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 私は、侯爵夫人のマランティアである。
 夫は侯爵のウディーであり、彼とはお見合いで出会った人である。

 私は、彼の人柄に惚れ、彼からのプロポーズで婚約を決めた。

 そして、今は結婚し、晴れた新婚生活を送っている。

 …………と、思いたかったのだが……

 私は、彼と誰かが立ち話をしているのを立ち聞きした。

 立ち聞きはよろしくないけど、どうも気になる内容であった。


 「お兄さん、あんな女より、私の方が良いよね?私の方が、お兄さんのことを幸せに出来る。」
 「こ、声がでかいよ。近くに彼女がいたらどうするんだ。まぁ、そうだね。僕も彼女に飽きてきたんだ。やっぱり、お前を選ぶべきだったかもな。」


 この声は、ウディーである。あと、ウディーの話し相手の声は、とても聞いたことある声であった。誰だっけ…………


 「遅くはないわ。というか、今のうちにさっさとあの女と別れるべきだわ。早く二人で幸せになりましょう?」
 「そうだね。分かった。今すぐとは言わないけど、覚悟はしておくよ。」


 何なの!?この会話は!?それに、別れるってなに!?あの女って私のこと!?

 それに、思い出したことがある。

 ウディーの話し相手は、私の妹のラフィアであった。
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