87 / 100
69.招かれざる客(1)
しおりを挟む
盆休みに入った“山の日”、智奈は朝からマンションの家で定期的にやっている掃除に励んだ。
父の月命日に近い休日、墓参りをしてマンションの掃除というのは智奈のルーティンになっていて、京吾もそれに付き合ってくれるけれど、最近の京吾はとかく忙しい。
GUの表舞台から退き、運営はほぼ長友に任せるという。もともと任せていたと云っていたけれど、いざ引き継ぐとなると簡単にはいかない部分があるのだろう。
今日も京吾は都合をつけようとしていたけれど、墓参りはあらためて十三日に行くことにしているし、盆休みは六日間もある。その初日、室内で掃除するだけだから独りで大丈夫だと、京吾を説得しなければならなかった。
つわりはあるけれど、寝込むほどではなく、むしろ会社で隠せるほど軽いほうだ。動いているほうが気が紛れるというのもある。
京吾は心配しすぎだ。そう云えば、逆に智奈が楽観的すぎると判断したすえ、京吾は監視を始めそうな気もして、本人には云わないけれど。
掃除といっても、水回りは使っていないから汚れることもなく、全体的に埃払いをするくらいのものだ。
京吾の住み処に引っ越して四カ月、つまりこの部屋が住人不在になって四カ月になる。なんだろう、生気がない、とまさにそうだけれど、住んでいた頃とは温かさが違う。父がいなくなって独り暮しをしていた間、智奈はぽつんと独り取り残されたように感じていた。いまはこの部屋が取り残されている。
ここまで送ってもらったとき、車の中で京吾にそう云ったら、マンションの部屋はお父さんと一心同体なんだろう、と、京吾は半ば問うように云った。その言葉に智奈は気づかされた。この部屋の掃除は、たぶん父を弔う智奈なりの儀式だ。
『気がすむまで続ければいい。そうなったときは、きっとそのときの智奈の姿にお父さんも安心できた、そういうことだろう』
そういうことなんだ、と思った。納得すると、さみしさはあってもこの部屋に温もりが戻った。今日は智奈独りだけれど、京吾とふたりで掃除をすることにも意味がある気がした。いつも掃除をして帰る頃には人の体温が感じられて、それは智奈たちを眺める父の眼差しがあるからかもしれなかった。
『子供が生まれたら、連れてきて、お父さんに見てもらわないとな』
そんな京吾の言葉にちょっと感動した。いや、ちょっとどころではない。運転中なのに、抱きつきたくなるくらい、なんだろう、とにかく胸がいっぱいになったのだ。
京吾とする掃除は共同作業で楽しいと感じる。今日は独りだけれど、いつにも増して掃除が楽しい。クーラーを入れながら窓は全開にして空気の入れ換えをしつつ、床の埃取りはロボット掃除機に任せている。智奈は棚の上などの高いところの拭き掃除をしたあと、床のモップ掛けを残して休憩した。
十一時近くになっていて、少し小腹が空いた頃合いだ。来る途中、コンビニで買った紅茶と冷凍マンゴーをクーラーボックスから取りだした。最近、やたらとフルーツが食べたくなるのは妊娠のせいだ。食べたくなるというより、フルーツを食べるとつわりでもやもやした気分がおさまるのだ。
紅茶を飲んで、程よく溶けた一口マンゴーを頬張ると、口の中で蕩けていく。胃の辺りがひんやりして、汗ばんだ躰にちょうどいい。
食べすぎに気をつけないと、と思いながら二個めを口に入れた直後、ドアホンが鳴った。
だれだろう。モニターを見ると、智奈は驚き、そしてため息をついた。モニターに映ったのは母だった。エントランスではなく、すぐそこの玄関ドアの前にいる。
母がここに出入りしていることは、このまえ京吾の家に突撃訪問されたときに聞かされてわかっていた。なんの用事があって、智奈がここにいることをなぜ知っているのだろう。
先週やってきてまた今日訪ねてきたということは、何かあってのことだろう。ひょっとしたら父の初盆のことを聞きたいのかもしれない。そうだったら、父も浮かばれるだろうけれど。
今度、エントランスの暗証番号を変えておこう。
反省しながらドアを開けると、智奈が入らせまいとするのを予測してか、「いて、よかった」と智奈の顔もろくに見ることをせず、典子は割りこむようにしてなかに入ってきた。いま、智奈に拒むつもりはなかったけれど、そんな典子の振る舞いにはうんざりする。
「今日は何?」
智奈は、奥のリビングに行った母のあとを追い、久しぶりに入った部屋を見渡している典子に訊ねた。
「確かめたいことがあって来たのよ。堂貫さんは?」
典子は居座るつもりか、ソファにどっかりと腰をおろした。
「仕事だけど。京吾に何か用? 何を確かめたいの……?」
と、智奈がソファのところに向かいつつ問い返したとき、スマホの着信音が鳴った。その音からすると、京吾からの着信だ。智奈は典子の前のテーブルに置いたスマホを手に取った。
『智奈?』
通話モードにしたとたんの、問うような京吾の呼び方はすごく好きだ。
「うん。どうかした?」
『一時間くらい遅れそうだ。迎えはコージを行かせる。予定どおり、十二時でいい……』
「大丈夫。一時間くらい遅れても飢え死にはしないから。いまマンゴーを食べてる」
『はっ。食べすぎるなよ。買ってやったおれが云うのもおかしいけど。出産する頃には智奈まで丸々になってるかもな』
「まん丸になったら嫌になる?」
『産んだあと、ダイエットしたいなら協力してやる。やり方はいくらだってあるだろう? 例えば、耐久セックスとか……』
「京吾っ、もういいから!」
笑い声がひとしきり智奈の耳をくすぐる。
『掃除、無理するなよ。貧血とか、気分が悪くなったら……』
「だから、いま中休みしてる。貧血もないし、気分も悪くない」
智奈が応じると、京吾はため息を漏らしている。
『おれはうんざりさせてる?』
「そんなことない。前より二倍、京吾に気を遣わせてる気がして申し訳ない感じ」
『そんなことはない』
同じ言葉が帰ってきて智奈は笑う。
「何かあったらちゃんと電話する」
智奈は、スマホを弄っている典子をふと見下ろしながら云い――
『ああ、そうして。じゃ、またあとで』
うん、という智奈の返事になんの懸念もなく電話は切れた。
つい先週末の京吾の怒り具合を見れば、母が来ていることを告げるべきだったけれど、そうしたら仕事を無理やり切りあげてきそうで、智奈は黙っておくことにした。あとで云えばいい。少しは怒るかもしれないけれど。
「智奈、もしかして妊娠してるの?」
斜め向かいのソファに智奈が座るなり、典子は問いかけた。察しがいいのは、母親だからだろうか。
「そうだけど、問題ある?」
「問題があるわけないじゃない。おめでたいことだわ。あなたも安泰ね」
「どういう意味?」
「玉の輿でしょ」
返ってきた言葉は智奈が予想していたとおりだった。もしかして集るつもりか。
「残念だけど、京吾とは結婚はしてないの。一緒に住んでるし、子供もできて家族になるけど、結婚はしないから」
京吾は結婚しない理由を智奈を守りたいからと云っていたけれど、ここでそれが役に立つ。母に渡せるお金はないと明確に云いきれた。
父の月命日に近い休日、墓参りをしてマンションの掃除というのは智奈のルーティンになっていて、京吾もそれに付き合ってくれるけれど、最近の京吾はとかく忙しい。
GUの表舞台から退き、運営はほぼ長友に任せるという。もともと任せていたと云っていたけれど、いざ引き継ぐとなると簡単にはいかない部分があるのだろう。
今日も京吾は都合をつけようとしていたけれど、墓参りはあらためて十三日に行くことにしているし、盆休みは六日間もある。その初日、室内で掃除するだけだから独りで大丈夫だと、京吾を説得しなければならなかった。
つわりはあるけれど、寝込むほどではなく、むしろ会社で隠せるほど軽いほうだ。動いているほうが気が紛れるというのもある。
京吾は心配しすぎだ。そう云えば、逆に智奈が楽観的すぎると判断したすえ、京吾は監視を始めそうな気もして、本人には云わないけれど。
掃除といっても、水回りは使っていないから汚れることもなく、全体的に埃払いをするくらいのものだ。
京吾の住み処に引っ越して四カ月、つまりこの部屋が住人不在になって四カ月になる。なんだろう、生気がない、とまさにそうだけれど、住んでいた頃とは温かさが違う。父がいなくなって独り暮しをしていた間、智奈はぽつんと独り取り残されたように感じていた。いまはこの部屋が取り残されている。
ここまで送ってもらったとき、車の中で京吾にそう云ったら、マンションの部屋はお父さんと一心同体なんだろう、と、京吾は半ば問うように云った。その言葉に智奈は気づかされた。この部屋の掃除は、たぶん父を弔う智奈なりの儀式だ。
『気がすむまで続ければいい。そうなったときは、きっとそのときの智奈の姿にお父さんも安心できた、そういうことだろう』
そういうことなんだ、と思った。納得すると、さみしさはあってもこの部屋に温もりが戻った。今日は智奈独りだけれど、京吾とふたりで掃除をすることにも意味がある気がした。いつも掃除をして帰る頃には人の体温が感じられて、それは智奈たちを眺める父の眼差しがあるからかもしれなかった。
『子供が生まれたら、連れてきて、お父さんに見てもらわないとな』
そんな京吾の言葉にちょっと感動した。いや、ちょっとどころではない。運転中なのに、抱きつきたくなるくらい、なんだろう、とにかく胸がいっぱいになったのだ。
京吾とする掃除は共同作業で楽しいと感じる。今日は独りだけれど、いつにも増して掃除が楽しい。クーラーを入れながら窓は全開にして空気の入れ換えをしつつ、床の埃取りはロボット掃除機に任せている。智奈は棚の上などの高いところの拭き掃除をしたあと、床のモップ掛けを残して休憩した。
十一時近くになっていて、少し小腹が空いた頃合いだ。来る途中、コンビニで買った紅茶と冷凍マンゴーをクーラーボックスから取りだした。最近、やたらとフルーツが食べたくなるのは妊娠のせいだ。食べたくなるというより、フルーツを食べるとつわりでもやもやした気分がおさまるのだ。
紅茶を飲んで、程よく溶けた一口マンゴーを頬張ると、口の中で蕩けていく。胃の辺りがひんやりして、汗ばんだ躰にちょうどいい。
食べすぎに気をつけないと、と思いながら二個めを口に入れた直後、ドアホンが鳴った。
だれだろう。モニターを見ると、智奈は驚き、そしてため息をついた。モニターに映ったのは母だった。エントランスではなく、すぐそこの玄関ドアの前にいる。
母がここに出入りしていることは、このまえ京吾の家に突撃訪問されたときに聞かされてわかっていた。なんの用事があって、智奈がここにいることをなぜ知っているのだろう。
先週やってきてまた今日訪ねてきたということは、何かあってのことだろう。ひょっとしたら父の初盆のことを聞きたいのかもしれない。そうだったら、父も浮かばれるだろうけれど。
今度、エントランスの暗証番号を変えておこう。
反省しながらドアを開けると、智奈が入らせまいとするのを予測してか、「いて、よかった」と智奈の顔もろくに見ることをせず、典子は割りこむようにしてなかに入ってきた。いま、智奈に拒むつもりはなかったけれど、そんな典子の振る舞いにはうんざりする。
「今日は何?」
智奈は、奥のリビングに行った母のあとを追い、久しぶりに入った部屋を見渡している典子に訊ねた。
「確かめたいことがあって来たのよ。堂貫さんは?」
典子は居座るつもりか、ソファにどっかりと腰をおろした。
「仕事だけど。京吾に何か用? 何を確かめたいの……?」
と、智奈がソファのところに向かいつつ問い返したとき、スマホの着信音が鳴った。その音からすると、京吾からの着信だ。智奈は典子の前のテーブルに置いたスマホを手に取った。
『智奈?』
通話モードにしたとたんの、問うような京吾の呼び方はすごく好きだ。
「うん。どうかした?」
『一時間くらい遅れそうだ。迎えはコージを行かせる。予定どおり、十二時でいい……』
「大丈夫。一時間くらい遅れても飢え死にはしないから。いまマンゴーを食べてる」
『はっ。食べすぎるなよ。買ってやったおれが云うのもおかしいけど。出産する頃には智奈まで丸々になってるかもな』
「まん丸になったら嫌になる?」
『産んだあと、ダイエットしたいなら協力してやる。やり方はいくらだってあるだろう? 例えば、耐久セックスとか……』
「京吾っ、もういいから!」
笑い声がひとしきり智奈の耳をくすぐる。
『掃除、無理するなよ。貧血とか、気分が悪くなったら……』
「だから、いま中休みしてる。貧血もないし、気分も悪くない」
智奈が応じると、京吾はため息を漏らしている。
『おれはうんざりさせてる?』
「そんなことない。前より二倍、京吾に気を遣わせてる気がして申し訳ない感じ」
『そんなことはない』
同じ言葉が帰ってきて智奈は笑う。
「何かあったらちゃんと電話する」
智奈は、スマホを弄っている典子をふと見下ろしながら云い――
『ああ、そうして。じゃ、またあとで』
うん、という智奈の返事になんの懸念もなく電話は切れた。
つい先週末の京吾の怒り具合を見れば、母が来ていることを告げるべきだったけれど、そうしたら仕事を無理やり切りあげてきそうで、智奈は黙っておくことにした。あとで云えばいい。少しは怒るかもしれないけれど。
「智奈、もしかして妊娠してるの?」
斜め向かいのソファに智奈が座るなり、典子は問いかけた。察しがいいのは、母親だからだろうか。
「そうだけど、問題ある?」
「問題があるわけないじゃない。おめでたいことだわ。あなたも安泰ね」
「どういう意味?」
「玉の輿でしょ」
返ってきた言葉は智奈が予想していたとおりだった。もしかして集るつもりか。
「残念だけど、京吾とは結婚はしてないの。一緒に住んでるし、子供もできて家族になるけど、結婚はしないから」
京吾は結婚しない理由を智奈を守りたいからと云っていたけれど、ここでそれが役に立つ。母に渡せるお金はないと明確に云いきれた。
0
お気に入りに追加
282
あなたにおすすめの小説
ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?
春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。
しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。
美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……?
2021.08.13
狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
羽村美海
恋愛
古式ゆかしき華道の家元のお嬢様である美桜は、ある事情から、家をもりたてる駒となれるよう厳しく育てられてきた。
とうとうその日を迎え、見合いのため格式高い高級料亭の一室に赴いていた美桜は貞操の危機に見舞われる。
そこに現れた男により救われた美桜だったが、それがきっかけで思いがけない展開にーー
住む世界が違い、交わることのなかったはずの尊の不器用な優しさに触れ惹かれていく美桜の行き着く先は……?
✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦
✧天澤美桜•20歳✧
古式ゆかしき華道の家元の世間知らずな鳥籠のお嬢様
✧九條 尊•30歳✧
誰もが知るIT企業の経営者だが、実は裏社会の皇帝として畏れられている日本最大の極道組織泣く子も黙る極心会の若頭
✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦
*西雲ササメ様より素敵な表紙をご提供頂きました✨
※TL小説です。設定上強引な展開もあるので閲覧にはご注意ください。
※設定や登場する人物、団体、グループの名称等全てフィクションです。
※随時概要含め本文の改稿や修正等をしています。
✧
✧連載期間22.4.29〜22.7.7 ✧
✧22.3.14 エブリスタ様にて先行公開✧
【第15回らぶドロップス恋愛小説コンテスト一次選考通過作品です。コンテストの結果が出たので再公開しました。※エブリスタ様限定でヤス視点のSS公開中】
小野寺社長のお気に入り
茜色
恋愛
朝岡渚(あさおかなぎさ)、28歳。小さなイベント企画会社に転職して以来、社長のアシスタント兼お守り役として振り回される毎日。34歳の社長・小野寺貢(おのでらみつぐ)は、ルックスは良いが生活態度はいい加減、デリカシーに欠ける困った男。
悪天候の夜、残業で家に帰れなくなった渚は小野寺と応接室で仮眠をとることに。思いがけず緊張する渚に、「おまえ、あんまり男を知らないだろう」と小野寺が突然迫ってきて・・・。
☆全19話です。「オフィスラブ」と謳っていますが、あまりオフィスっぽくありません。
☆「ムーンライトノベルズ」様にも掲載しています。
家族愛しか向けてくれない初恋の人と同棲します
佐倉響
恋愛
住んでいるアパートが取り壊されることになるが、なかなか次のアパートが見つからない琴子。
何気なく高校まで住んでいた場所に足を運ぶと、初恋の樹にばったりと出会ってしまう。
十年ぶりに会話することになりアパートのことを話すと「私の家に住まないか」と言われる。
未だ妹のように思われていることにチクチクと苦しみつつも、身内が一人もいない上にやつれている樹を放っておけない琴子は同棲することになった。
【完結】エリート産業医はウブな彼女を溺愛する。
花澤凛
恋愛
第17回 恋愛小説大賞 奨励賞受賞
皆さまのおかげで賞をいただくことになりました。
ありがとうございます。
今好きな人がいます。
相手は殿上人の千秋柾哉先生。
仕事上の関係で気まずくなるぐらいなら眺めているままでよかった。
それなのに千秋先生からまさかの告白…?!
「俺と付き合ってくれませんか」
どうしよう。うそ。え?本当に?
「結構はじめから可愛いなあって思ってた」
「なんとか自分のものにできないかなって」
「果穂。名前で呼んで」
「今日から俺のもの、ね?」
福原果穂26歳:OL:人事労務部
×
千秋柾哉33歳:産業医(名門外科医家系御曹司出身)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる