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25.腰が砕けるまで(2)
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キョウゴの性戯はまさに智奈を骨抜きにする。腰が砕けるどころか、操り人形の糸が切れたように躰全体がくたくたになった。背中からキョウゴの腕に支えられていてくずおれることはなく、そして智奈はすくい上げられてベッドに寝かされた。
荒い息遣いの合間に、智奈の口からむせぶような呼吸音が漏れる。
キョウゴは床にかがんで何やら――おそらくは智奈が濡らした、いや、噴いた後始末をしている。まもなくして躰を起こすとベッドに上がってきた。
智奈の脚を易々と開いて膝を立たせ、その間におさまると、キョウゴは上半身に覆いかぶさってきた。
「派手にイッたけど、泣くことじゃないだろう。それとも、啼くほど気持ちよかった?」
キョウゴはなぐさめることもなく、おもしろがって智奈の羞恥心に追い討ちをかける。親指の腹で智奈の目尻を拭った。
「……いまの普通?」
「どうだろう。智奈が感じやすくて素直で、最高の躰を持ってるってことは確かだ。おれを喜ばせてくれる」
真上でキョウゴはにやりとした。きれいな顔に愉悦を宿らせて、きっと人を惑わす悪魔はこんな感じだろう。
「ひどい、わたしばっかり……」
「つまり、おれにも気持ちよくなれって? 恥ずかしがるくせに智奈に何ができるんだ?」
キョウゴは揶揄したかと思うと、つと宙に目をやって、それから何やら思いついたような面持ちで智奈に目を戻した。
「いい方法がある。智奈もおれも気持ちよくなれる。やってみる?」
「嫌って云ってもやめないくせに」
「智奈が本当には嫌がってないからだ」
キョウゴは抜け目なく切り返してくる。あながち、間違いではない。キョウゴには心的にも生理的にも嫌悪など感じないし、触れられることにも慣れた。慣れる以上に、そのあとの気だるさはベッドをパラダイスに変える。
智奈が反撃しないとわかると、キョウゴは口を歪めて笑い、顔をおろして智奈のくちびるの端に口づけた。その拍子に、躰の中心に何かが触れた。
あっ。
ただでさえ敏感なそこは、さっき果てたばかりでもっと敏感になっている。何が触れたのか、きっとそれはキョウゴの発情の証しだ。背中から抱かれているときもおぼろげにそれを感じていた。
「智奈はまたすぐイケそうだ」
智奈の口もとから顔を上げてキョウゴはしたり顔で云い、そして、「我慢するなよ、何度でも」と熱っぽく囁いた。
キョウゴは上半身を起こすと、膝を折った脚をそれぞれに抱えこむ。そうして、智奈の躰の中心に自分のソレを沿わせた。
んふっ。
智奈の太腿を閉じ、脚を抱きこんだままキョウゴは上体を前に倒した。智奈のお尻が浮いて高く上がる。
「キョウゴっ」
「“最後”の約束は守る。普通のセックスより卑猥な気がするけど」
どういう意味か、それはまもなくキョウゴが動き始めて智奈は知った。
あ、あうっ。
キョウゴのオス化したソレが、智奈の中心の花片に沿ってスライドすると、喘ぎながら智奈は躰をよじった。薄い皮膚と皮膚が摩擦するも引きつることはなく、それ以上にぬるりぬるりと絶妙に摩撫されて躰がひどい快感に襲われる。
キョウゴが腰を引き、逆行して押しつけてくると、花片の突端にある秘芽が剥かれ、繊細すぎる場所が擦られて感度が最大値まで跳ねあがった。
ああああっ!
腰がびくんとして、浮いたお尻がますます持ちあがる。
ようやく感覚が戻りつつあった重たい腰がまた砕けそうな気がしながら、智奈は受けとめるしかできない。
太腿の間もさきに漏らしていた蜜でしとどにぬめり、その狭間でキョウゴのモノがなんの抵抗もなく前後する。それを目にすれば、キョウゴの云うとおり淫猥だろうけれど、智奈にそんな余裕はなかった。
蜜がキョウゴのオスに絡みつき、ぬちゃっぬちゃっ――と、粘り気のある音がだんだんとひどくなっていく。お尻の双丘の間に、つーっとそれが伝い、その感覚もなんともいえない。そのうえ、秘芽を剥かれてそこを摩撫されるとたまらず、智奈は腰をうねらせて身悶えた。
「あっ、やぁ――っああっ」
「……っ、智奈の躰はもっとってせがんでる」
ずるっと秘芽が剥かれて智奈がお尻を跳ねあげたとたん、キョウゴはかすかに呻いたあと、はしたなく羞恥心を煽った。
「ちが……あああっ」
否定しかけたとたん、キョウゴはまた腰を引いてから突いてくる。智奈はぷるぷると腰をふるわせながら跳ねあげ、それはキョウゴのオスに秘芽を押しつける恰好になって、自分で自分を追い詰めている。
首をのけ反らせ、無意識に頭上へと逃げようとしても、キョウゴがしっかりと脚を抱きこんでいてかなわなかった。さらにキョウゴは腰をわずかにうねらせながら秘芽を剥きあげた。そうして、動きを早めて次々とその刺激を送りこんできた。
「だ、めっ……ああっ、ああっ、ああっ、ああぅっ……もぅっ……また、ああっ……来そ……ぅっ……きょー、ごっ」
快感はどんどん積もっていって軽減する暇もない。背中が浮いて腰が反りあがる。秘芽が疼き、その感覚は絶えず、脳内が快楽で満ちた。痙攣を起こしながら自然と腰がうねり始めて、するとキョウゴが唸る。
「く……イッて、こぼせばいい……おれも、追う……」
声が途切れ途切れなのは、キョウゴも快楽を得ている証拠に違いなく――と、智奈はぼんやりした思考で感じた。
そうしてキョウゴは繊細な場所で小刻みに律動した。たまらなかった。智奈は理性を手放す。
「あああっ、も――ぅっ……ゃ、ぁああああああ――っ」
びくんっ。
一度、お尻を大きく跳ねあげたあと、続けざまにびくんびくんと跳ね、その間も秘芽への刺激はやまずに、ぷくっと、ぷくっと蜜が溢れてくる。
くっ――。
やがて低く唸る声が聞こえたとき、キョウゴがひどく腰をふるわせて、ついに智奈の躰は弛緩しきった。快感以外の感覚を失う。そうして、直後、お臍から胸の辺りまで、ぼとり、ぼとりと飛び散った熱に濡れた。
智奈の躰が規則的にびくっとふるえるなか、長いため息が聞こえた。満足至極といった深い吐息だ。
キョウゴは隣に左の肘をついて横たわり、智奈のおなかをきれいにしたあと、頬に右手を添える。緩く吸いつくようなしぐさでくちびるを合わせ、おもむろに顔を上げた。
「おれが不能じゃない証明はできた」
「わたしは……ふのー、だなんて……云ってない」
荒っぽい呼吸ながらもすでに平常に戻りつつあるキョウゴと違い、智奈は息切れしながら囁くことが精いっぱいだ。
キョウゴは可笑しそうに笑う。
「そうじゃなくて、もっと智奈が喜ぶ話だ」
「……?」
あまりの気だるさで声にならず、けれど無言の問いは届いたようで、キョウゴはにやりとして口を開く。同時に智奈の手がつかまれる。
「どう?」
その問いと同時に、智奈の手のひらに芯を保ったオスが触れた。
「きょぅごっ……!」
「はっ。自分でも驚く。智奈に対する欲求はどうやったらおさまるんだ?」
本人がわからないのに智奈がわかるはずもない。ましてや、セックスに無知な智奈にとって男の躰は未知すぎる。
「無理、だから……」
今度は力なくも精いっぱいで訴えた。これ以上はもう気絶するしかない。本気でそう感じているのに、キョウゴはわかっていながらおもしろがっている。
「やっぱり段階が必要なようだな。壊れてもらっても困るし、今日はここまでにしてやる」
恩着せがましく云ってキョウゴはふとんを引きあげてふたりの躰を覆った。
智奈の首の下に左腕を潜らせ、腰もとに右腕をまわして、耳の上辺りに口をつけたキョウゴは、やはり髪の匂いを嗅ぐような素振りをして――
「いい匂いだ」
満ち足りた様子でつぶやいた。
荒い息遣いの合間に、智奈の口からむせぶような呼吸音が漏れる。
キョウゴは床にかがんで何やら――おそらくは智奈が濡らした、いや、噴いた後始末をしている。まもなくして躰を起こすとベッドに上がってきた。
智奈の脚を易々と開いて膝を立たせ、その間におさまると、キョウゴは上半身に覆いかぶさってきた。
「派手にイッたけど、泣くことじゃないだろう。それとも、啼くほど気持ちよかった?」
キョウゴはなぐさめることもなく、おもしろがって智奈の羞恥心に追い討ちをかける。親指の腹で智奈の目尻を拭った。
「……いまの普通?」
「どうだろう。智奈が感じやすくて素直で、最高の躰を持ってるってことは確かだ。おれを喜ばせてくれる」
真上でキョウゴはにやりとした。きれいな顔に愉悦を宿らせて、きっと人を惑わす悪魔はこんな感じだろう。
「ひどい、わたしばっかり……」
「つまり、おれにも気持ちよくなれって? 恥ずかしがるくせに智奈に何ができるんだ?」
キョウゴは揶揄したかと思うと、つと宙に目をやって、それから何やら思いついたような面持ちで智奈に目を戻した。
「いい方法がある。智奈もおれも気持ちよくなれる。やってみる?」
「嫌って云ってもやめないくせに」
「智奈が本当には嫌がってないからだ」
キョウゴは抜け目なく切り返してくる。あながち、間違いではない。キョウゴには心的にも生理的にも嫌悪など感じないし、触れられることにも慣れた。慣れる以上に、そのあとの気だるさはベッドをパラダイスに変える。
智奈が反撃しないとわかると、キョウゴは口を歪めて笑い、顔をおろして智奈のくちびるの端に口づけた。その拍子に、躰の中心に何かが触れた。
あっ。
ただでさえ敏感なそこは、さっき果てたばかりでもっと敏感になっている。何が触れたのか、きっとそれはキョウゴの発情の証しだ。背中から抱かれているときもおぼろげにそれを感じていた。
「智奈はまたすぐイケそうだ」
智奈の口もとから顔を上げてキョウゴはしたり顔で云い、そして、「我慢するなよ、何度でも」と熱っぽく囁いた。
キョウゴは上半身を起こすと、膝を折った脚をそれぞれに抱えこむ。そうして、智奈の躰の中心に自分のソレを沿わせた。
んふっ。
智奈の太腿を閉じ、脚を抱きこんだままキョウゴは上体を前に倒した。智奈のお尻が浮いて高く上がる。
「キョウゴっ」
「“最後”の約束は守る。普通のセックスより卑猥な気がするけど」
どういう意味か、それはまもなくキョウゴが動き始めて智奈は知った。
あ、あうっ。
キョウゴのオス化したソレが、智奈の中心の花片に沿ってスライドすると、喘ぎながら智奈は躰をよじった。薄い皮膚と皮膚が摩擦するも引きつることはなく、それ以上にぬるりぬるりと絶妙に摩撫されて躰がひどい快感に襲われる。
キョウゴが腰を引き、逆行して押しつけてくると、花片の突端にある秘芽が剥かれ、繊細すぎる場所が擦られて感度が最大値まで跳ねあがった。
ああああっ!
腰がびくんとして、浮いたお尻がますます持ちあがる。
ようやく感覚が戻りつつあった重たい腰がまた砕けそうな気がしながら、智奈は受けとめるしかできない。
太腿の間もさきに漏らしていた蜜でしとどにぬめり、その狭間でキョウゴのモノがなんの抵抗もなく前後する。それを目にすれば、キョウゴの云うとおり淫猥だろうけれど、智奈にそんな余裕はなかった。
蜜がキョウゴのオスに絡みつき、ぬちゃっぬちゃっ――と、粘り気のある音がだんだんとひどくなっていく。お尻の双丘の間に、つーっとそれが伝い、その感覚もなんともいえない。そのうえ、秘芽を剥かれてそこを摩撫されるとたまらず、智奈は腰をうねらせて身悶えた。
「あっ、やぁ――っああっ」
「……っ、智奈の躰はもっとってせがんでる」
ずるっと秘芽が剥かれて智奈がお尻を跳ねあげたとたん、キョウゴはかすかに呻いたあと、はしたなく羞恥心を煽った。
「ちが……あああっ」
否定しかけたとたん、キョウゴはまた腰を引いてから突いてくる。智奈はぷるぷると腰をふるわせながら跳ねあげ、それはキョウゴのオスに秘芽を押しつける恰好になって、自分で自分を追い詰めている。
首をのけ反らせ、無意識に頭上へと逃げようとしても、キョウゴがしっかりと脚を抱きこんでいてかなわなかった。さらにキョウゴは腰をわずかにうねらせながら秘芽を剥きあげた。そうして、動きを早めて次々とその刺激を送りこんできた。
「だ、めっ……ああっ、ああっ、ああっ、ああぅっ……もぅっ……また、ああっ……来そ……ぅっ……きょー、ごっ」
快感はどんどん積もっていって軽減する暇もない。背中が浮いて腰が反りあがる。秘芽が疼き、その感覚は絶えず、脳内が快楽で満ちた。痙攣を起こしながら自然と腰がうねり始めて、するとキョウゴが唸る。
「く……イッて、こぼせばいい……おれも、追う……」
声が途切れ途切れなのは、キョウゴも快楽を得ている証拠に違いなく――と、智奈はぼんやりした思考で感じた。
そうしてキョウゴは繊細な場所で小刻みに律動した。たまらなかった。智奈は理性を手放す。
「あああっ、も――ぅっ……ゃ、ぁああああああ――っ」
びくんっ。
一度、お尻を大きく跳ねあげたあと、続けざまにびくんびくんと跳ね、その間も秘芽への刺激はやまずに、ぷくっと、ぷくっと蜜が溢れてくる。
くっ――。
やがて低く唸る声が聞こえたとき、キョウゴがひどく腰をふるわせて、ついに智奈の躰は弛緩しきった。快感以外の感覚を失う。そうして、直後、お臍から胸の辺りまで、ぼとり、ぼとりと飛び散った熱に濡れた。
智奈の躰が規則的にびくっとふるえるなか、長いため息が聞こえた。満足至極といった深い吐息だ。
キョウゴは隣に左の肘をついて横たわり、智奈のおなかをきれいにしたあと、頬に右手を添える。緩く吸いつくようなしぐさでくちびるを合わせ、おもむろに顔を上げた。
「おれが不能じゃない証明はできた」
「わたしは……ふのー、だなんて……云ってない」
荒っぽい呼吸ながらもすでに平常に戻りつつあるキョウゴと違い、智奈は息切れしながら囁くことが精いっぱいだ。
キョウゴは可笑しそうに笑う。
「そうじゃなくて、もっと智奈が喜ぶ話だ」
「……?」
あまりの気だるさで声にならず、けれど無言の問いは届いたようで、キョウゴはにやりとして口を開く。同時に智奈の手がつかまれる。
「どう?」
その問いと同時に、智奈の手のひらに芯を保ったオスが触れた。
「きょぅごっ……!」
「はっ。自分でも驚く。智奈に対する欲求はどうやったらおさまるんだ?」
本人がわからないのに智奈がわかるはずもない。ましてや、セックスに無知な智奈にとって男の躰は未知すぎる。
「無理、だから……」
今度は力なくも精いっぱいで訴えた。これ以上はもう気絶するしかない。本気でそう感じているのに、キョウゴはわかっていながらおもしろがっている。
「やっぱり段階が必要なようだな。壊れてもらっても困るし、今日はここまでにしてやる」
恩着せがましく云ってキョウゴはふとんを引きあげてふたりの躰を覆った。
智奈の首の下に左腕を潜らせ、腰もとに右腕をまわして、耳の上辺りに口をつけたキョウゴは、やはり髪の匂いを嗅ぐような素振りをして――
「いい匂いだ」
満ち足りた様子でつぶやいた。
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