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64.究極のエロティシズム(2)
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京吾はさっき智奈から奪ったペットボトルを取って、智奈の口もとに飲み口を近づけた。
「口に含んで。喉が渇く」
二つの言葉はちぐはぐだ。智奈が理解するまで少し時間がかかって――
「自分で飲めばいいのに」
「共有したいっていうおれの気持ちを、智奈はまったく理解できてない」
京吾は理不尽なことで不満を漏らす。智奈からすると、口移しに飲ませてもらおうという京吾の算段は理解できるけれど、単純にキスでよくて、単純にじかに飲めばいいこと。
ただ、それを拒絶する理由はなくて、智奈は従順に口を開いた。適度に口に含むと顎を上げて止めた。京吾はペットボトルをテーブルに置くなり、前のめりになって智奈のくちびるに喰いついた。
んっ。
軽く閉じたくちびるの間を京吾の舌先が割り、とたん、スポーツドリンクがこぼれる。顎から首もとへ、胸もとから下腹部に伝った。一筋が臍窩に落ちて、智奈はくすぐったさに腰をよじらせた。そのせいで筋道が変わったのか、脚の間にも流れていった。かすかだけれど、敏感な場所だけに躰が反応してしまう。その感覚から逃れるように再び腰をよじった。
その間にも京吾は貪るように智奈の口の中をまさぐる。京吾のキスはいつも甘い。スポーツドリンクのせいではなくて、その甘さは媚薬の効果を持っている。智奈がのぼせるのも簡単だった。
ひとまわり口腔をぐるりと舌で撫でたあと、京吾は口角から繰り返し口づけながらおりていく。顎の輪郭に沿って舌先でたどり、そうして首筋を下って胸もとへとたどり着く。今度は左胸の麓でキスが繰り返された。
京吾は最初から、口移しで飲むつもりは毛頭なく、こんなふうに戯れるつもりだったのだろう。胸の麓を一周すると、一段上がって、色づいた場所のぎりぎりのところに軽く吸いついた。周囲をぐるっとまわっていく。
ふぅっ。
触られてもいない胸先が疼くのはなぜだろう。口づけが一周したそのとき、次に来る刺激を予感して覚悟をしたけれど――違う、期待したのかもしれなくて、京吾が顔を上げて右側に移ったときは焦れったくなってしまった。
そして右側を同じように舐ったあと京吾は顔を上げてしまい、待ちわびていた胸先はキスのお預けを喰う。
「智奈、触ってもいないのに乳首が真っ赤だ」
「わかってるから、わざわざ云わないで!」
悲鳴じみて抗議しても京吾にはなんの打撃にもならない。智奈が認めたことでますます悦に入っている。
「太く尖って、いかにも食べ頃の実だ。食べてほしい?」
京吾は云いながら、自分で自分の言葉に煽られると、セーブのきかない涎を垂らした狼みたいな様子でそこに見入る。智奈の返事は必要なく、引力が生じたようにそこに顔を寄せて、その口が開いた。
ある意味、それは少し怖がらせるような様で、智奈はその刺激を覚悟していたはずが。
あ、あう……っ!
色づいた場所を丸ごと咥えられたとたんの刺激は強烈だった。熱く湿った中にそこが吸いこまれていく。いままで以上に神経が繊細になっている気がした。京吾の口の中で硬くなった粒は舌で転がされ、享受する鋭い刺激は絶えない。ふくらみの内部からも熱を孕んでひどく疼いてくる。
それだけでもたまらないのに、もう片方の左の胸先が指で抓まれた。
はっ、ああっ……んっ。
やはり、感覚は鋭くなっている。ちょっと触れられただけなのに、躰を揺さぶってしまうほどの刺激に襲われた。
京吾の指先は、色づいた場所から尖った粒の先へと持ちあげるように摩撫する。そのタッチは強くも弱くもなく、京吾は絶妙な加減を心得ている。右側では、何度も吸着するキスが繰り返されて、嬌声が跳ねあがる。最初にあった、痛みに似た過敏な感覚は、いつの間にかただひどい快感に変わっていた。
無意識に背中が反り、京吾に押しつけるように胸がせり上がる。胸先は弾けそうなくらい熱く尖っている。京吾の舌がその硬い粒を巻きとるようにうごめいた。躰の中心までもが疼いて、智奈はあまり自由にならないなか腰をよじった。
「キョーゴっ……あっ、もぅ……ぁふっ……」
京吾の指が離れたかと思うと、手のひらで粒が転がされた。ますます胸がせり上がり、比例して――いや、それ以上に快感が急速に上昇した。もう無理、とそう思った瞬間に、京吾には通じていたのか、指先で押し潰すように粒を捏ね、反対側は舌先で突端をせわしく摩撫された。それらが智奈の感覚をぽんと果てに押しだした。
あ……あっ、ぁああああ――っ。
触れられてもいない場所が、どくんっと脈を打ち、お尻が繰り返し浮きあがる。京吾がキス音を立てながら顔を上げ、その刺激でまた胸が跳ねた。
智奈、と、京吾は呼びかけながら口の端にぺたりとくっつくキスをした。
「反応がいつもよりひどい? 縛られて昂奮した?」
京吾はにやにやして智奈をからかった。その口をふさぎたいところだが、縛られた手ではどうにもならない。
「ただ縛られてるだけ……! いつも抵抗してないし……ん……変わらない」
「それなら、妊娠は敏感になる?」
「わからない。でも……わたしがイっちゃうよりも……何度もしつこくイカせようとする京吾のほうが、ずっと嫌らしいから!」
「はっ。その指摘は甘んじて受けよう」
京吾はあっさりと認めると、智奈のお尻をすくって自分のほうに引いた。椅子から飛びだしてお尻が宙に浮く。照明が煌々としたなか、自分で見ることのない中心が京吾には丸わかりになって恥ずかしいことこの上ない。
無意識に身をよじったとたん、智奈は思った以上に自分が拘束されていることに気づいた。かすかに揺らす程度しか動かせなくなっていた。
「口に含んで。喉が渇く」
二つの言葉はちぐはぐだ。智奈が理解するまで少し時間がかかって――
「自分で飲めばいいのに」
「共有したいっていうおれの気持ちを、智奈はまったく理解できてない」
京吾は理不尽なことで不満を漏らす。智奈からすると、口移しに飲ませてもらおうという京吾の算段は理解できるけれど、単純にキスでよくて、単純にじかに飲めばいいこと。
ただ、それを拒絶する理由はなくて、智奈は従順に口を開いた。適度に口に含むと顎を上げて止めた。京吾はペットボトルをテーブルに置くなり、前のめりになって智奈のくちびるに喰いついた。
んっ。
軽く閉じたくちびるの間を京吾の舌先が割り、とたん、スポーツドリンクがこぼれる。顎から首もとへ、胸もとから下腹部に伝った。一筋が臍窩に落ちて、智奈はくすぐったさに腰をよじらせた。そのせいで筋道が変わったのか、脚の間にも流れていった。かすかだけれど、敏感な場所だけに躰が反応してしまう。その感覚から逃れるように再び腰をよじった。
その間にも京吾は貪るように智奈の口の中をまさぐる。京吾のキスはいつも甘い。スポーツドリンクのせいではなくて、その甘さは媚薬の効果を持っている。智奈がのぼせるのも簡単だった。
ひとまわり口腔をぐるりと舌で撫でたあと、京吾は口角から繰り返し口づけながらおりていく。顎の輪郭に沿って舌先でたどり、そうして首筋を下って胸もとへとたどり着く。今度は左胸の麓でキスが繰り返された。
京吾は最初から、口移しで飲むつもりは毛頭なく、こんなふうに戯れるつもりだったのだろう。胸の麓を一周すると、一段上がって、色づいた場所のぎりぎりのところに軽く吸いついた。周囲をぐるっとまわっていく。
ふぅっ。
触られてもいない胸先が疼くのはなぜだろう。口づけが一周したそのとき、次に来る刺激を予感して覚悟をしたけれど――違う、期待したのかもしれなくて、京吾が顔を上げて右側に移ったときは焦れったくなってしまった。
そして右側を同じように舐ったあと京吾は顔を上げてしまい、待ちわびていた胸先はキスのお預けを喰う。
「智奈、触ってもいないのに乳首が真っ赤だ」
「わかってるから、わざわざ云わないで!」
悲鳴じみて抗議しても京吾にはなんの打撃にもならない。智奈が認めたことでますます悦に入っている。
「太く尖って、いかにも食べ頃の実だ。食べてほしい?」
京吾は云いながら、自分で自分の言葉に煽られると、セーブのきかない涎を垂らした狼みたいな様子でそこに見入る。智奈の返事は必要なく、引力が生じたようにそこに顔を寄せて、その口が開いた。
ある意味、それは少し怖がらせるような様で、智奈はその刺激を覚悟していたはずが。
あ、あう……っ!
色づいた場所を丸ごと咥えられたとたんの刺激は強烈だった。熱く湿った中にそこが吸いこまれていく。いままで以上に神経が繊細になっている気がした。京吾の口の中で硬くなった粒は舌で転がされ、享受する鋭い刺激は絶えない。ふくらみの内部からも熱を孕んでひどく疼いてくる。
それだけでもたまらないのに、もう片方の左の胸先が指で抓まれた。
はっ、ああっ……んっ。
やはり、感覚は鋭くなっている。ちょっと触れられただけなのに、躰を揺さぶってしまうほどの刺激に襲われた。
京吾の指先は、色づいた場所から尖った粒の先へと持ちあげるように摩撫する。そのタッチは強くも弱くもなく、京吾は絶妙な加減を心得ている。右側では、何度も吸着するキスが繰り返されて、嬌声が跳ねあがる。最初にあった、痛みに似た過敏な感覚は、いつの間にかただひどい快感に変わっていた。
無意識に背中が反り、京吾に押しつけるように胸がせり上がる。胸先は弾けそうなくらい熱く尖っている。京吾の舌がその硬い粒を巻きとるようにうごめいた。躰の中心までもが疼いて、智奈はあまり自由にならないなか腰をよじった。
「キョーゴっ……あっ、もぅ……ぁふっ……」
京吾の指が離れたかと思うと、手のひらで粒が転がされた。ますます胸がせり上がり、比例して――いや、それ以上に快感が急速に上昇した。もう無理、とそう思った瞬間に、京吾には通じていたのか、指先で押し潰すように粒を捏ね、反対側は舌先で突端をせわしく摩撫された。それらが智奈の感覚をぽんと果てに押しだした。
あ……あっ、ぁああああ――っ。
触れられてもいない場所が、どくんっと脈を打ち、お尻が繰り返し浮きあがる。京吾がキス音を立てながら顔を上げ、その刺激でまた胸が跳ねた。
智奈、と、京吾は呼びかけながら口の端にぺたりとくっつくキスをした。
「反応がいつもよりひどい? 縛られて昂奮した?」
京吾はにやにやして智奈をからかった。その口をふさぎたいところだが、縛られた手ではどうにもならない。
「ただ縛られてるだけ……! いつも抵抗してないし……ん……変わらない」
「それなら、妊娠は敏感になる?」
「わからない。でも……わたしがイっちゃうよりも……何度もしつこくイカせようとする京吾のほうが、ずっと嫌らしいから!」
「はっ。その指摘は甘んじて受けよう」
京吾はあっさりと認めると、智奈のお尻をすくって自分のほうに引いた。椅子から飛びだしてお尻が宙に浮く。照明が煌々としたなか、自分で見ることのない中心が京吾には丸わかりになって恥ずかしいことこの上ない。
無意識に身をよじったとたん、智奈は思った以上に自分が拘束されていることに気づいた。かすかに揺らす程度しか動かせなくなっていた。
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