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61.気を許したオルカ
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「それ、うれしくて笑ってるんだろうな?」
不満そうな口ぶりだけれど、京吾は寛大そうな面持ちで、目は笑っている。
「うれしいし、考え方が人とはかわってるからおもしろいっていうか、すごいと思って。社長室に呼んだときも、暇を作って京吾が仕事を離れて休憩できてるんだったらいい感じ」
「仕事しすぎだって心配してるんなら、それは無用だ。単なるワーカホリックだ。どれだけ難題を送りつけられても、受けて立つ、そういう気持ちでいるから負担にはなってない。一種のゲームだな。マスを動かして切り札を切る。おれはそれを楽しんでる」
智奈の心配は伝わったものの、それを一蹴して京吾は飄々と云ってのけた。
「京吾はつまずいたことある?」
「生まれた瞬間に、おれにはどうしようもないことでつまずいてる。つまり、そこで一生分のエラーを費やした。それがおれの論理だ」
言葉だけを聞けば、ポジティブであり達観して見える。穿てば、京吾自身が云っていたようにコンプレックスの裏返しだ。しかも重篤な。
「京吾はつまずかなくても、気にはしてるみたい。お母さんたちと食事してるときの京吾、ちょっと反抗期の少年ぽかった」
智奈がつい云ってしまったことは、京吾のプライドを傷つけたかもしれない。京吾は著しく目を細めた。
「反抗期、だって?」
あり得ないといった口調で、京吾は睨めつけるように智奈を見つめる。
「ごめんなさい。無神経だっ……」
智奈が慌てて謝っているうちに、つい今し方まで気に入らないといった様子だったのに、京吾は突如として笑い始めた。
「……京吾?」
しばし様子を窺って慎重に呼びかけると、ようやく笑い声はやんだ。京吾はプールに寄りかかっていた背中を起こして、智奈の顔に手の甲を向けるとその指先で頬を撫でた。その口もとには笑った名残がある。
「驚くだろう? おれも驚いてる。おれはガキっぽかった。ビジネスの場でないかぎり、人前で両親や祖父と話すことはめったにない。だから、ああいう物言いはしない。けど、智奈の前では違ってたんだな。当然、ガキっぽいとか指摘する奴はいままでいなかった」
「傷ついてないなら、怒った?」
「笑った、の間違いだろう。おれは、自分で思っているよりもずっと智奈に気を許してる。云ってくれてよかった。反抗期を卒業できないまま、不完全な大人で終わるところだった」
「役に立てたならよかったけど――」
――でも京吾は不完全じゃない、と続けようとしたところで、京吾が、けど――と智奈と同じ言葉を同時に重ねた。
「まったくもって小生意気だ」
「……生意気が気に入らない?」
「そうでもない」
京吾は曖昧に応じると、額にひっかけていたゴーグルを取って少し長さを短く調整すると、それを智奈の額に当てた。
「使って」
「……そんなに泳げないけど。ずっと泳いでないし、たぶん大学のときが最後」
「泳げないからなおさら着けたほうがラクだ」
「……って何するの?」
「シャチと泳ぎたいんだろう?」
京吾は呆れた声で訊ねた。
「泳ぎたい!」
「だったら早く着けて。あんまり躰は冷やさないほうがいいんじゃないか?」
智奈は一瞬なんのことかと思ったけれど、程なく、妊娠しているから気遣ってくれているのだと気づいた。
「まだそういう影響はないと思うけど、ありがとう」
「これくらいでお礼を云ってたら、これから智奈は一日に百回は云うことになる」
京吾はからかう。百回というのは誇張でも、普段から何かと気の利く京吾のことだ、智奈のお礼は一日十回では到底足りないだろう。
「おれは平泳ぎでついてくる。きつくなったら無理しないで立ち止まる。わかった?」
智奈はうなずいてゴーグルを着ける。一つ深呼吸をして、飛び込み台の下の壁を蹴り、泳ぎだした。クロールなんて久しぶりだ。京吾の“慣らし”泳ぎよりも格段に遅いスピードしか出せない。京吾は追いつくことがなく、智奈のペースに合わせているのだろう。二十五メートルなら行けるかと思ったのに、息継ぎが下手なうえ意外に体力を使って消耗するのは早かった。
京吾の忠告どおり、つらくなるまえにリタイアしようとした矢先、ふいに智奈の躰が下から持ちあげられる。智奈はバランスをくずして、自分の目の前に現れ、自分を持ちあげたものに無意識にしがみつく。
それは京吾にほかならず、智奈を背中に乗せたまま、京吾は平泳ぎを続けた。意識してやっているのか智奈の重みがそうしているのか、京吾は頭から深く底まで潜っては水中に浮く、それを繰り返した。当然、智奈も水中に沈んでは浮きあがる。ゴールまでそれほど距離はなく、たどり着くまで智奈は大いに楽しんだ。
「京吾、すごい! シャチの背中に乗ってる気分!」
ゴーグルを外しながら、智奈は歓声をあげた。京吾も釣られたように笑みをこぼす。
「だろう? 智奈をこんなふうに楽しませてやれるのはおれだけだ」
断言したのは京吾らしいのか。ともかく、智奈がもったいないくらいの至福の時間をもらっているのは確かだ。
智奈が大きくうなずくと、京吾はにやつく。
「おれといれば溺れることはない。ただし、セックスは例外で」
案の定、よけいなひと言で京吾は智奈をからかった。が、そのあと嘆くように首を横に振り、京吾は続けた。
「けど、智奈のお尻を追いかけるのはつらい」
「……どういう意味?」
「文字どおりだ。智奈は簡単におれを発情させる」
京吾が云わんとしていることに行き当たるまで、智奈は目まぐるしく思考をめぐらせた。察した瞬間、智奈は軽く握った拳でキョウゴの胸を突く。
「泳いでるときに、どこ見てるの!」
「嫌でも目につくだろう、普通に。智奈には無関心ではいられない。智奈をさきに行かせたのは失敗だと思った」
そう云いつつ京吾はおもしろがっていて、智奈は再び厚い胸を小突いた。
「さっきの、もう一回やれる?」
「智奈とドルフィンスイムならぬシャチスイムをやるために体力をつけてきた気がしてる」
京吾は遠回しに答えると、また智奈をさきに行かせ、すぐに下に潜って智奈の躰を背中に乗せた。
呼吸を合わせつつ智奈はさっきよりも楽しんでゴールに着いた――と、がっかりした刹那、京吾がゴールの直前でふっと智奈の下から抜けだした。慌てふためいて、水中で手をばたつかせた直後に京吾にすくいあげられると、智奈は夢中でしがみつく。
「ひどい!」
少し水が入って咳きこみながら、智奈はわざとだと確信してなじって京吾の背中を叩く。
「はっ。悪戯をしたくなるのはシャチの性格なんだろう? おれは智奈といるとガキっぽくなるらしい」
そう云った一瞬後、俄に京吾の躰がこわばったように感じた。
「京吾、いい年した大人なのに、人前でイチャイチャして高校生みたいね」
と、ふたりの間に侵入した声は女性の声だった。
不満そうな口ぶりだけれど、京吾は寛大そうな面持ちで、目は笑っている。
「うれしいし、考え方が人とはかわってるからおもしろいっていうか、すごいと思って。社長室に呼んだときも、暇を作って京吾が仕事を離れて休憩できてるんだったらいい感じ」
「仕事しすぎだって心配してるんなら、それは無用だ。単なるワーカホリックだ。どれだけ難題を送りつけられても、受けて立つ、そういう気持ちでいるから負担にはなってない。一種のゲームだな。マスを動かして切り札を切る。おれはそれを楽しんでる」
智奈の心配は伝わったものの、それを一蹴して京吾は飄々と云ってのけた。
「京吾はつまずいたことある?」
「生まれた瞬間に、おれにはどうしようもないことでつまずいてる。つまり、そこで一生分のエラーを費やした。それがおれの論理だ」
言葉だけを聞けば、ポジティブであり達観して見える。穿てば、京吾自身が云っていたようにコンプレックスの裏返しだ。しかも重篤な。
「京吾はつまずかなくても、気にはしてるみたい。お母さんたちと食事してるときの京吾、ちょっと反抗期の少年ぽかった」
智奈がつい云ってしまったことは、京吾のプライドを傷つけたかもしれない。京吾は著しく目を細めた。
「反抗期、だって?」
あり得ないといった口調で、京吾は睨めつけるように智奈を見つめる。
「ごめんなさい。無神経だっ……」
智奈が慌てて謝っているうちに、つい今し方まで気に入らないといった様子だったのに、京吾は突如として笑い始めた。
「……京吾?」
しばし様子を窺って慎重に呼びかけると、ようやく笑い声はやんだ。京吾はプールに寄りかかっていた背中を起こして、智奈の顔に手の甲を向けるとその指先で頬を撫でた。その口もとには笑った名残がある。
「驚くだろう? おれも驚いてる。おれはガキっぽかった。ビジネスの場でないかぎり、人前で両親や祖父と話すことはめったにない。だから、ああいう物言いはしない。けど、智奈の前では違ってたんだな。当然、ガキっぽいとか指摘する奴はいままでいなかった」
「傷ついてないなら、怒った?」
「笑った、の間違いだろう。おれは、自分で思っているよりもずっと智奈に気を許してる。云ってくれてよかった。反抗期を卒業できないまま、不完全な大人で終わるところだった」
「役に立てたならよかったけど――」
――でも京吾は不完全じゃない、と続けようとしたところで、京吾が、けど――と智奈と同じ言葉を同時に重ねた。
「まったくもって小生意気だ」
「……生意気が気に入らない?」
「そうでもない」
京吾は曖昧に応じると、額にひっかけていたゴーグルを取って少し長さを短く調整すると、それを智奈の額に当てた。
「使って」
「……そんなに泳げないけど。ずっと泳いでないし、たぶん大学のときが最後」
「泳げないからなおさら着けたほうがラクだ」
「……って何するの?」
「シャチと泳ぎたいんだろう?」
京吾は呆れた声で訊ねた。
「泳ぎたい!」
「だったら早く着けて。あんまり躰は冷やさないほうがいいんじゃないか?」
智奈は一瞬なんのことかと思ったけれど、程なく、妊娠しているから気遣ってくれているのだと気づいた。
「まだそういう影響はないと思うけど、ありがとう」
「これくらいでお礼を云ってたら、これから智奈は一日に百回は云うことになる」
京吾はからかう。百回というのは誇張でも、普段から何かと気の利く京吾のことだ、智奈のお礼は一日十回では到底足りないだろう。
「おれは平泳ぎでついてくる。きつくなったら無理しないで立ち止まる。わかった?」
智奈はうなずいてゴーグルを着ける。一つ深呼吸をして、飛び込み台の下の壁を蹴り、泳ぎだした。クロールなんて久しぶりだ。京吾の“慣らし”泳ぎよりも格段に遅いスピードしか出せない。京吾は追いつくことがなく、智奈のペースに合わせているのだろう。二十五メートルなら行けるかと思ったのに、息継ぎが下手なうえ意外に体力を使って消耗するのは早かった。
京吾の忠告どおり、つらくなるまえにリタイアしようとした矢先、ふいに智奈の躰が下から持ちあげられる。智奈はバランスをくずして、自分の目の前に現れ、自分を持ちあげたものに無意識にしがみつく。
それは京吾にほかならず、智奈を背中に乗せたまま、京吾は平泳ぎを続けた。意識してやっているのか智奈の重みがそうしているのか、京吾は頭から深く底まで潜っては水中に浮く、それを繰り返した。当然、智奈も水中に沈んでは浮きあがる。ゴールまでそれほど距離はなく、たどり着くまで智奈は大いに楽しんだ。
「京吾、すごい! シャチの背中に乗ってる気分!」
ゴーグルを外しながら、智奈は歓声をあげた。京吾も釣られたように笑みをこぼす。
「だろう? 智奈をこんなふうに楽しませてやれるのはおれだけだ」
断言したのは京吾らしいのか。ともかく、智奈がもったいないくらいの至福の時間をもらっているのは確かだ。
智奈が大きくうなずくと、京吾はにやつく。
「おれといれば溺れることはない。ただし、セックスは例外で」
案の定、よけいなひと言で京吾は智奈をからかった。が、そのあと嘆くように首を横に振り、京吾は続けた。
「けど、智奈のお尻を追いかけるのはつらい」
「……どういう意味?」
「文字どおりだ。智奈は簡単におれを発情させる」
京吾が云わんとしていることに行き当たるまで、智奈は目まぐるしく思考をめぐらせた。察した瞬間、智奈は軽く握った拳でキョウゴの胸を突く。
「泳いでるときに、どこ見てるの!」
「嫌でも目につくだろう、普通に。智奈には無関心ではいられない。智奈をさきに行かせたのは失敗だと思った」
そう云いつつ京吾はおもしろがっていて、智奈は再び厚い胸を小突いた。
「さっきの、もう一回やれる?」
「智奈とドルフィンスイムならぬシャチスイムをやるために体力をつけてきた気がしてる」
京吾は遠回しに答えると、また智奈をさきに行かせ、すぐに下に潜って智奈の躰を背中に乗せた。
呼吸を合わせつつ智奈はさっきよりも楽しんでゴールに着いた――と、がっかりした刹那、京吾がゴールの直前でふっと智奈の下から抜けだした。慌てふためいて、水中で手をばたつかせた直後に京吾にすくいあげられると、智奈は夢中でしがみつく。
「ひどい!」
少し水が入って咳きこみながら、智奈はわざとだと確信してなじって京吾の背中を叩く。
「はっ。悪戯をしたくなるのはシャチの性格なんだろう? おれは智奈といるとガキっぽくなるらしい」
そう云った一瞬後、俄に京吾の躰がこわばったように感じた。
「京吾、いい年した大人なのに、人前でイチャイチャして高校生みたいね」
と、ふたりの間に侵入した声は女性の声だった。
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