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結末の章
画家の帰りを待ちわびて
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フランス渡航を強行し、世界的な画家との出会い、最愛の画家との再会を無事に果たしてから、少しだけ時が流れた。雨がぱらつく空をガラス越しに眺め、時折腕時計に目を落とす。
「もうすぐ十五時……まだかしら」
大幅に遅延するほどの悪天候ではないため、もうじき目当ての飛行機が上空に姿を見せても良い頃合いだ。
「真静ー、そんなに雨雲と睨めっこしてないで座って待っていようよ」
ジュース片手に自分の隣を呆れた顔で示したのは、真静を一人で空港には行かせられないと完全に保護者気分でついてきた彩愛だった。そう、今彼女達がいるのは、他でもない空港である。今日は要真が留学を終えて帰国する日であり、真静としてはどうしても彼の帰りを門前で待ちたかったのだ。
「でも、そろそろあのあたりの滑走路に降りてくるはずなの。だから……」
「はいはい、わかったから。真静がそんな顔してると薄幸の美女感漂いまくりで目立つんだから、早く座って」
「そうですよ、真静さん。このまま貴女を攫ってしまいたくなる人が現れてもおかしくないのですから、あまり目立つのは良くないです」
「伊澄さんまでそんなこと。でも本当にあと少しで……あっ」
諦めきれずに外へと視線を投げかけた真静が目を見開き、ガラスに張り付く。その視線の先では、今まさにフランスからの飛行機が着陸をしようとしていた。
「帰ってきた! 帰ってきたわ、彩愛!」
「わーかったから! お願いだから目立たないで静かに大人しくして!」
「早く到着ロビーに行きましょう! ほら、伊澄さんも早く!」
眩しいくらいの笑顔で二人の手を引く彼女を横目で見ていく通行人は数知れず、明らかに目立っている状況に彩愛からはため息が漏れた。
「なぜあたしまで好奇の目に晒されなければならないの……」
「彼の帰りを誰よりも心待ちにしていたのは真静さんですから、大目に見てあげましょう」
そんな会話も耳に入らない真静は弾む足取りで二人を誘い、到着ロビーに着いてからは帰国者との合流地点でひたすらに出口を見つめた。人の流れに全神経が集中しているのか、彩愛と悠貴が話しかけても反応がない。それでも手元の端末が鳴動した際には敏感に反応し、歓喜の声を上げた。
「税関を通過したって。もうすぐ来るわ!」
「はいはい」
事前に聞いた情報によれば、絵を運んできたとかでかなりの大荷物、故にカートを利用しているらしい。とりあえず大荷物が現れたら彼だと思おう。
そうこうしているうちに、ロビーの人の流れが多くなってきた。この波で来ることは間違いない。
しばらく人の波を見つめていると不意にスーツケースやバッグをどっさり積んだカートが見え、次いで見慣れた姿、待ちわびた姿が現れた。
「倉瀬さん!」
彼が首を巡らせるよりもはやく名前を呼べば、彼はすぐに真静を見つけ、顔を綻ばせた。そしてもどかしげにカートを押しながら通路を抜け、真静のもとにまっすぐ向かってきた。
「真静、ただいま」
躊躇なく真静を抱きしめた要真の背に、真静も照れながら腕を回す。
「おかえりなさい」
そんな二人の姿を見せられて、面白くない人もいるわけで。
据わった目を要真に向け威嚇するが如く唸ったのは、他でもない、彩愛だった。
「公共の場でイチャつくな、倉瀬要真! あんたが可愛い可愛い真静の彼氏だなんて、あたしは認めてないんだからね!」
「まあまあ、落ち着いて。しかし、そろそろ認めてあげてもいいと思うけれどね、二人のこと」
そう言ったのは、彩愛の肩を抱き微笑を浮かべる和装の男である。
「僕と君の関係を、真静さんは許してくれたでしょう?」
「そっそれは、今関係ないでしょ!」
そう、数年前から二人は、両家公認の恋仲となっている……どころか婚約している。結婚式が迫るにつれて落ち着きがなくなっていく彩愛が愛しくてたまらない、と真静が悠貴に惚けられたのはいつのことだったか。
「とっ、とりあえず! ここにいるのも迷惑だし、早く移動しよう!」
グイグイと悠貴の腕を引っ張り気まずさから逃げた彩愛のあとを、真静と要真も微笑み合いながら追った。
そして、その夜。再会を喜び合う二人きりの夜を思い描いていた要真の期待を裏切り、彼の周囲には何人もの人間が集まっていた。
「食べ放題、飲み放題にしてあるからな、好きなだけ飲んで食べろよ!」
小洒落た居酒屋の一角、その場の仕切り役は、他でもない、正啓だ。そして彼の傍には、要真には不可解に思える人物が座っていた。
「ちょっと待って兄さん。あのさ……どうして兄さんの隣が、真静のお姉さんなの?」
思わず問うてしまったのも無理はないだろう。要真の知る限りでは、彼らに接点などかけらもないのだから。
親愛なる弟に怪訝な顔で問われた正啓はというと、飲み物のメニューから顔を上げ、得意げに彼女の肩を抱き寄せた。
「そりゃあもちろん、俺の恋人だからだよ」
「……は? いつからそんなことに?」
「以前話した、軽く会社を巻き込んでの恋愛の話、あれの相手は彼女だったんだ。で、無事にうちに就職が決まったから攻めまくって、なんとかオトしたって感じだな」
緩み切った表情で「な?」と顔を覗き込む正啓に、柚依が恥ずかしそうながら満更でもない様子で頷きを返す。そしてそれを見ていた要真からは軽くため息が漏れた。それが呆れなのか、安心なのか、意図は本人すらわかっていない。
「……なんだか、俺が日本にいないうちに色々変わったみたいだね」
「ええ。あとね、兄も少しだけ変わったのです」
「えっ、妹離れでもした?」
「ははは、誰が妹離れしたって?」
要真の背後からの声に一同が振り向けば、そこにいたのはスーツ姿の巧だった。首元から名札を下げているあたり、いかにも退勤後といった様である。
「お、お久しぶりです、お兄さん」
「ええ、お久しぶりです。お元気そうで何よりだ」
「はは、ありがとうございます。ところで、お兄さんの少し変わったところというのは一体?」
少し強引だが、巧から漂う冷気から気をそらすには仕方ない。問われた巧はといえば、特に気にした様子もなくバッグを漁り、名刺を要真に差し出した。
「倉瀬さんの熱烈なアプローチにより、去年の夏から『倉瀬商事』勤務になりました。まあつまりは、倉瀬さんと妹が同僚になった、ということですね」
「兄と同僚、ですか。……まさか兄さん、将来的に自分が楽をするためにライバル商社から引き抜きをしたわけ?」
「まさかそんな自分が楽をするためなわけないだろう? あくまでも会社の利益のためだよ、ははは」
弟の疑いの目には、いつまでも弱い兄である。それが図星であれば尚更だ。
「さあさあ、佐成さんもこちらに座ってください。一緒に飲みましょう」
「では失礼して。おお彩愛ちゃん、久しぶり」
「お久しぶりでっす! なんだか男前になりましたねー。前よりもモテてそう」
「彩愛? 僕の嫉妬深さは知っているよねえ?」
「えっ、今のもダメなの!?」
そんなこんなで騒がしくなった酒盛り……もとい要真の帰国祝いは、日付が変わるまで続いたのだった。
*****
散々飲んで騒いだその夜、どうしても離れたくないと酔った勢いで真静を自宅まで連れ帰った要真は、酔い覚ましも兼ねてベランダに出ていた。肩を並べる真静の手を握り、ぼうっと空を仰ぐ。
「君が隣にいる夜は、何回目でも良いものだね。心地良い」
「ふふ、それは私もです」
照れたように笑って躊躇いがちに身を寄せる彼女に、愛しさが募るのは当然のことだ。それ故に、その言葉は意識せずにこぼれ出た。
「君といつまでも一緒にいられたらいいのに。いつでも、いつまでも」
そう囁いた要真の目は熱を帯び、しかしそれを酔いのせいにするにはあまりに真っ直ぐだった。その熱と迷いのなさに、真静の胸は意図せず高鳴った。
「ねえ真静、俺が画家として、今後も問題なくやっていける保証はどこにもない。いつ駄目になるか分からない、不安定な仕事だからね。でも、それでもお願いしたいんだ。君が大学を卒業したら、俺と結婚してほしい。……こんな飾り気のない言葉でごめん」
「要真、さん……」
「君がやりたいことがあるのなら、俺はそれを邪魔したりしない。でも、どうか俺のそばに、俺の隣にいてほしい」
「……はい」
要真の想いに応えるまでに真静が黙ったのは一瞬で、返事をした彼女は晴れやかな笑みを浮かべていた。
「フランスに行ったときから、私は一生をかけてあなたのそばにいるつもりでした。……この先何があっても、私を隣にいさせてください」
「真静……ありがとう」
一度は彼女を、辛い目に合わせた。それでも、彼女は要真への想いを消すことはなく、遥々海を渡ってまで会いに来てくれた。そんな彼女となら、要真は一生幸せでいられる。
「何度でも言うよ。君を何よりも愛してる」
都会の空で、星がちらほらと瞬く。その中心では大きな満月が、綺麗に輝いていた。
——終——
「もうすぐ十五時……まだかしら」
大幅に遅延するほどの悪天候ではないため、もうじき目当ての飛行機が上空に姿を見せても良い頃合いだ。
「真静ー、そんなに雨雲と睨めっこしてないで座って待っていようよ」
ジュース片手に自分の隣を呆れた顔で示したのは、真静を一人で空港には行かせられないと完全に保護者気分でついてきた彩愛だった。そう、今彼女達がいるのは、他でもない空港である。今日は要真が留学を終えて帰国する日であり、真静としてはどうしても彼の帰りを門前で待ちたかったのだ。
「でも、そろそろあのあたりの滑走路に降りてくるはずなの。だから……」
「はいはい、わかったから。真静がそんな顔してると薄幸の美女感漂いまくりで目立つんだから、早く座って」
「そうですよ、真静さん。このまま貴女を攫ってしまいたくなる人が現れてもおかしくないのですから、あまり目立つのは良くないです」
「伊澄さんまでそんなこと。でも本当にあと少しで……あっ」
諦めきれずに外へと視線を投げかけた真静が目を見開き、ガラスに張り付く。その視線の先では、今まさにフランスからの飛行機が着陸をしようとしていた。
「帰ってきた! 帰ってきたわ、彩愛!」
「わーかったから! お願いだから目立たないで静かに大人しくして!」
「早く到着ロビーに行きましょう! ほら、伊澄さんも早く!」
眩しいくらいの笑顔で二人の手を引く彼女を横目で見ていく通行人は数知れず、明らかに目立っている状況に彩愛からはため息が漏れた。
「なぜあたしまで好奇の目に晒されなければならないの……」
「彼の帰りを誰よりも心待ちにしていたのは真静さんですから、大目に見てあげましょう」
そんな会話も耳に入らない真静は弾む足取りで二人を誘い、到着ロビーに着いてからは帰国者との合流地点でひたすらに出口を見つめた。人の流れに全神経が集中しているのか、彩愛と悠貴が話しかけても反応がない。それでも手元の端末が鳴動した際には敏感に反応し、歓喜の声を上げた。
「税関を通過したって。もうすぐ来るわ!」
「はいはい」
事前に聞いた情報によれば、絵を運んできたとかでかなりの大荷物、故にカートを利用しているらしい。とりあえず大荷物が現れたら彼だと思おう。
そうこうしているうちに、ロビーの人の流れが多くなってきた。この波で来ることは間違いない。
しばらく人の波を見つめていると不意にスーツケースやバッグをどっさり積んだカートが見え、次いで見慣れた姿、待ちわびた姿が現れた。
「倉瀬さん!」
彼が首を巡らせるよりもはやく名前を呼べば、彼はすぐに真静を見つけ、顔を綻ばせた。そしてもどかしげにカートを押しながら通路を抜け、真静のもとにまっすぐ向かってきた。
「真静、ただいま」
躊躇なく真静を抱きしめた要真の背に、真静も照れながら腕を回す。
「おかえりなさい」
そんな二人の姿を見せられて、面白くない人もいるわけで。
据わった目を要真に向け威嚇するが如く唸ったのは、他でもない、彩愛だった。
「公共の場でイチャつくな、倉瀬要真! あんたが可愛い可愛い真静の彼氏だなんて、あたしは認めてないんだからね!」
「まあまあ、落ち着いて。しかし、そろそろ認めてあげてもいいと思うけれどね、二人のこと」
そう言ったのは、彩愛の肩を抱き微笑を浮かべる和装の男である。
「僕と君の関係を、真静さんは許してくれたでしょう?」
「そっそれは、今関係ないでしょ!」
そう、数年前から二人は、両家公認の恋仲となっている……どころか婚約している。結婚式が迫るにつれて落ち着きがなくなっていく彩愛が愛しくてたまらない、と真静が悠貴に惚けられたのはいつのことだったか。
「とっ、とりあえず! ここにいるのも迷惑だし、早く移動しよう!」
グイグイと悠貴の腕を引っ張り気まずさから逃げた彩愛のあとを、真静と要真も微笑み合いながら追った。
そして、その夜。再会を喜び合う二人きりの夜を思い描いていた要真の期待を裏切り、彼の周囲には何人もの人間が集まっていた。
「食べ放題、飲み放題にしてあるからな、好きなだけ飲んで食べろよ!」
小洒落た居酒屋の一角、その場の仕切り役は、他でもない、正啓だ。そして彼の傍には、要真には不可解に思える人物が座っていた。
「ちょっと待って兄さん。あのさ……どうして兄さんの隣が、真静のお姉さんなの?」
思わず問うてしまったのも無理はないだろう。要真の知る限りでは、彼らに接点などかけらもないのだから。
親愛なる弟に怪訝な顔で問われた正啓はというと、飲み物のメニューから顔を上げ、得意げに彼女の肩を抱き寄せた。
「そりゃあもちろん、俺の恋人だからだよ」
「……は? いつからそんなことに?」
「以前話した、軽く会社を巻き込んでの恋愛の話、あれの相手は彼女だったんだ。で、無事にうちに就職が決まったから攻めまくって、なんとかオトしたって感じだな」
緩み切った表情で「な?」と顔を覗き込む正啓に、柚依が恥ずかしそうながら満更でもない様子で頷きを返す。そしてそれを見ていた要真からは軽くため息が漏れた。それが呆れなのか、安心なのか、意図は本人すらわかっていない。
「……なんだか、俺が日本にいないうちに色々変わったみたいだね」
「ええ。あとね、兄も少しだけ変わったのです」
「えっ、妹離れでもした?」
「ははは、誰が妹離れしたって?」
要真の背後からの声に一同が振り向けば、そこにいたのはスーツ姿の巧だった。首元から名札を下げているあたり、いかにも退勤後といった様である。
「お、お久しぶりです、お兄さん」
「ええ、お久しぶりです。お元気そうで何よりだ」
「はは、ありがとうございます。ところで、お兄さんの少し変わったところというのは一体?」
少し強引だが、巧から漂う冷気から気をそらすには仕方ない。問われた巧はといえば、特に気にした様子もなくバッグを漁り、名刺を要真に差し出した。
「倉瀬さんの熱烈なアプローチにより、去年の夏から『倉瀬商事』勤務になりました。まあつまりは、倉瀬さんと妹が同僚になった、ということですね」
「兄と同僚、ですか。……まさか兄さん、将来的に自分が楽をするためにライバル商社から引き抜きをしたわけ?」
「まさかそんな自分が楽をするためなわけないだろう? あくまでも会社の利益のためだよ、ははは」
弟の疑いの目には、いつまでも弱い兄である。それが図星であれば尚更だ。
「さあさあ、佐成さんもこちらに座ってください。一緒に飲みましょう」
「では失礼して。おお彩愛ちゃん、久しぶり」
「お久しぶりでっす! なんだか男前になりましたねー。前よりもモテてそう」
「彩愛? 僕の嫉妬深さは知っているよねえ?」
「えっ、今のもダメなの!?」
そんなこんなで騒がしくなった酒盛り……もとい要真の帰国祝いは、日付が変わるまで続いたのだった。
*****
散々飲んで騒いだその夜、どうしても離れたくないと酔った勢いで真静を自宅まで連れ帰った要真は、酔い覚ましも兼ねてベランダに出ていた。肩を並べる真静の手を握り、ぼうっと空を仰ぐ。
「君が隣にいる夜は、何回目でも良いものだね。心地良い」
「ふふ、それは私もです」
照れたように笑って躊躇いがちに身を寄せる彼女に、愛しさが募るのは当然のことだ。それ故に、その言葉は意識せずにこぼれ出た。
「君といつまでも一緒にいられたらいいのに。いつでも、いつまでも」
そう囁いた要真の目は熱を帯び、しかしそれを酔いのせいにするにはあまりに真っ直ぐだった。その熱と迷いのなさに、真静の胸は意図せず高鳴った。
「ねえ真静、俺が画家として、今後も問題なくやっていける保証はどこにもない。いつ駄目になるか分からない、不安定な仕事だからね。でも、それでもお願いしたいんだ。君が大学を卒業したら、俺と結婚してほしい。……こんな飾り気のない言葉でごめん」
「要真、さん……」
「君がやりたいことがあるのなら、俺はそれを邪魔したりしない。でも、どうか俺のそばに、俺の隣にいてほしい」
「……はい」
要真の想いに応えるまでに真静が黙ったのは一瞬で、返事をした彼女は晴れやかな笑みを浮かべていた。
「フランスに行ったときから、私は一生をかけてあなたのそばにいるつもりでした。……この先何があっても、私を隣にいさせてください」
「真静……ありがとう」
一度は彼女を、辛い目に合わせた。それでも、彼女は要真への想いを消すことはなく、遥々海を渡ってまで会いに来てくれた。そんな彼女となら、要真は一生幸せでいられる。
「何度でも言うよ。君を何よりも愛してる」
都会の空で、星がちらほらと瞬く。その中心では大きな満月が、綺麗に輝いていた。
——終——
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