾から中に潜りこみ、手のひらが素肌に貼りつく。
「道仁さんっ、ちょっと――」
「待たない」
道仁は先回りして琴子の云いたかったこととは反対のことを云い、腹部に置いた手を脇腹に滑らせ、腋へとのぼらせていく。
琴子はくすぐったさに身をよじり、その間に胸の横に差しかかった手が下からふくらみをすくって持ちあげた。胸をくるむようにしながら手のひらが回転する。指先がゆっくり次々と胸先をかすめていく。
あっ。
鳥肌の立つような感覚とともになだらかだったふくらみが張りつめて、道仁の小指が触れる頃には頂上がつんと尖った。
「琴子は敏感すぎる」
揶揄しているのでも不満でもなく、悦に入った含み笑いが背後でこぼれる。
一時の快楽が去って、そこから立ち直るさなかに道仁の手は腋から腕へと伝う。されるがまま琴子は中途半端な万歳をさせられた。パジャマと一緒にキャミソールも捲りあがって、頭から脱がされる。そのまま取り去られると思ったら、服が纏わりついたまま腕は強制的におろされた。
道仁は、琴子の肩に引っかかった服を引っぱりつつ、おろしていく。自ずと琴子の腕は背中側にまわった。パジャマとキャミソールは丸まり、肘に差しかかったところで道仁は手を止めた。そうして琴子の背中は道仁に引き寄せられる。
「道仁さん、腕が動かせないから……」
琴子が云い終わらないうちに、道仁の手はパジャマのパンツの中に忍びこむ。手を這わせながら琴子のお尻を持ちあげて下着ごと剥いでいき、足首から取り去った。次には膝の裏が支えられて広げられ――
「あ、待って……っ」
と、止める間もなく道仁はあぐらをほどいて、琴子の脚の間に脚を割りこませながら膝を立てて開いた。必然的に琴子は道仁の腿に膝を引っかける恰好になり、脚が大きく開かされた。
「こんな恰好……っ」
「たまには変化も必要だ。琴子を飽きさせるわけにはいかない」
にやついた声が耳もとで囁きかけた。
「やっ、耳ダメっ」
だめと云ったにもかかわらず道仁は笑い、耳に吐息を吹きつける。背中からぞわっとした感覚が走って、琴子は身ぶるいをした。
「電話で話すのが好きだって云ってたはずだ。だから、わざわざメールじゃなく電話してやってる。呼びだすなんていう手間をかけているぶん、ご褒美をくれてもいいだろう」
道仁の声は琴子にとって致命傷となる武器だ。耳もとで艶めいた声が奏でられる間中、おなかの奥が疼いてたまらなかった。
電話で道仁の声を聞くと間近に感じるから、確かに好きだ。じかに聞く声は云うまでもなく好きだけれど、いまみたいに息づかいまで耳に届くと腰が砕けそうになる。
そもそも、飽きさせるも何も、琴子はセックスに限らず、道仁といて少しも飽きたり退屈だったりすることはない。『ご褒美』といったとおり、この無防備な恰好は道仁自身のためだ。
「こんな恰好じゃなくっても……!」
「本当に嫌がっているかどうか、琴子の躰には、言葉よりも雄弁に答えを語る場所がある」
道仁は思わせぶりな言葉を吐くと、まずは、と胸の麓を両側ともすくい上げて搾るようにしながら、最後は親指と人差し指の腹で胸先を抓む。
あくっ。
琴子はびくんと、胸を突きだすように跳ねた。
「ここは立ちあがってるだけじゃない、硬くなってる。そしてもう一つ……」
道仁の右手だけ腹部を伝って、琴子の脚の間に滑り落ちていく。過敏な部分は剥きだしで、指先がそこを通りがかると、琴子は悲鳴をあげながら腰をびくつかせた。中心が手のひらで覆われる。
道仁は中指を折り、入り口をまさぐった。少し動かしただけで、指の動きはなめらかになった。琴子にも、ぬるりとした感触がわかる。
「ちょっと胸を触っただけで濡れてる。それとも――おれの声がそうさせた?」
もったいぶった問いに重なった含み笑いは、蕩けだすような感覚のもと琴子から力を奪った。
「道仁さんっ、ちょっと――」
「待たない」
道仁は先回りして琴子の云いたかったこととは反対のことを云い、腹部に置いた手を脇腹に滑らせ、腋へとのぼらせていく。
琴子はくすぐったさに身をよじり、その間に胸の横に差しかかった手が下からふくらみをすくって持ちあげた。胸をくるむようにしながら手のひらが回転する。指先がゆっくり次々と胸先をかすめていく。
あっ。
鳥肌の立つような感覚とともになだらかだったふくらみが張りつめて、道仁の小指が触れる頃には頂上がつんと尖った。
「琴子は敏感すぎる」
揶揄しているのでも不満でもなく、悦に入った含み笑いが背後でこぼれる。
一時の快楽が去って、そこから立ち直るさなかに道仁の手は腋から腕へと伝う。されるがまま琴子は中途半端な万歳をさせられた。パジャマと一緒にキャミソールも捲りあがって、頭から脱がされる。そのまま取り去られると思ったら、服が纏わりついたまま腕は強制的におろされた。
道仁は、琴子の肩に引っかかった服を引っぱりつつ、おろしていく。自ずと琴子の腕は背中側にまわった。パジャマとキャミソールは丸まり、肘に差しかかったところで道仁は手を止めた。そうして琴子の背中は道仁に引き寄せられる。
「道仁さん、腕が動かせないから……」
琴子が云い終わらないうちに、道仁の手はパジャマのパンツの中に忍びこむ。手を這わせながら琴子のお尻を持ちあげて下着ごと剥いでいき、足首から取り去った。次には膝の裏が支えられて広げられ――
「あ、待って……っ」
と、止める間もなく道仁はあぐらをほどいて、琴子の脚の間に脚を割りこませながら膝を立てて開いた。必然的に琴子は道仁の腿に膝を引っかける恰好になり、脚が大きく開かされた。
「こんな恰好……っ」
「たまには変化も必要だ。琴子を飽きさせるわけにはいかない」
にやついた声が耳もとで囁きかけた。
「やっ、耳ダメっ」
だめと云ったにもかかわらず道仁は笑い、耳に吐息を吹きつける。背中からぞわっとした感覚が走って、琴子は身ぶるいをした。
「電話で話すのが好きだって云ってたはずだ。だから、わざわざメールじゃなく電話してやってる。呼びだすなんていう手間をかけているぶん、ご褒美をくれてもいいだろう」
道仁の声は琴子にとって致命傷となる武器だ。耳もとで艶めいた声が奏でられる間中、おなかの奥が疼いてたまらなかった。
電話で道仁の声を聞くと間近に感じるから、確かに好きだ。じかに聞く声は云うまでもなく好きだけれど、いまみたいに息づかいまで耳に届くと腰が砕けそうになる。
そもそも、飽きさせるも何も、琴子はセックスに限らず、道仁といて少しも飽きたり退屈だったりすることはない。『ご褒美』といったとおり、この無防備な恰好は道仁自身のためだ。
「こんな恰好じゃなくっても……!」
「本当に嫌がっているかどうか、琴子の躰には、言葉よりも雄弁に答えを語る場所がある」
道仁は思わせぶりな言葉を吐くと、まずは、と胸の麓を両側ともすくい上げて搾るようにしながら、最後は親指と人差し指の腹で胸先を抓む。
あくっ。
琴子はびくんと、胸を突きだすように跳ねた。
「ここは立ちあがってるだけじゃない、硬くなってる。そしてもう一つ……」
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道仁は中指を折り、入り口をまさぐった。少し動かしただけで、指の動きはなめらかになった。琴子にも、ぬるりとした感触がわかる。
「ちょっと胸を触っただけで濡れてる。それとも――おれの声がそうさせた?」
もったいぶった問いに重なった含み笑いは、蕩けだすような感覚のもと琴子から力を奪った。
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